全国山村振興連盟の平成24年度通常総会は、11月22日(木)午前10時30分から千代田区隼町のグランドアーク半蔵門3階の華において、国会議員、政府関係者、友好団体等の来賓多数の出席のもとに連盟会員、支部事務局員など約350名が出席して盛大に行われた。
 会場正面には、「地方交付税制度を強化し、所要額を確保すること」、「木材価格の下落に対する対応措置を講ずること」、「森林吸収源対策等の推進に資する税制措置を創設すること」、「山村地域に壊滅的打撃を与えるTPPには、参加しないこと」のスローガンが掲げられた。
 総会は、最初に棚野孝夫副会長(北海道白糠町長)が「只今から、平成24年度全国山村振興連盟通常総会を開会致します。
 さて、山村をめぐる状況は過疎化、高齢化の急激な進行など厳しいものがあります。一方、山村は、国民にとってかけがえのないものであり、都市を含む我が国全体の安定的な発展のためには、山村を活性化していくことが必要不可欠であります。
 この総会においては、山村振興関連予算・施策が充実強化されるよう、平成25年度予算の編成に向けて、私どもの意思を結集し、政府並びに国会に対して訴えてまいりたいと存じます。
 本総会が所期の目的を達成できますよう、ご参集の皆様の絶大な協力をお願い致します。」との開会の辞を述べた。
 次に、竹ア一成 会長代行(熊本県芦北町長)が開会の挨拶を行い、御来賓の農林水産大臣(實重重実 農村振興局長代読)、参議院議員 山田俊男 先生(自由民主党農林部会長代理)、藤原忠彦 全国町村会長(長野県川上村長)からそれぞれ祝辞が述べられた。
 続いて、出席された国会議員、政府関係者、友好団体の来賓紹介が行われた。
 次に、長野県泰阜村の松島貞治 村長及び岐阜県白川町の今井良博 町長から事例報告が行われた。
 なお、報告の内容については、平成25年1月1日号の山村振興情報に掲載します。

 竹ア一成 会長代行(熊本県芦北町長)が議長となって議事に入り、次の議案が審議された。
○ 第1号議案「平成25年度山村振興関連予算・施策の要望(案)に関する件」
  岸 廣昭事務局長から説明を行い、原案どおり可決された。
○ 第2号議案「木材(丸太)価格の下落に対する対応措置に関する特別要望(案)に関 する件
  辻村源四郎 副会長(奈良県黒滝村長)から提案され、原案どおり可決された。
○ 第3号議案「決議(案)」
  今井良博 副会長(岐阜県白川町長)から提案され、原案どおり可決された。
以上で議事を終了した。

  岩ア憲郎副会長(高知県大豊町長)が「本日は熱心なご審議を賜りまして誠に有難うございます。ご決定いただきました要望並びに決議につきましてこれから皆さんと共に積極的な運動を展開してまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。衆議院が解散しまして選挙を迎えるわけでありますが、そうした中で最近特に非常に都市中心の意見、議論になってまいりました。こうしたことに大きな懸念を感じているのは私一人ではないと思います。国を進むべき道を、スイッチをひねれば電気が点いて当然、蛇口をひねれば水が出て当然という人達が決めたのでは、この道を誤りかねません。そうさせないためにも、本日の決議及び要望を国土の大半を占める山村地域の声、叫びとして国会及び政府にしっかりと届けてまいりたいと存じます。」との閉会の辞を述べ、同副会長の発声により「頑張ろう」コールを三唱し、総会を終了した。

