全国山村振興連盟の平成25年度通常総会は、11月21日(木)午前10時30分から千代田区隼町のグランドアーク半蔵門4階の富士東において、国会議員、政府関係者、友好団体等の来賓多数の出席のもとに連盟会員、支部事務局員など約370名が出席して盛大に行われた。
 会場正面には、「山村振興法を改正し、期限の延長と内容の充実を図ること」、「関係省庁連携のもと、山村振興対策を総合的かつ計画的に推進すること」、「地方交付税制度を強化し、所要額を確保すること」、「TPP交渉では、農産物関税の聖域を守り、毅然とした対応をとること」のスローガンが掲げられた。
 総会は、最初に松島貞治副会長(長野県泰阜村長)が「本日は大変お忙しい中、国会の先生方、政府関係、友好団体関係の皆様方、そして、なにより会員の皆さんのご参加をいただいて、通常総会が盛大に開催されることに感謝申し上げます。平成27年3月に現行の山村振興法の期限が到来します。さらに充実して延長していくという大変重要な時期の総会でございます。皆様の絶大なご協力・ご支援をいただいて、所期の目的が達成されますようお願い致します。」と開会の辞を述べた。
 次に、中谷 元 会長が開会の挨拶を行い、御来賓の吉川貴盛 農林水産副大臣、衆議院議員 坂本剛二 先生(自由民主党山村振興特別委員会委員長)、藤原忠彦 全国町村会長(長野県川上村長)からそれぞれ祝辞が述べられた。
 続いて、出席された国会議員、政府関係者、友好団体の来賓紹介が行われた。
 次に、石川県中能登町の杉本栄蔵 町長及び和歌山県北山村の奥田 貢 村長から事例報告が行われた。
 なお、報告の内容については、平成26年1月1日号の山村振興情報に掲載します。

 竹ア一成 会長代行(熊本県芦北町長)が議長となって議事に入り、次の議案が審議された。
○ 第1号議案「平成26年度山村振興関連予算・施策に関する要望(案)に関する件」
  岸 廣昭事務局長から説明を行い、原案どおり可決された。
○ 第2号議案「山村振興法の改正に関する特別要望(案)に関する件」
  山野通彦 副会長(岡山県矢掛町長)から提案され、原案どおり可決された。
○ 第3号議案「決議(案)」
  保科郷雄 副会長(宮城県丸森町長)から提案され、原案どおり可決された。
以上で議事を終了した。

 棚野孝夫副会長(北海道白糠町長)が「本日決定された要望事項につきましては、その実現に向け強力に運動を展開してまいりたいと存じますので、皆様方のお力添えもよろしくお願い致します。」との閉会の辞を述べた。山村地域の更なる発展を期して、同副会長の発声により「頑張ろう」コールを三唱し、総会を終了した。

 総会終了後、可決された要望事項について、連盟の町村長副会長が関係省庁及び国会議員に対し、各支部では地元選出の国会議員等に対しそれぞれ要請活動を行った。
 当日の会長挨拶、来賓祝辞、可決された要望書、決議等は以下のとおりとなっている。


