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山林が大半を占める本村では、林業が重要な役割を果たしてきた。明治の末期頃からは杉や桧の植林も始まり、ミツマタやスギ、ヒノキの植林と、そば・ひえ・大豆・小豆などの作物を組み入れた焼き畑が昭和30年(1955)頃まで続いた。険しい山々に囲まれた祖谷では、農地が急斜面にあるため、周辺の山林を焼畑として利用しなければならなかったのである。こうした中で、寒冷地を好み、やせ地でも生育するそばは、祖谷の土地に適応し重要な食料となった。そばは、この地方の供宴には欠かすことのできない献立である。現在、祖谷の最も有名な名物としてその名を轟かせている「祖谷そば」は、そば粉をたっぷりと使った麺の太いそばで、素朴な味わいが人気を呼んでいる。村の山地には茶の木も自生しているので、昔から製茶も盛んであった。特に村の最南端(高知県との県境)に位置する有瀬では、日当たりもよく、県下でも優秀な「有瀬茶」を産する。その品質は静岡市場でも認められるほどである。また、有名な郷土料理に「でこまわし」がある。祖谷地方に伝わる食習慣で、じゃがいもや里芋・豆腐・こんにゃくなどを竹串に刺し、味噌をつけて囲炉裏の縁に立て、くるくる回して火であぶりながら食べる。阿波の人形浄瑠璃の木偶(でこ)人形に似ていることからこの名がついたという。その他の特産品としては、こんにゃく・しいたけなどの山の幸、清流にしか棲息しないアメゴほか川魚の料理、細やかな人情が作り出した民芸品などがある。これらの特産品は、「特産物販売コーナー」で買うことができる。
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