 総会終了後、可決された要望事項について、連盟の町村長副会長が関係省庁及び国会議員に対し、各支部では地元選出の国会議員等に対しそれぞれ要請活動を行った。

 当日の会長挨拶、来賓祝辞、寄せられたメッセージ、可決された要望書、決議等は以下のとおりとなっている。


【竹ア一成 会長代行 挨拶】
 皆さん、おはようございます。
 本日は、本総会開会にあたり、中谷会長からご挨拶申し上げるところでしたが、ご案内のような状況の中で会長の出席がかなわず、会長に代わり、私からご挨拶申し上げます。
 本日は、公務ご多忙の中、国会議員の先生方、関係省庁の代表の皆さん、全国町村会を始め関係団体、そして主役の会員の皆さん、こうして大勢の皆様方にお集まりいただき、本総会を開催することができますこと、感謝に堪えません。
 さて、山村地域の現状を見ますと、人口の減少に歯止めがかからず、高齢化が進んでおり、この状況のまま進んでいくと、集落の崩壊が心配されます。
 山村地域は、我々日本民族の素晴らしさを支える源です。村の住民どうしが危機感を共有し、助け合い、限られた資源を大事にして生活してきました。このまとまりが日本人のアイデンティティーを形成して来たのであります。
 この我々の精神の原点とでもいうべき山村が、危機に瀕している。今まで日本の屋台骨を支えてきた家族の絆が壊れようとしている。これは由々しきことであります。
 まだまだ、山村には責任感に燃えた人達が、村を、山を、自然を守ってくれております。人口わずか数パーセントの人たちが、我々の国土を守ってくれているのです。
 このことが国の基本政策の中でいかに重要かを認識すべきです。地方を疲弊させる物質文明の淘汰から故郷を守っていかねばなりません。
 私たちは、このような地域で必死に頑張っておられる住民の皆さんのご努力に思いをいたし、我が日本のために、中山間地域の機能を維持していくための対策を講じていくことが、緊急の課題であると考えます。
そのことを踏まえ、我々は、中山間地域対策、特に集落の機能維持対策のためにいろいろ工夫し、政府に対し働きかけを行っていかねばなりません。
 何といっても、地方交付税の重点配分などの地方税財政措置の充実が大切であり、また個別対策としては、中山間直接支払制度、林業関係予算の充実のほか、道路整備、バス路線の維持、難視聴地域の解消、地域医療の充実、森林吸収源対策等の推進に資する税制措置の創設、森林環境税の創設などを求めていかねばなりません。
 また、25年度予算に向けての概算要求においては、集落対策に眼を向けた対策を出して頂いております。これからの我々の運動は、これら施策、予算の実現に向けて力を合わせて頑張っていくことだと考えます。
 また、本日は、本連盟の副会長である長野県泰阜村の松島村長さん、岐阜県白川町の今井町長さんから、山村振興対策の実践例を発表して頂き、その処方箋に至るお知恵を伺いたいと考えております。
 一人ではなく、皆が力を合わせる。それぞれの村が、日本一幸せな村を目指して頑張れるような、そんな社会をつくるため、共に取り組んで参りましょう。会員皆様方のご支援ご協力を賜ることをお願いしてご挨拶といたします。本日はよろしくお願いいたします。


【農林水産大臣挨拶(實重重実農村振興局長代読)】

 本日ここに、全国山村振興連盟、平成24年度通常総会が盛大に開催されるに当たり、一言お祝いの言葉を申し上げます。
 まず、本日御参集の皆様におかれましては、日頃より山村振興行政に対する御理解と御協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。特に、市町村長の皆様には、それぞれ地域の第一線において、その振興に絶えず努力されていることに対し、深く敬意を表する次第であります。
 さて、我が国の国土面積の約5割を占める山村は、食料や木材の供給をはじめ、国土の保全、水源のかん養などの多面的機能の発揮を通じて、国民の豊かな暮らしの実現に大変重要な役割を果たしております。
 このような山村の役割は、山村に人々が生活し、そこで営まれる農林業活動を通じて果たされるものであり、その振興を図ることは我が国全体の発展にとって極めて重要であると考えております。
 しかしながら、現在、山村を取り巻く環境は、過疎化や高齢化の進行、鳥獣被害の深刻化などにより、大変厳しいものとなっております。
 こうした中で、農林水産省といたしましては、東日本大震災からの本格的な復旧・復興などの災害対策の推進をはじめ、山村の振興を図るため、戸別所得補償制度、中山間地域等直接支払制度、鳥獣被害防止対策などの施策を実施するとともに、新たな「土地改良長期計画」による農業の体質強化や地域コミュニティの再生、また、「森林・林業基本計画」を着実に実行して、林業・木材産業の再生に取り組んでいます。今後とも、山村の振興に向けて、これら各種制度の充実を図りつつ、関係予算の確保に全力を上げてまいります。
 こうした施策を推進していく上で、山村を支えておられる関係自治体の皆様の、地域の特色を活かした取組が非常に重要であります。皆様におかれましては、これまでにも増して御協力、御尽力をお願い申し上げる次第です。
 結びに当たり、我が国山村のますますの御発展と、本日御参集の皆様の御健勝と今一層の御活躍を祈念いたしまして、私のお祝いの言葉といたします。
 平成24年11月22日 農林水産大臣 郡司 彰