【中谷 元 会長(衆議院議員) 挨拶】
 皆さんおはようございます。今日は山村地域を抱えている全国の市町村長さん、関係者の皆さんのお越しを頂きましてこのような形で通常総会が開催されますことに心から感謝とお礼を申し上げます。また、来賓ということで吉川貴盛 農林水産副大臣、坂本剛二 自民党山村振興特別委員会委員長、藤原忠彦 全国町村会会長にご出席いただき、さらに、谷先生、山口先生をはじめ国会議員の皆さんにお越しをいただいておりまして、心から感謝とお礼を申し上げます。
 全国山村振興連盟は、現場の市町村長、都道府県知事の皆さんと選出の国会議員とが力を合わせて山村地域の振興を図るということですが、年末に編成される予算をいかに確保していくのか、非常に縦割りの予算折衝となっていますが、これを中山間地域という枠で結集をして、少しでも中山間地域の振興のための予算確保・税制改正に臨んでいこうというのがその目的でございまして、もうからこれ50年活動しています。昨年の今頃は、我々は政権をまだ獲得していない状況でありましたが、その3年の間に色んなことを学ばせていただきました。昨年の12月の総選挙、今年の夏の参議院議員選挙で地域の皆様方からご信任をいただきまして、与党の議員は倍に増加しました。我々与党としては、「倍返し」ということで皆様方から頂きましたご支援に対してこれから責任をもって取り組んで行く覚悟であります。今日ご出席の国会議員の皆様には是非年末に向けてご指導、ご鞭撻をいただきますようよろしくお願いしたいと思っています。
 この1年間、我々自由民主党としましても中山間地域に対して積極的な活動をしております。今、農業は非常に政治焦点になっていますが、TPPにつきましても選挙で約束をしたことは必ず守っていくということで結束して臨んでおります。また、米の減反そして米価の問題について、今日は公明党の石田先生もお見えですが、自民党の宮腰農業基本政策検討プロジェクトチーム座長と連日、価格の設定等について協議を進めています。また、大きな農政の転換点としまして、民主党政権で行っていました戸別所得補償制度をいかに多面的機能に着目したものに転換していくのか、検討を行っています。林業について、森林経営計画を全面的に見直しをするという公約でありしましたが、地域の皆さんが計画したものがすぐ実現できるようにしています。
 こういった点につきまして、地域で色んな課題を抱えながら努力をされている皆様方、正に、アイデンティティとアイデアをもって独特な地域づくりをされておられますが、とにかく中山間地域が良くならなければ日本の国は良くならない、やはり山は宝と申しますが、全ての根幹が私は山村にある、それを大事にしていかなければならない、そういう思いで会長をさせていただいております。なによりも皆さんの結集と暖かい、熱い行動が必要だと思っておりますので、どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げて、開会の挨拶とさせていただきます。


【吉川貴盛 農林水産副大臣挨拶】

 ご紹介をいただきました農林水産副大臣を拝命しております吉川貴盛でございます。本来でありますれば、林大臣がこの会場に参りまして皆様に親しくご挨拶をされご苦労されている多くの皆様のご意見に耳を傾けたい、そういう思いでありましたが、国会の都合で私が代理で参りましたことをお詫び申し上げます。
 本日ここに、平成25年度の全国山村振興連盟の総会が開催されました。日頃から中谷会長をはじめ市町村長の皆様におかれましては、山村振興のために先頭に立って、ご努力、ご尽力をいただいておりますことを農林水産省を代表いたしまして心から厚く御礼を申し上げますとともにその特段のご努力に対しましては、心から敬意を表したいと存じます。また、山村振興特別委員会の坂本委員長をはじめご来賓の皆様が沢山お見えでございますが、皆様と一緒になって私共もしっかりとこの山村を振興できますように努力をしてまいりますことを、まずもって決意を申し上げさせていただく次第であります。
 我が国の国土面積の約5割を占める山村は、食料や木材の供給をはじめ、国土の保全、水源のかん養などの多面的機能を有しておりまして、国民の豊かな暮らしの実現に大変貴重な役割を果たしております。
 山村の多面的機能は、山村に人々が生活し、そこで営まれる農林業を通じて発揮されるものでありまして、その振興を図ることは我が国の発展にとって極めて重要であると考えております。
 しかしながら、山村を取り巻く環境は、過疎化や高齢化の進行、農林業の低迷、鳥獣被害の深刻化などによりまして、大変厳しい状況にあることも確かなことでもございます。 農林水産省といたしましては、本年1月に大臣を本部長といたしまして「攻めの農林水産業推進本部」を設置いたしました。農林水産業の競争力強化のための産業政策と多面的機能の発揮を図る地域政策の一体的な推進に向けまして、与党との議論を踏まえつつ、検討を進めているところです。
 山村地域の振興につきましては、地域の基幹産業である農林業の担い手をしっかりと育てていくとともに、多面的機能の維持・発揮のための直接支払を導入し、施策の充実を図っていく必要があると考えております。
 また、山村の最大の資源であります森林資源の活用につきましては、本年10月に閣議決定されました「全国森林計画」に基づき、森林の適切な整備・保全を進めつつ、森林の多面的機能の持続的な発揮に取り組むとともに、木材利用ポイントなどの新たな制度も活用しながら、需要と供給の両面において、総合的に支援していくこととしております。
 山村振興法は、ご承知のように平成26年度末をもって期限切れを迎えることになります。
 農林水産省といたしましては、関係各省とも連携をいたしまして、皆様の御意見を伺いながら、地域の実情に配慮したきめ細やかな政策の実現に最大限努めてまいりたいと思いますので、皆様方の一層の御支援、御協力をお願い申し上げる次第でございます。
 終わりになりますが、我が国山村のますますの御発展と、本日御参集の皆様方の御健勝、御活躍を祈念いたしますとともに、中谷会長を先頭にして山村振興がますます図られますよう心からお祈りを申し上げさせていただきまして、意を尽くしませんが私のお祝いの言葉にかえさせていただいます。
 本日の総会、おめでとうございました。


