山村振興全国連絡協議会(都道府県の山村振興担当課長で組織)の平成24年度のブロック会議が次のとおり開催された。

関東ブロック

 関東ブロック会議が11月1日(木)〜2日(金)両日、栃木県茂木町のホテルツインリンクの会議室において開催された。
 会議には、関東各都県、農林水産省、関東農政局、全国山村振興連盟から22名が参加した。最初に主催県である栃木県総合政策部 美野輪 茂 地域振興課長から主催者挨拶があった。ついで、農林水産省中山間地域振興課 加藤邦彦係長から挨拶、全国山村振興連盟 米田博正 参与から挨拶に併せて山村振興関連施策・予算に関する要望活動等連盟の活動状況について説明があった。
 出席者の自己紹介の後、議事に入り、まず、「山村を取り巻く情勢について」ということで、中山間地域振興課 加藤邦彦 係長から「山村税制」、「平成25年度山村振興関連各府省庁予算概算要求額」について、関東農政局整備部地域整備課 山下公弘係長から「再生可能エネルギーの取組」について説明があった。

 ついで、意見交換会ということで、「中山間地域振興対策の取組について」意見交換が行われた。
 各都県から説明のあった取組状況の概要(項目)は次のとおり。
○ 栃木県: 里の守”サポート事業
○ 茨城県: 鳥獣被害防止推進員育成事業(平成24年度新規)
○ 群馬県: 中山間ふるさと・水と土保全対策事業(水と土基金)及び中山間ふるさと水と
       土保全推進事業(棚田基金)
○ 埼玉県: ふるさと支援隊
○ 千葉県 集落で一体的に進める有害獣・耕作放棄地対策
東京都
: おくたま海沢ふれあい農園等
○ 神奈川県: 企業と連携した地域興し
○ 山梨県: 北杜市明野町における農林水産物処理加工施設を活用した地域振興
       (合同会社明野市場)
○ 長野県: 地域資源(お茶)を活かした農地の維持
○ 静岡県: 静岡市葵区清沢地区における取組(耕作放棄地対策、鳥獣被害対策)
 
 ついで、事例発表ということで、「茂木町の取組について」と題して、茂木町農林課農業振興係副主幹 田中のり子氏からスライドを用いての説明があった。
 のどかな田園風景。関東屈指の清流「那珂川」、クヌギやコナラ、山桜などの雑木林が広がる里山、中山間地ならではの棚田が美しい。葉タバコ産地からしいたけ、こんにゃく、いちごに転換。ツインリンクもてぎ、道の駅もてぎ、都市農村交流事業(オーナー制度)などで交流人口が増加(約250万人)。茂木町有機物リサイクルせんたー「美土里館」を核として、良質な堆肥を製造し、安全安心な野菜を米栽培を推進している。
 
 ついで、次期開催県について協議が行われ、山梨県に決定した。

 会議当日及び翌日、次の個所を視察した。
○ ハローウッズの森
  ツインリンクもてぎの中に整備された森で、42haの広さがあり、ウッドチップを敷いた
  総延長約3kmの遊歩道が整備されている。
○ もてぎてづくり工房 須藤加工所
  六次産業化の拠点として、町の特産品である、ゆず、ブルーベリー、イチゴ、梅、タケノ
  コなどの農産物を一次加工し保管し、販売するとともに、施設内でジャム や ドレッシ
  ング等のオリジナル商品を開発・製造するための施設。
  平成23年度農山村漁村活性化プロジェクト交付金事業により整備。
○ 山内かぶと地区ゆず園
  葉タバコの衰退により荒れていく農地を蘇らせようと、以前から地区内に生育している
  ユズに目をつけて栽培を進めている。
○ 入郷の棚田
  平成11年に日本の棚田百選に認定された。平成12年度から中山間地域等直接支払
  制度の取り組み、集落の農家が力を合わせて日本の原風景ともいえる棚田を守って
  いこという動きが出てきた。平成14年度からは棚田オーナー制度に取り組んでいる。
○ 農村レストラン 虹色の里 あじ彩
  地産地消の農村レストラン。ご飯は棚田のお米、野菜、山菜、地魚などにこだわり、素
  材の味を大切に「かれだがうれしい!」地元で採れた旬の食材を提供している。
○ 道の駅もてぎ
  野菜直売所、商工館、レストランがあり、手作りお惣菜・手作りアイスクリーム等も提供
  している。

九州ブロック

 九州ブロック会議が、11月6日(火)〜7(水)、宮崎県西米良村「村所驛」において開催された。
 会議には、九州ブロック各府県(福岡県、佐賀県、熊本県、大分県、鹿児島県及び宮崎県)、農林水産省、九州農政局、全国山村振興連盟から16名及びオブザーバーとして、西米良村から1名が参加した。最初に、主催者である宮崎県 川原光男 中山間・地域政策課長から挨拶の後、出席者の紹介があり、議事に入った。

