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木々の枝先を淡い緑が芽ぶき始める頃、冷たい雪解け水が渓谷の岩肌をふるわせます。滝を創り、淵となり、渓流を走り、幾変化を繰り返しながらやがて大河へ。やがて水はぬるみ、本格的な春が訪れると、渓谷はミツマタやコブシ、シャクナゲなどの花で飾られます。そして夏。勢いを増した緑が渓流をのみ込まんばかりに川べりを覆い、涼しげな木洩れ陽をつくります。
温床の秋は、一陣の風とともに突然やって来ます。山の上から忍び寄ってくる紅葉の使者が渓流に辿りつくと、岩の上は色とりどりの落ち葉の絨緞。あでやかに華々しく、季節を締めくくります。そして冬。モノトーンの森に響くのは、渓流の饒舌なおしゃべりだけ。厳寒、凍りついた滝は凄絶なまでに美しい。山水画のように静まり返った風景の中で、木々たちは芽生えの準備を始めています。
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