【参議院議員 山田俊男先生 挨拶(自由民主党農林部会長代理)】
 東日本の大震災並びに福島の原発事故に伴います大変な
ご苦労につきましては、皆さん引き続き大変苦しんでおら
れるところであります。政治が、また国会が、行政がそういうことに的確に本当に仕事ができているのか、本当に苦しむところであります。
 私も明日は、警戒区域でありますJA双葉の管内に入る予定にしているところでありまして、つぶさに実情を見ながら、どんな対策がそれぞれ本当に緊急を要するのか、改めてしっかり頭の中と胸の中に入れてくる所存であります。
 さて、本日議題となっておりますそれぞれのことについてもそのとおりであります。山村地域がそれこそ本当に日本の大事な大事な文化でもありますし、生活の場でもありますし、国づくりの本当の基本をなしてきた地域でありますけれども、それぞれ、過疎化でありましたり、さらには廃村という憂き目も含めまして大変なご苦労があるところであります。最近はとりわけ、集中豪雨がものすごく起きまして、私も熊本の阿蘇の実情、福岡の実情を見てまいりましたが、戦後の植林の取組があったわけでありますが、その成果を山の上から全部押し流してしまい、そのことが下流の河川の氾濫、洪水という苦難に陥れているという実態を見てきたところであります。そういう災害対策についても、本当に着実に手を打っていかなくてはならないにもかかわらず、どうも遅れてしまっていることを、大変申し訳けなく、残念に思います。
 春先から木材の価格が下がってしまいまして、これはいかんぞということで、林政調査会と農林部会とが合同して材価対策を10項目にわたりとりまとめ、農林水産大臣並びに国土交通大臣に申し入れを行ったところであります。ようやく、少しづつ元に戻ってきているのかなと思うところでありますが、山村の雇用、それからさらに所得の実現のためにもなんとしてでも、山の木材、材価その対策を講じていかなくてはならないところでありますが、昨日、一昨日、事業仕分けの中で、さらに原発のあり方についてはいろいと議論のあるところでありますが、2030年には原発ゼロだという党が事業仕分けをやって、大事な雇用を作りあげていく、木質バイオマス環境整備に係る予算をこれはもう必要ない、見直せということで整理してしまうわけでありますから、一体何なんだと言わざるを得ないところであります。私も会津の施設を見てまいりましたが、本当にコンパクトな施設でありながら私が見ている限り1時間から1時間半の間に何台ものトラックがチップを積んで運んで来ているわけでありますから、そういうことを考えてみただけでも、こうした施設を必要なところにきちんと位置づけていかなければ、何の解決も出来ないのでありまして、今回の事業仕分けの動きには全く納得がいかないという思いであります。
 また、皆さんが一番環境問題意識を持っている環境税の問題であります。昨日も全国森林環境税創設促進連盟、全国森林環境税創設促進議員連盟の皆さんが党の合同会議にお見えになり、本当に熱ぽい、切実な要求を我々もお聞きしたところであります。温暖化対策税、これはあるのでありますから、これをちゃんと作ろうではないかということは、党としてもしっかり認識しているところであります。森林環境税の創設並びに温暖化対策税のその使途につきまして、来年度予算対策において全力を挙げて取り組んでまいりたい、そういう思いであります。
 TPP参加促進をいうところもありまして、このままでいきますと大変なことになるぞと思っていましたが、ああいう形で加速するといくことになりました。それにしても油断は絶対出来ないわけでありまして、この動きをしっかり見極めて、そして、万全の対策を我々講じてまいりたいと存じます。ただ単に総選挙のためだけのパフォーマンスでこの国を潰されるのは納得できない、こういう思いで皆さんと一緒に頑張らせていただきます。
 

