都道府県山村振興主管課長を会員とする「山村振興全国連絡協議会」(会長:松井 崇 京都府農林水産部理事農村振興課長)は、8月20日(月)に農林水産省の関係部課長等と山村振興施策に関して意見交換を行った。
 意見交換に活用した山村振興施策に関する提案は、次のとおりとなっている。

平成25年度山村振興施策に関する提案

 振興山村の活性化につきましては、日頃から格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
 さて、振興山村は国土の7割を占める山林を背景に、日本の水源として、地球温暖化を防ぐCO2の吸収源として、自然環境・生物多様性の基幹となり、国土の保全や国民生活全般に重要な役割を果たしています。
 昭和40年の山村振興法制定以降、様々な山村振興対策が実施され、交通条件、経済的・文化的諸条件の格差是正及び地域の産業基盤や生活基盤の整備等について、着実にその成果を挙げてきていることにつきまして、お礼申し上げます。
 しかしながら、振興山村は人口減少、過疎化・高齢化の進行が著しく、地場産業の停滞、耕作放棄地の増大、森林の荒廃、鳥獣被害の拡大がみられるなど、将来の存続が危ぶまれる集落の増加にも歯止めがかからない状況にあります。
 また、東日本大震災の発生に伴い東北地方は甚大な被害を受け、広範の振興山村市町村が被災し、多くの産業基盤が失われました。
 震災からの復旧・復興については、被災地のみならずそれを支える全国の地域振興があって初めて為し得る国家プロジェクトであるとの思いから、もともと経済基盤の脆弱な全国の振興山村において地域の活性化が必要になっているものと考えています。
 つきましては、振興山村の活性化を図るために、次の事項について提案します。

1 野生鳥獣等の被害防止対策の充実・強化
  振興山村においては、イノシシ、ニホンジカ、ニホンザル、ニホンカモシカ、外来生物などの野生鳥獣による農作物等への被害が拡大しており、野生鳥獣の生態に応じた効果的な農作物等への被害防止対策の確立と地域への普及が喫緊の課題となっていることから、地域の実情に応じた取組が実施できるよう、鳥獣被害防止総合対策交付金の継続と予算枠の拡大など被害防止対策の充実強化を図ること。

2 中山間地域等直接支払制度の法制化
  振興山村等の条件不利地域において、「中山間地域等直接支払制度」は、新たな耕作放棄地の発生防止や多面的機能の維持などのためには欠かせない制度であり、第三期対策までに制度の充実・強化が図られています。今後とも地域が安心して取り組めるよう十分な予算の確保に加え、長期の安定的な制度とするよう法制化を図ること。

3 振興山村における基盤及び施設整備に対する助成措置の充実・強化
  振興山村における地域産業の振興、生活環境の向上等を図るための基盤及び施設の整備に対する予算について、新規地区も含め地域の要望に十分応えられるよう、必要な公共事業等の予算の確保など、助成措置の充実・強化を図ること。

4 都市農村交流の総合的な推進
  自然豊かな山村での体験活動など、集落ぐるみの都市農村交流等の促進による振興山村の活性化を図るため、「子ども農山漁村交流プロジェクト」をはじめとした活動の中心となる地域住民やNPO等の人材育成や組織づくりについて、活動環境の整備に対する支援の充実・強化など、都市農村交流の総合的な推進を図ること。

5 耕作放棄地対策の充実・強化
  食料の自給率を高め、安定供給を図るには、優良農地の確保と有効利用を進めることが必要であり、そのためには耕作放棄地の解消及び発生防止が喫緊の課題となっていることから、耕作放棄地再生利用緊急対策の継続に加え、要件の緩和や推進組織の運営支援など、耕作放棄地対策の充実・強化を図ること。



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