【衆議院議員 坂本剛二 先生 挨拶(自由民主党山村振興特別委員会委員長)】
 ご紹介にあずかりました、このたび自由民主党山村振興特別委員会委員長を仰せつかった坂本剛二でございます。私は福島県で、私の地域の山村は体をなしておりません。本当に困った状況でございます。しかし、これは全国的に、今、山村振興問題は非常に大切な時期にさしかかっていますので、一生懸命頑張っていきたい、こう思っております。
 また、本日は全国津々浦々から日頃山村振興に携わる市町村長さんが一堂に会して盛大に総会が開催されますことを心からお祝いを申し上げる次第でございます。また、日頃、我が党に対しまして特別のご支援を賜っていますこと、昨年の衆議院議員選挙、本年の参議院選挙、本当にありがとうございました。心から御礼を申し上げさせていただきます。
 ご承知のように山村地域の振興は山村振興法に基づいて年年歳歳、我が党としても頑張ってまいっておりますし、皆様とともに成果も着々と挙がってまいっております。
 しかし、今日、過疎、少子化、高齢化、限界集落の拡大、鳥獣被害問題、山村地域には沢山問題を抱えておりますが、私達党を挙げて、この問題に取り組む、なんとかこれを克服してまいりたい、そう思っております。中谷先生を中心に頑張ってまいります。 
 平成27年3月31日で現在の山村振興法の期限が切れます。昭和40年から丁度50年の節目の年なんですね。しかも、先程中谷会長のお話のありましたように我国の農政の大きな転換期に入ってきております。山村地域といえどもこれらの諸問題を真っ向から受けることになってきます。今朝も皆さんの代表者7名の町村長さんに自民党本部にお出でいただきまして、山村振興特別委員会の中で色々とご発言をいただきました。ひとつひとつがごもっとも、本当にひとつもないがしろにできない重大なご発言をいただいたわけでございます。新しい時代を読み取りながら、さらに向こう10年間の新しい法整備に向けて私達は皆さんの意見も十分に伺いながら頑張っていきたい、こう思っております。
 そして、これからは、予算・税の季節であります。これも党・政府一体となって、皆様方のご期待に沿えるような活躍、働きを私達はしていきたい、こう思っております。
 安倍政権下での成長戦略、山村振興なくして成長戦略はありませんからね、皆さん。
頑張って行きましょう。よろしくお願いいたします。