【藤原忠彦 全国町村会長 挨拶(長野県川上村長)】
 ただ今、ご紹介頂いた全国町村会長の藤原でございます。一言ご挨拶申し上げます。
 衆議院の解散直後という慌ただしい中ではありますが、本日ここに、全国山村振興連盟の平成二十四年度通常総会が関係者多数のご出席のもと、盛大に開催されますことは誠に意義深く、心からお慶び申し上げます。
 また、皆様方には、日頃より全国町村会の活動に格別なご支援を頂いており、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。 
 はじめに、東日本大震災から一年八ヵ月が過ぎましたが、甚大な被害を受けた林道や製材工場等の回復は、まだ緒に就いたばかりであり、原子力災害を受けた森林の除染は、未だに先が見通せません。また、台風や豪雨災害による被害も発生しましたが、東北地方をはじめとする被災地域の一日も早い復興と再生を心よりお祈り申し上げます。
 さて、昨年は国連が定めた「国際森林年」であり、「持続可能な森林管理と利用」という目的が掲げられたことをご記憶の方も多いと思います。我が国は、国土の半分以上を森林や山村が占め、「緑資源」に恵まれているにも関わらず、木材自給率や木材価格が低迷し、山村の疲弊が続いており、「持続可能な森林管理」が危うい状況におかれております。
 多くの国民も森林や山村の重要性は漠然とは理解しておりますが、残念ながら「総論賛成」のレベルであり、実際の現場段階への理解に乏しく、いわば「各論無理解」というのが実態ではないかと思います。
 政府におきましても、こうした状況を打開するため、「森林・林業再生プラン」において「木材自給率50%以上」という意欲的な目標を掲げたほか、森林への直接支払制度も二年目を迎え、施業の集約化、搬出間伐等という新たな取組も徐々に浸透しつつあります。
 また、来年度の新規予算では、林業に関心を寄せる青年を対象に就業前の研修費用を助成する交付金や山村の多面的機能を支援する交付金も要求されておりますが、総選挙後の新政権は、このような前向きの予算を実現して頂きたいと願っております。
 税制面では、先月から「地球温暖化対策税」が開始されましたが、その使途については排出源対策に限定されているため、税収入の一部は、CO2を大きく吸収し、地球温暖化防止に貢献する森林の整備を推進するための地方税財源として位置付けることが強く求められております。
 私は、地元長野県で森林組合連合会の会長も務めておりますが、かねてより、森林は手入れをすれば未来永劫に再生できる「循環資源」であるとともに、その多面的機能から「屋根のない学校」、「屋根のない病院」、そして「屋根のない保養所」でもあると感じてきました。
 全国町村会としても、皆様方と力を合わせ、森林や山村の持つこのような掛け替えのない魅力を広く国民に理解して頂き、その真価が発揮できるよう、努力を重ねていく所存でございます。
 結びに、貴連盟のますますのご発展と、ご参集の皆様方のご活躍を祈念いたしまして、お祝いのご挨拶といたします。


【江藤 拓 自由民主党農林部会長からのメッセージ】
 はじめに、平成24年度の通常総会が盛大に開催されることに心よりお喜び申し上げます。日頃より、自由民主党への暖かい支援を賜り厚く御礼申し上げます。国会は、今月16日に解散され、12月16日に総選挙での必勝を目指し、全力を尽くしております。
 民主党政権への政権交代によって、山村地域への予算は大幅に削減され、農林水産予算はこの3年間で約4,000億円も削られました。このような中、野田総理は一昨日、東アジアサミットで(事実上)TPP参加を表明されました。
 TPPは農業のみならず、地域、医療、社会、文化など国のあり様に全てかかわっており、山村地域に壊滅的打撃を与える恐れがありますので、我々自民党は、聖域なき関税撤廃を前提にする限り、TPP交渉参加に反対してまいりました。
 結びに、貴連盟の益々のご発展と、本日お集まりの皆様方の一層の御健勝、御活躍をお祈り申し上げます。