 先ず、農林水産省中山間地域振興課 猪股英史 課長補佐から、中央情勢報告として、
 @ 山村税制特例の説明、その制度の延長要求中であること及び制度利用PR依頼
 A 山村振興法に基づく地方税の不均一課税に係る減収補てん措置の説明
 B 平成25年度山村振興関係予算概算要求の概要の説明として、平成25年度につ
   いては、閣議決定された日本再生戦略に基づきグリーンと農林水産業が重点分野に
   なっている点から、増額要求の内容、新規要求の内容、特に、地域コミュ二ティー
   対策として新規要求がなされた「農村地域力発揮総合対策交付金」、「森林・山村資
   源利用交付金」について詳しく説明がなされた。

 次に、全国山村振興連盟 岸廣昭 常務理事から、その活動状況について説明があり、
 @ 山村振興施策に関する提言及び政府予算対策として、通常の夏、冬の要請活動の
  ほか、木材価格下落対策に関する特別要望、鳥獣害対策に関する提言、山村地域に
  おける地球温暖化対策の促進に向けた緊急アピールを行ったこと
 A 啓発・普及活動
 B 山村振興実務研修会の開催
 C 会員への情報提供
 D 「森林・山村対策に関する懇談会」の開催
 E 山村振興全国連絡協議会との連携等
について説明がなされた。

 その後、各県から提出のあった次の議題について各県からの報告がなされた。
 @ 山村振興地域でのマンパワーの不足に対しての取り組みについて
  (都市部住民の農山村への呼び込みについて)
                                    [提案県:福岡県]

 A 農山漁村活性化プロジェクト支援交付金と地域自主戦略交付金(農山漁村活性化
   対策整備に関する事業)の各県対応について
                                    [提案県:大分県]
 B 野生鳥獣による農林作物等の被害状況の把握について
                                    [提案県:宮崎県]

 その後、西米良村 黒木正近 副村長から、西米良村の取り組みについて説明があった。
 西米良村においては、「菊池の精神を受け継ぐ平成の桃源郷づくり」として、版籍奉還の時、領地を領民に分け与え、自立の精神と教育を説いた領主の菊池則忠公の教えを大切に、歴史、文化、習慣を大事にした高齢者と女性の元気のよい「桃源郷」づくりを行っている。

 最後に次の開催地を大分県とすることすることが決定された。

 現地視察は、7日に行われ、
 先ず、「米良糸巻大根加工施設」において、
 @ 県単事業で整備された漬物加工施設の内容
 A 事業経過
 B 賞品開発等の苦労等についての説明があった。
 ついで、菊池記念館(西米良村民俗資料館)において、語り部の実演を聴いた。

 さらに、川の駅「百菜屋」において、
 @ 総務省の制度事業で整備した施設の概要
 A 事業内容
 B 運営方法等についての説明があった。

 最後に、「おがわ作小屋村」において、
 作小屋(離れた土地の作業のために住んだ小屋)という伝統的な生活の仕組みを今によみがえらせ観光資源として都市部の住民を呼び込む試み(平成の桃源郷おがわ作小屋作り)の取り組みについて、
 @ 施設の概要
 A 山菜まつり等のイベントの内容
 B 運営方法等についての説明があった。

中国・四国ブロック

 中国・四国ブロック会議が、11月8日(木)、山口県山口市「山口グランドホテル」において開催された。
 会議には、中国・四国グループ各県、農林水産省、中国四国農政局、全国山村振興連盟から8名が参加した。最初に、主催者である 山口県地域振興部中山間地域づくり推進室 金岡教雄 次長から挨拶があり、その後、出席者の紹介があり、議事に入った。

 先ず、農林水産省中山間地域振興課 加藤邦彦 係長から山村振興に係る国の情勢について、
 @ 山村税制特例の説明、その制度の延長要求中であること及び制度利用PR依頼
 A 山村振興法に基づく地方税の不均一課税に係る減収補てん措置の説明
 B 平成25年度山村振興関係予算概算要求の概要の説明として、平成25年度につい
   ては、閣議決定された日本再生戦略に基づきグリーンと農林水産業が重点分野にな
   っている点から、増額要求の内容、新規要求の内容、特に、地域コミュニティー対策
   として新規要求がなされた「農村地域力発揮総合対策交付金」、「森林・山村資源利
   用交付金」について
 C 農山漁村活性化プロジェクト支援交付金制度の説明
がなされた。