【藤原忠彦 全国町村会長 挨拶(長野県川上村長)】
 ただ今、ご紹介頂いた全国町村会長の藤原でございます。一言ご挨拶申し上げます。
 本日ここに、全国山村振興連盟の平成25年度通常総会が関係者多数のご出席のもと、盛大に開催されますことは誠に意義深く、心からお慶び申し上げます。
 また、皆様方には、日頃より全国町村会の活動に格別なご支援を頂いておりまして、この場をお借りいたしまして厚くお礼申し上げます。 
 はじめに、本年の夏から秋にかけて発生いたしました集中豪雨や台風など、相次ぐ災害は、各地に甚大な被害をもたらしました。被災された関係者の方々に対しまして、謹んでお見舞い申し上げますとともに、被災された地域の一日も早い復旧と復興を心よりお祈り申し上げます。
 また、東日本大震災からも、二年半が経過しましたが、依然として28万人を超える方々が、避難生活を余儀なくされていおりますほか、放射性物質に汚染された森林の除染は、未だに先が見通せない状況にあります。林産物に対する被害も含め、森林・林業の早期再生を図る必要があります。
 さて、政府は、現在「攻めの農林水産業」を掲げるなど、第一次産業の底上げを図る取組に着手しております。山村地域にとって、林業を含めた第一次産業に関心の目が向けられることについては、大いに歓迎をしたいところであります。
 しかしながら、我が国の農山村は、起伏に富んだ地形の中にあって、様々な環境に置かれています。
 とりわけ山村地域は、厳しい状況が依然として続いておりまして、木材価格の低迷や林業従事者の減少、高齢化などにより、再生への道のりを一層困難なものにしています。
 このような状況の中、政府においては、来年度予算の概算要求において「新たな木材需要の創出と強い林業づくり」を掲げ、地域材の利用促進や国産材の安定供給に向けた取り組みを進めようとしております。
 全国町村会と致しましても、森林・林業と山村の再生は、国民全体の課題であるとの認識のもと、山村地域が取り残される事のないよう、必要な財源を確実に確保するよう、政府に対し強く要請しているところであります。とりわけ、昨年10月に導入された石油石炭税の上乗せ税率については、山村の活性化の財源としても活用ができるよう、一定割合を森林面積に応じて市町村に譲与することを強力に主張してまいりたいと存じます。
 また、平成27年3月には山村振興法が適用期限を迎えることとなります。山村地域の振興に不可欠である本法律の延長とその内容の充実を図るべく、全国町村会としても、皆様方と連携してまいりたいと思います。
 結びに、貴連盟のますますのご発展と、ご参集の皆様方のご活躍を祈念いたしまして、お祝いのご挨拶といたします。


平成26年度山村振興関連予算・施策に関する要望書

 山村地域の振興につきましては、日頃から格別の御配慮を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、近年、山村を取り巻く環境は、過疎化・高齢化の進展、耕作放棄地の増大、鳥獣被害の多発に直面する中で、厳しさを増しております。我が国の山村は、日本人としての精神の原点として我が国を支えて来た力の源であり、一方では水資源、エネルギー資源を守り、国土保全に貢献してまいりましたが、集落機能の衰退が進み、崩壊の危機に瀕していると言っても過言ではありません。
 また、山村地域は、道路、情報通信、生活環境等の整備水準は依然として低位な状況にあり、その改善なしには、山村を取り巻く危機的な悪循環は断ち切れません。さらに、鳥獣被害対策や山村の資源を活用する様々な取り組みを効果的に展開するとともに、集落機能の活性化等の取り組みを行っていく必要があり、このような対策を総合的かつ強力に打ち出していく必要があります。
 このため、政府・国会におかれては、山村地域の振興こそが、国全体の発展につながるということを十分御認識いただき、山村振興を国の重点課題に据えて、下記事項の実現を図っていただくよう強く要望致します。



T 東日本大震災等の復旧・復興対策等
 1.東日本大震災については、関係省庁連携のもと、被害が生じた山村地域における復
  旧 ・復興対策を早急かつ強力に推進すること。特に原発事故放射性物質の除染等を
  早急に 行うとともに、放射性物質の影響を大きく受けている特用林産物栽培農家対
  策に万全を 期すこと。

 2.近年、気候変動等により、多発、大規模化している災害に対処するため、国土強靭
  化対策を推進し、災害に強い山村づくりに取り組むこと。また、災害発生時の的確な
  情報提供システムの整備を図ること。