平成25年度山村振興関連予算・施策に関する要望書

 山村地域の振興につきましては、日頃から格別の御配慮を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、近年、円高の進行、原発の事故に伴うエネルギー事情の変化等我が国を取り巻く経済環境が不透明な中で、国全体の経済・景気が低迷してきておりますが、このような中でも、最も厳しく影響を受けるのが、もともと経済基盤の脆弱な山村地域の市町村であります。
 すなわち、山村地域は、道路、情報通信、生活環境等の整備水準は全国に比べて低位な状況にあり、農林漁業の低迷、地場産業の停滞等により過疎化・高齢化が急激に進展しており、耕作放棄地の増大、森林の荒廃、鳥獣害の多発、集落の崩壊・機能の低下等危機的な状況にあります。
 このような状況に対処するため、山村自治体は山村振興法に基づき、最大限の努力をしていますが、財政事情は極めて厳しくなっております。
このため、政府・国会におかれては、この度の大震災等の経験を踏まえ、山村地域の振興を図ることこそが、国全体の発展につながるということを十分ご認識いただき、山村振興を国の重点課題に据えて、下記事項の実現を図っていただくよう強く要望致します。



T 東日本大震災等の復旧・復興対策等
 1.東日本大震災については、関係省庁連携のもと、被害が生じた山村地域における復
  旧 ・復興対策を早急かつ強力に推進すること。特に原発事故放射性物質の防除等を
  早急に行うとともに、放射性物質の影響の大きい特用林産物栽培農家対策に万全を
  期すこと。

 2.近年、気候変動等により災害が多発、大規模化しており、これに対処するため、公共
  事業の集中実施等により災害に強い山村づくりを推進すること。
   また、災害発生時の的確な情報提供システムの整備を図ること。

U 山村振興対策の総合的・計画的推進及び山村地域の活性化
 1.山村振興計画に基づき、関係省庁の一層の連携強化のもと、山村振興対策を総合
  的かつ計画的に推進すること。

 2.山村地域における農林水産業等地域産業の振興、生活環境の向上等を図るための
  施設の整備等の取組みに対する助成措置の充実・強化を図るとともに、自立的な地域
  活性化 を支える人材育成への支援に取り組むこと。

 3.地域コミュニティの再生と地域活性化に向けた地域をあげた取組を支援する「農村
  地域力発揮総合対策交付金制度」を創設すること。

 4.山村地域の活性化を図るために不可欠な辺地対策事業債及び過疎対策事業債の
  十分な確保を図ること。

 5.農山漁村地域活性化対策、森林・林業振興対策(以上「地方財政措置」)の充実・強
  化を図ること。

 6. 振興山村地域における製造業、旅館業の施設の特別償却制度については、適用期
  間を延長するとともに、農林水産物等販売業についても対象とする等その拡充を図る
  こと。

V 多面的・公益的機能の持続的発揮
 1.山村の果たしている重要な役割、木の文化について児童生徒を含め国民一般の理
  解を深めるための教育・啓発・普及対策の充実・強化を図ること。

 2.安定的な農業生産活動の体制整備に向け、「中山間地域等直接支払制度」、「農地・
  水保全管理支払交付金制度」、「耕作放棄地再生利用緊急対策交付金制度」、集落機
  能の活性化を図るための対策の充実・強化を図ること。

 3.森林が二酸化炭素吸収源として大きな役割を担うことを踏まえ、計画的な間伐等の
  森林施業とこれと一体的となった森林作業道の開設を直接支援する「森林管理・環境
  保全直接支払制度」の充実・強化及び森林の多面的機能を発揮させるための地域の
  取組みを 支援する「森林・山村資源利用交付金制度」の創設を図ること。
   また、森林所有者等による計画的な森林施業が適切に行われることを確保するた
  め、「森林整備地域活動支援交付金事業」の充実・強化を図ること。