 ついで、岸廣昭 全国山村振興連盟事務局長から、その活動状況について説明があり、
 @ 山村振興施策に関する提言及び政府予算対策として、通常の夏、冬の要請活動の
   ほか、木材価格下落対策に関する特別要望、鳥獣害対策に関する提言、山村地域
   における地球温暖化対策の促進に向けた緊急アピールを行ったこと
 A 啓発・普及活動
 B 山村振興実務研修会の開催
 C 会員への情報提供
 D 「森林・山村対策に関する懇談会」の開催
 E 山村振興全国協議会との連携等
について説明がなされ、両者の説明につての質疑が行われた。

 その後、山口県農林総合技術センターの田戸裕之 専門研究員から、山口県における鳥獣被害対策について、
 ツキノワグマ、ニホンジカ、イノシシ、ニホンザルの4獣種についてのその生態に応じたキメの細かい計画とそれを実現するための住民との話し合いの方法等が説明された。
 
 また、山口県畜産振興課 恵美奈大作 主査から、
 耕作放棄地対策で始まった山口型放牧(耕作放棄地に飼料作物を植え、牛を借りて放牧する試み)が獣害対策にも効果的であることから、その方法についての説明がなされ、質疑が行われた。
 最後に、次回の開催権を徳島県とすることが決定され解散した。

東海・北陸ブロック

 東海・北陸ブロック会議が11月27日(火)〜28日(水)の両日、岐阜県揖斐川町役場において開催された。
 会議には、東海・北陸各県、農林水産省、東海農政局、北陸農政局、全国山村振興連盟及び揖斐川町役場から20名が参加した。最初に、主催者である岐阜県総合企画部市川康雄 市町村課長から挨拶、開催地である宗宮孝生 町長から歓迎の挨拶があり、来賓の農林水産省中山間地域振興課の加藤邦彦 係長、全国山村振興連盟の米田博正 参与からそれぞれ挨拶が行われた。

 ついで議事に入り、最初に「中央情勢報告」として、中山間地域振興課の加藤係長から、山村税制の特例、平成25年度山村振興関係各省庁概算要求について説明があった。次に全国山村振興連盟の米田参与から全国山村振興連盟の活動状況について説明があった。
 
 次に、「事例報告」として、各県から資料に基づき報告、質疑応答が行われた。主な報告の内容は次のとおりとなっている。
○ 富山県
  中山間地域チャレンジ支援事業(地域内外の企業や団体等の新たな担い手と連携し
 て行う地域活性化活動を支援し、集落の維持・活性化を図る。)
○ 石川県
  いしかわ里山創成ファンドを活用した里山里海づくり(県と地元金融機関で創設し
 た基金(約53億円)の運用益等を活用し、里山里海の資源を活用した生業(なりわい)
 創出、里山里海地域の振興等を行うことで、元気な里山里海地域の創成を図る。)
○ 福井県
  ふくい縁農もりあげ隊(福井県農業・農村ボランティア)(県内のボランティアによって、
 農山村の農作業や集落活動を支援するため、隊員を募集・登録し、援農を希望する農
 山村(集落)との間のコーディネイトを行う。)
○ 新潟県
  にいがた暮らし情報発信事業(首都圏における交流・定住相談窓口の設置、にいがた
 暮らしガイダンスの開催等。)
  にいがた交流・定住促進事業(にいがた交流・定住促進ネットワークの運営、首都圏で
 実施されるイベントへの出展等。)
○ 愛知県
  魅力いっぱい!あいちの山里 山里のいいトコロを情報発信中(5市町村に80日間暮
 らしてもらい、山里の情報をfacebookにて発信してもらう。)
○ 三重県
  ポータルサイト「美し国みえの田舎暮らし」の作成(県内の情報を、知る、働く、暮らす、
 体験するの4カテゴリーにまとめて提供。)
  都市部での情報発信・相談対応(平成25年度には東京に三重県営業拠点を設置)
  三重県南部地域活性化基金(1億円)の造成
○ 岐阜県
  『ぎふ水土里のプロジェクト』の推進(「清流の国ぎふ」の実現に向け、農村地域におけ
 る環境保全に対する取り組みを統一的、集中的に展開する。)
  若い力で元気創出ふるさと支援事業(棚田の保全のための取組みを企画・実践)
  ぎふ一村一企業パートナーシップ運動(農村と企業等が共に元気になるための農村と
 企業等の絆づくり)

 最後に、平成25年度の開催県について協議され、富山県での開催が決定された。
 翌日は、「いび森林資源活用センター協同組合の施設」及び揖斐川町谷汲門前地区をを視察した。
  いび森林資源活用センター協同組合は、建設会社11社と揖斐郡森林組合で構成されており、揖斐の森林資源を活用して木質チップ及び木質ペレット(ホワイト、全木(混合))の製造、小径木加工を行っている。木質ペレットは主に揖斐川町内の3個所の温泉施設に納入先している。



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