U 山村振興法の改正
  山村振興法が平成27年3月に期限を迎えることに臨み、都市との生活水準の格差拡
 大、過疎・高齢化、鳥獣被害の増大等山村地域の抱える問題点を踏まえ、山村の維持
 活性化に必要な諸施策を充実させる観点から、山村振興法の延長及びその内容の充
 実を図ること。

V 山村振興対策の総合的・計画的推進
 1.山村振興計画に基づき、関係省庁の一層の連携強化のもと、山村振興対策を総合
  的かつ計画的に推進すること。

 2.山村地域における農林水産業等地域の基幹産業の振興、生活環境の向上等を図る
  ための施設の整備等の取り組みに対する助成措置の充実・強化を図るとともに、自
  立的な地域活性化を支える人材育成への支援に取り組むこと。

 3.山村地域の活性化を図るために不可欠な辺地対策事業債及び過疎対策事業債の
  十分な確保を図ること。

 4.農山漁村地域活性化対策、森林・林業振興対策(以上「地方財政措置」)の充実・
  強化を図ること

W 多面的・公益的機能の持続的発揮
 1.山村の果たしている重要な役割や木の文化について、児童生徒を含め国民一般の
  理解を深めるための教育・啓発・普及対策の充実・強化を図ること。

 2.森林が二酸化炭素吸収源として大きな役割を担うことを踏まえ、計画的な間伐等の
  森林施業とこれと一体的となった森林作業道の開設を直接支援する「森林環境保全直
  接支援事業」の充実・強化を図ること。また、森林所有者等による計画的な森林施業
  が適切に行われることを確保するため、「森林整備地域活動支援交付金事業」の充
  実・強化を図ること。

 3.国土保全や生活環境整備を図るため、治山、治水及び砂防対策の充実・強化を図
  ること。また、水源の涵養、自然環境の保持等国土保全に資する事業を対象とした「国
  土保全対策」(地方財政措置)の継続実施を図ること。

 4.山村地域に期待される森林吸収源対策、再生可能エネルギー対策を強力に推進す
  るため、地球温暖化対策のための税の活用、森林環境税の創設等に係る所要の税
  制措置を講ずるとともに、地方税財源を確保・充実する制度を創設すること。

X 山村地域の活性化
 1.山村地域における農林水産業の維持・活性化を図るため、「中山間地域等直接支
  払交付金」、「農地・水保全管理支払交付金」及び「耕作放棄地再生利用緊急対策交
  付金」の充実強化を図るとともに、森林の維持管理を支える山村の地域活動や林家の
  取り組みに対する支援策を充実強化するための直接支払い制度を創設すること。

 2.農山漁村の地域活性化と地域コミュニティーの再生を図るための「都市農村共生・対
  流総合対策交付金」及び「森林・山村の多面的機能発揮対策交付金」の充実強化を図
  ること。

 3.山村地域における農林水産業の振興、生活環境の向上を図るため、「農山漁村活
  性化プロジェクト支援交付金」及び「強い農業づくり交付金」の充実強化を図ること。

 4.山村に存する棚田等の美しい景観の価値を見直し、その保存再生をはかること。

Y 産業の振興、地域資源の活用
 1.山村地域の発展には、地域資源を活用した産業振興が不可欠であり、農林水産業
  の振興とその6次産業化の推進を図るとともに、森林資源、農地等の土地資源、優れ
  た環境等を活用した新たな企業立地の対策を充実・強化すること。

 2.森林資源を活用した地域振興を図るため、川上から川下に至る一貫した林業、木材
  産業の振興対策の拡充強化を図るとともに、地域の自主性を尊重しつつ持続的森林
  経営、木材利用促進を行うための「森林・林業再生基盤づくり交付金」の充実強化を図
  ること。

 3.森林経営計画を見直し、現場の実情に即した施業、間伐を推進するほか、林業施業
  の低コスト化、再造林対策の強化を図ること。

 4.林業・木材産業、農業等山村地域における産業の担い手の育成確保対策の拡充強
  化を図ること。

 5.木材価格の安定対策の強化を図るとともに、公共建築物、公共土木分野等における
  国産材活用の推進、地域材を活用した鉄骨構造の木骨構造への転換の推進、住宅
  部材開発・標準化、木材・木製品の輸出促進を図るほか、地域材を利用して住宅を建
  築する者等へのポイント付与等により木材の利用促進を支援する制度を充実・強化す
  ること。