 4.国土保全や生活環境整備を図るため、治山、治水及び砂防対策の充実・強化を図
  ること。また、 水源のかん養、自然環境の保持等国土保全に資する事業を対象とした
  「国土 保全対策」(地方財政措置)の継続実施を図ること。

 5.山村地域に期待される森林吸収源対策、再生可能エネルギー対策を強力に推進す
  るため、『地球温暖化対策のための税』等に係る所要の税制措置を講ずるとともに、
  地方税財源を確保・充実する制度を創設すること。

W 産業の振興、地域資源の活用
 1.山村地域の発展には、地域資源を活用した産業振興が不可欠であり、農林漁業の
  振興とその6次産業化の推進を図るとともに、木材資源、農地等の土地資源、優れ
  た環境等を活用した新たな企業立地の対策を充実・強化すること。

 2. 森林資源を活用した地域振興を図るため、川上から川下に至る一貫した林業、木
  材産業の振興対策の拡充強化を図るとともに、地域の自主性を尊重しつつ持続的森
  林経営、木材利用促進を行うための「森林・林業再生基盤づくり交付金制度」の創
  設、地域材を 利用して住宅を建築する者等へのポイント付与等により木材の利用
  促進を支援する制度 の創設等木材利用の推進を図る制度を充実・強化すること。

 3.木質バイオマス産業化を促進するための施設整備、システム開発を図ること。
  また、農山漁村における再生可能エネルギー導入の促進を図る取組みを支援するた
  めの対策の充実・強化を図ること。

 4. 林業・木材産業、農業等山村地域における産業の担い手の育成確保対策の拡充強
  化を図ること。

 5. 山村地域へのUJIターン者の定住促進、高齢者の地域社会の活動に参加できる機
  会の確保、都市との連携強化による山村の活性化の取り組みの充実・強化を図るこ
  と。

 6.鳥獣被害の深刻化に鑑み、被害防止に関する対策の充実・強化を図ること。

X 山村と都市との共生・対流
 1.グリーン・ツーリズムの一層の普及を行うとともに、地域ぐるみで行う受入体制や交
  流空間の整備及びNPO法人等の多様な取組主体の育成等グリーン・ツーリズムの総
  合的な推進を図ること。

 2.山村における国民の幅広いボランティア活動を促進するための対策の充実・強化を
  図ること。

 3.学校教育・社会教育において自然豊かな山村での体験活動を推進するため、「子ど
  も農山漁村交流プロジェクト」をはじめとした対策の充実・強化を図るとともに、大学生
  等に対する対策も講ずること。

Y 道路、情報通信基盤の整備
 1.山村地域の産業、生活基盤として不可欠な高規格幹線道路、地域高規格道路、一
  般国道及び都道府県道の整備、特に、市町村道の改良・舗装等、立ち遅れている山
  村地域の道路整備を促進すること。
   また、基幹的な幹線市町村道路の整備の都道府県代行に対する助成措置を講ずる
  こと。

 2.道路整備のための財源を十分に確保し、特に、地方における道路財源の充実を図
  ること。

 3.携帯電話不通地域の解消、インターネットのブロードバンド接続可能地域の拡大等
  デジタルディバイドの解消を図るための高度情報ネットワークその他通信体系の充実・
  強化を図ること。

Z 生活環境の整備
 1.山村地域住民の生活交通を確保するため、地方バス路線維持、デマンドバスシステ
  ムの導入等対策の充実・強化を図ること。

 2.山村の簡易水道等施設の整備促進を図ること。

 3.山村地域の実情に応じて汚水処理施設の整備促進を図ること。

 4.廃棄物処理施設の整備を推進するため、助成措置を講ずること。
  また、廃棄物処理施設の解体に対しては、適切な措置を講ずること。

 5.消防力の充実を図るため、消防施設等整備に対する助成措置を講ずること。

[ 医療・保健・福祉対策

 1.山村地域の小児科医を含めた医師の確保に万全を期すこと。へき地診療所等の運
  営、医療施設・保健衛生施設の整備、医師及び看護師の養成・確保に対する助成措
  置の充実・強化を図ること。

 2.へき地保育所の運営、高齢者等の社会福祉施設整備、社会福祉関係職員等の養
  成・確保に対する助成措置の充実・強化を図ること。

\ 教育・文化

 1. 公立学校施設整備、スクールバス等の購入に対する助成措置を講ずること。

 2.寄宿舎居住費等へき地児童生徒に対する助成措置を講ずること。

 3.山村地域の文化財の保護等に対する財政措置を講ずること。

] 山村地域の自主性の確立

 1.財源保障機能及び財源調整機能を果たす地方交付税制度の充実・強化を図り、所
  要額を確保すること。

 2.基準財政需要額の算定に当たっては、山村自治体が人口割合に比べて広い面積を
  有し、国土保全、地球温暖化防止等に重要な役割を果たしていることを考慮し、面積
  要素を重視するなど、山村地域の実情に即したものとすること。

 3.独自の発想に基づく山村振興を助長するため、山村地域の自主性を尊重する助成
  措置、規制緩和措置等の幅広い導入を図ること。

]T TPP
 山村地域に壊滅的打撃を与えるTPPには、参加しないこと。


木材(丸太)価格下落に対する対応措置に関する特別要望

 我が国の森林資源は利用可能な段階に入りつつあり、また、国として地球温暖化防止のための森林整備などに最大限取組むことも求められております。
 しかしながら、昨年末からの木材(丸太)価格の暴落は、森林所有者に大きな不安を与え、事業体の経営意欲を削ぎ、今後の森林経営見通しにも深刻な影響を及ぼしています。
 よって、政府・国会におかれては、下記の事項の実現を図って頂くよう要望致します。


 1.切捨間伐を一部しか認めない現行の森林管理・環境保全直接支払制度を改善し、
  条件不利地域での切捨間伐、路網整備の先行実施など雇用にも配慮した供給調整を
  実施すること。
 2.再生可能エネルギー特措法による木質バイオマスの発電を積極的に推進すること。
 3.国有林野事業における木材販売時期の調整を行うこと。
 4.木材需要拡大のための森林整備加速化・林業再生基金を増額すること。
 5.公共建築物等木材利用促進法による公共建築物、公共土木分野における国産材の
  更なる積極的な利用促進を図ること。

決 議

 山村地域は、道路、情報通信、生活環境等の整備水準は全国に比べて低位な状況にあり、農林漁業の低迷、地場産業の停滞等により過疎化・高齢化が急激に進展しており、耕作放棄地の増大、森林の荒廃、鳥獣害の多発、集落の崩壊・機能の低下等危機的な状況にある。
 このような状況に対処するため、山村自治体は山村振興法に基づき、最大限の努力をしているが、財政事情は極めて厳しくなっている。
 このため、政府・国会におかれては、山村地域の振興を図ることこそが、国全体の発展につながるということを十分ご認識いただき、山村振興を国の重点課題に据えて、下記事項の実現を図っていただくよう強く要望する。


1.農林水産業等地域産業の振興、生活環境の向上等を図るための施設の整備等に対
 する取組みに対する助成措置の充実・強化を図ること。
1.山村地域の活性化、地域資源の活用に向けた地域の取組みを支援する交付金制度
 を創設すること。
1.「中山間地域等直接支払制度」の一層の充実・強化を図ること。
1.木質バイオマスの利用、再生可能エネルギー対策の強化、企業の誘致等の産業振興
 施策の充実・強化を図ること。
1.川上から川下にいたる一貫した林業、木材産業の振興・木材利用の促進を図るため、
 新たな交付金制度を創設する等森林・林業対策の充実・強化を図ること。
1.鳥獣被害の深刻化に鑑み、被害防止に関する対策の充実・強化を図ること。
1.道路整備のための財源を十分に確保し、特に、地方における道路財源の充実を図る
 こと。
1.高度情報通信ネットワークその他通信体系の充実・強化を図ること。
1.山村地域住民の生活交通を確保するため、地方バス路線維持、デマンドバスシステム
 の導入等対策の充実・強化を図ること。
1.山村地域における医師及び医療従事者の確保並びに関連施設の整備、運営等への
 助成措置の拡充・強化等の保健・医療・福祉対策の充実・強化を図ること。
1.森林吸収源対策を強力に推進するため、地球温暖化対策のための税等に係る所要
 の税制措置を講ずるとともに地方税財源を確保・充実する制度を創設すること。
1.税財源の乏しい山村地域の実情に即した地方交付税制度の充実・強化を図り、所要
 額を確保すること。
1.丸太(材木)価格下落に対する対応措置を講ずること。
1.山村地域に壊滅的打撃を与えるTPPには、参加しないこと。
以上決議する。
   平成24年11月22日            全国山村振興連盟通常総会