 6.木質バイオマス産業化を促進するための施設整備、システム開発を図ること。また、
  農山漁村における再生可能エネルギー導入の促進を図る取り組みを支援するための
  対策の充実・強化を図ること。

 7.特用林産物の振興・新需要の創出を図ること。

Z TPP交渉
  TPP交渉に当たっては、国益を損なうことのないよう毅然として対応することとし、山村
 地域の最大の懸案である米をはじめとする農産物関税の聖域を守ること。また、それが
 確保できないと判断した時は、脱退も辞さないこととすること。

[ 鳥獣被害防止
 1.鳥獣被害問題については、保護対策に偏ることなく、被害対策とのバランスを図るこ
  と。

 2.鳥獣被害防止特別措置法等に基づき、野生鳥獣の生息調査、被害軽減の技術普及
  を行うとともに、柔軟な猟期設定を行う等地域ぐるみの総合対策を推進すること。

 3.鳥獣被害対策実施隊の設置促進、猟友会等の民間団体の参加促進、林業分野との
  連携を促進すること。

 4.捕獲鳥獣の加工処理施設、焼却施設の設置促進を図ること。

IX 山村と都市との共生・対流
 1.グリーン・ツーリズムの一層の普及を行うとともに、地域ぐるみで行う受入体制や交
  流空間の整備及びNPO法人等の多様な取組主体の育成等グリーン・ツーリズムの総
  合的な推進を図ること。

 2.山村における国民の幅広いボランティア活動を促進するための対策の充実・強化を
  図ること。
 3.大学生を含め学校教育・社会教育において自然豊かな山村での体験活動を推進す
  ること。

 4.山村地域へのUJIターン者の定住促進、高齢者の地域社会の活動に参加できる機
  会の確保、都市との連携強化による山村の活性化の取り組みの充実・強化を図るこ
  と。

X 道路、情報通信基盤の整備
 1.山村地域の産業、生活基盤として不可欠な高規格幹線道路、地域高規格道路、一
  般国道及び都道府県道の整備、特に、市町村道の改良・舗装等、立ち遅れている山
  村地域の道路整備を促進すること。また、基幹的な幹線市町村道路の整備の都道府
  県代行に対する助成措置を講ずること。

 2.道路整備のための財源を十分に確保し、特に、地方における道路財源の充実を図
  ること。

 3.携帯電話不通地域の解消、インターネットのブロードバンド接続可能地域の拡大等
  デジタルディバイドの解消を図るための高度情報ネットワークその他通信体系の充実・
  強化を図ること。

 4.ラジオ難聴取地区の解消を図ること。

XI 生活環境の整備
 1.山村地域住民の生活交通を確保するため、地方バス路線維持、デマンドバスシステ
  ムの導入等対策の充実・強化を図ること。

 2.山村の簡易水道等施設の整備促進を図ること。

 3.山村地域の実情に応じて汚水処理施設の整備促進を図ること。

 4.廃棄物処理施設の整備を推進するため、助成措置を講ずること。また、廃棄物処理
  施設の解体に対しては、適切な措置を講ずること。

 5.消防力の充実を図るため、消防施設等整備に対する助成措置を講ずること。

XII 医療・保健・福祉
 1.山村地域の小児科医を含めた医師の確保に万全を期すこと。へき地診療所等の運
  営、医療施設・保健衛生施設の整備、医師及び看護師の養成・確保に対する助成措
  置の充実・強化を図ること。

 2.へき地保育所の運営、高齢者等の社会福祉施設整備、社会福祉関係職員等の養
  成・確保に対する助成措置の充実・強化を図ること。

XIII 教育・文化
 1.グリーン・ツーリズムの一層の普及を行うとともに、地域ぐるみで行う受入体制や交
  流空間の整備及びNPO法人等の多様な取組主体の育成等グリーン・ツーリズムの総
  合的な推進を図ること。