◎御出席の国会議員(敬称略)
前衆議院議員
  坂 本 哲 志 (熊本) 二 階 俊 博(和歌山) 
   (以上2名)
参議院議員 
  岸  宏 一 (山形)  吉 田 博 美 (長野) 山 本 順 三(愛媛)
尾 辻 秀 久 (比例)   山 田 俊 男 (比例)   鶴 保 庸 介(和歌山)
藤 川 政 人 (愛知) 柴 田   巧 (比例) 
       (以上8名)
◎秘書が出席の国会議員(敬称略)
前衆議院議員
     梶 山 弘 志     小 渕 優 子 金 子 一 義 
   三ツ矢 憲 生  谷   公 一    石 破   茂
     竹 下   亘 平 沼 赳 夫 加 藤 勝 信
  保 利 耕 輔 金 子 恭 之 野 田   毅
     橘   慶一郎     宮 路 和 明
                       (以上14名)
参議院議員
    愛 知 治 郎    長谷川 大 紋 中曽根 弘 文
山 本 一 太 松 村 龍 二    山 崎 正 昭 
    若 林 健 太     藤 井 孝 男  松 村 祥 史
     加治屋 義 人     野 村 哲 郎    中 村 博 彦
   小 坂 憲 次 長谷川   岳 金 子 恵 美 
     上 野 通 子 磯 崎 仁 彦     広 田   一
大 家 敏 志     福 岡 資 麿
                   (以上20名)
◎電報を寄せられた国会議員、市町村長(敬称略)
  前衆議院議員 田村憲久    前衆議院議員 佐々木隆博  
  和歌山県白浜町長 井澗 誠
 
◎政府関係の出席者(敬称略)
農林水産省  農村振興局長 實 重 重 実
        農村振興局農村政策部長        三 浦   進
農村振興局中山間地域振興課長 米 田 博 次
        生産局鳥獣災害対策室長           森 澤 敏 哉
 農村振興局中山間地域振興課課長補佐 猪 股 英 史
農村振興局中山間地域振興課調整係長 加 藤 邦 彦
        農村振興局中山間地域振興課行政事務研修員 藤 江 俊 允
 林野庁   長官   沼 田 正 俊
 森林整備部計画課長      本 郷 浩 二
  森林総合利用・山村振興室森林環境教育推進官 寺 村   智
総務省   自治行政局地域力創造グループ地域振興室長  出 口 和 宏
  情報流通行政局地域通信振興課長 今 川 拓 郎
厚生労働省  労働政策担当参事官室政策第二係長 小 林   央
 環境省    廃棄物・リサイクル対策部浄化槽推進室長補佐 市 原 陽一郎
        自然環境局鳥獣保護業務室鳥獣保護管理企画官 堀 内   洋
◎政党
 自由民主党政務調査会事務局専門員             生 稲   誠
◎友好団体(敬称略)
 全国中山間地域振興対策協議会副会長(北海道蘭越町長) 宮谷内 留 雄
 全国過疎地域自立促進連盟事務局長             西 原 嘉 彦
全国離島振興協議会調査研究部長             仲 田 成 徳
 全国町村議会議長会                    涌 本 崇 正 



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