 2.山村における国民の幅広いボランティア活動を促進するための対策の充実・強化を
  図ること。
 3.大学生を含め学校教育・社会教育において自然豊かな山村での体験活動を推進す
  ること。

 4.山村地域へのUJIターン者の定住促進、高齢者の地域社会の活動に参加できる機
  会の確保、都市との連携強化による山村の活性化の取り組みの充実・強化を図るこ
  と。

XIV 山村地域の自主性の確立
 1.財源保障機能及び財源調整機能を果たす地方交付税制度の充実・強化を図り、所
  要額を確保すること。

 2.基準財政需要額の算定に当たっては、山村自治体が人口割合に比べて広い面積を
  有し、国土保全、地球温暖化防止等に重要な役割を果たしていることを考慮し、面積
  要素を重視するなど、山村地域の実情に即したものとすること。

 3.独自の発想に基づく山村振興を助長するため、山村地域の自主性を尊重する助成
  措置、規制緩和措置等の幅広い導入を図ること。

 4.償却資産に係る固定資産税は、山村地域の市町村の重要な財源であり、仮に廃止、
  縮小されることがあれば山村地域の市町村の財政に多大なる支障を来すことを踏ま
  え、現行の課税対象、評価額の最低限度を堅持すること。

 5.道州制は絶対に導入しないこと。


山村振興法の改正に関する特別要望

 昭和40年に山村振興の理念及び振興方策を盛り込んだ山村振興法が制定され、山村地域への国の政策的支援が行われてまいりました。
 しかしながら、山村地域においては、生活環境等の整備水準が依然として低位な状況にあり、人口の減少、高齢化に歯止めがかからず、集落機能の低下を招き、山村地域の存続が懸念される状況にあります。また、近年は、鳥獣被害が増大し、耕作放棄地が広がる等、その状況を一層悪化させております。
 そもそも、山村地域は、これまで、国土・自然環境の保全、水源のかん養、地球温暖化の防止等の多面的・公益的な役割を果たしてきましたが、今日、良好な景観や伝統文化が見直され、都市住民の癒しの場としての山村地域への期待がますます高まっております。
 このような日本の原風景とでもいうべき山村地域を、我々日本人の心の故郷として維持存続させることは、以前にも増して求められているところです。
 そのような中で、山村振興法の期限が平成27年3月末に到来いたしますが、政府・国会におかれては、山村地域の現状及びその果たす役割を踏まえ、下記の実現を図られるよう強く求めます。


 1.山村振興法の期限を延長するとともに、その内容の充実を図ること。

決 議

 我が国の山村は、日本人としての精神の原点として我が国を支えて来た力の源であり、一方では水資源、エネルギー資源を守り、国土保全に貢献してきたが、集落機能の衰退が進み、崩壊の危機に瀕していると言っても過言ではない。
 山村地域は、道路、情報通信、生活環境等の整備水準は依然として低位な状況にあり、その改善なしには、山村を取り巻く危機的な悪循環は断ち切れない。鳥獣被害対策や山村の資源を活用する様々な取り組みを効果的に展開するとともに、集落機能の活性化等の取り組みを行っていく必要があり、このような対策を総合的かつ強力に打ち出していく必要がある。
 このため、政府・国会においては、山村地域の振興こそが、国全体の発展につながるということを十分御認識いただき、山村振興を国の重点課題に据えて、下記事項の実現を図っていただくよう強く要望する。


1.山村振興法の延長及びその内容の充実を図ること。
1.農林水産業等地域産業の振興、生活環境の向上等を図るための施設の整備等に対
 する取組みに対する助成措置の充実・強化を図ること。
1.山村の果たしている多面的、公益的機能を持続的に発揮させるための財源確保を図
 ること。
1.「中山間地域等直接支払制度」等山村地域の活性化を図るための助成制度の一層の
 充実・強化を図ること。
1.木質バイオマスの利用、再生可能エネルギー対策の強化、6次産業化の推進等の産
 業振興施策の充実・強化を図ること。
1.川上から川下にいたる一貫した林業、木材産業の振興・木材利用の促進を図るため
 の森林・林業対策の充実・強化を図ること。
1.鳥獣被害の深刻化に鑑み、被害防止に関する対策の充実・強化を図ること。
1.道路整備のための財源を十分に確保し、特に、地方における道路財源の充実を図る
 こと。
1.高度情報通信ネットワークその他通信体系の充実・強化を図ること。
1.山村地域住民の生活交通を確保するため、地方バス路線維持、デマンドバスシステム
 の導入等対策の充実・強化を図ること。
1.山村地域における医師及び医療従事者の確保並びに関連施設の整備、運営等への
 助成措置の拡充・強化等の保健・医療・福祉対策の充実・強化を図ること。
1.森林吸収源対策を強力に推進するため、地球温暖化対策のための税等に係る所要
 の税制措置を講ずるとともに地方税財源を確保・充実する制度を創設すること。
1.税財源の乏しい山村地域の実情に即した地方交付税制度の充実・強化を図り、所要
 額を確保すること。
1.TPPの交渉に当たっては、農産物関税の聖域を守り、国益を損なうことのないよう毅
 然とした対応をすること。
1.道州制は絶対に導入しないこと。

  以上決議する。
   平成25年11月22日            全国山村振興連盟通常総会

 ◎御出席の国会議員(敬称略)
  衆議院議員
   木 村 太 郎(青森)  坂 本 剛 二(福島)  小 渕 優 子(群馬)
   宮 腰 光 寛(富山)  山 本   拓(福井)  谷   公 一(兵庫)
   田野瀬 太 道(奈良)  竹 下   亘(島根)  吉 野 正 芳(比例中国)
   山 口 俊 一(徳島)  後藤田 正 純(徳島)  中 谷   元(高知)
   坂 本 哲 志(熊本)  金 子 恭 之(熊本)  衛 藤 征士郎(大分)
   宮 路 和 明(比例九州)林 田   彪(比例九州)
   吉 川 貴 盛(北海道) 中 川 郁 子(北海道) 小 島 敏 文(比例中国)
   福 山  守 (徳島)  石 田 祝 稔(比例四国)岩 田 和 親(佐賀)
                                   (以上23名)
  参議院議員 
   岸   宏 一(山形)  若 林 健 太(長野)  堀 井  巌(奈良)
                                    (以上3名)
 ◎秘書が出席の国会議員(敬称略)
  衆議院議員
   中 村 裕 之  武 部   新  江 渡 聡 徳  大 島 理 森
   鈴 木 俊 一  金 田 勝 年  額 賀 福志郎  梶 山 弘 志
   西 川 公 也  井 上 信 治  森   英 介  宮 下 一 郎
   棚 橋 泰 文  金 子 一 義  田 村 憲 久  三ツ矢 憲 生
   藤 井 孝 男  高 市 早 苗  石 田 真 敏  石 破   茂
   細 田 博 之  加 藤 勝 信  山 本 公 一  山 本 有 二
   麻 生 太 郎  今 村 雅 弘  保 利 耕 輔  野 田   毅
   園 田 博 之  岩 屋   毅  古 川 禎 久  保 岡 興 治
   小 里 泰 弘  津 島   淳  西 村 明 宏  菅 家 一 郎
   橋 本 英 教  村 岡 敏 英  畑   浩 治  簗   和 生
   中 谷 真 一  後 藤   斎  寺 島 義 幸  川 田   隆
   長 島 忠 美  岩 永 裕 貴  池 田 道 孝  白 石   徹
   上 杉 光 弘  大 串 博 志  
                                   (以上50名)
  参議院議員
   岩 城 光 英  中曽根 弘 文  山 本 一 太  山 田 修 路
   山 本 順 三  松 村 祥 史  野 村 哲 郎  尾 辻 秀 久
   小 坂 憲 次  滝 沢   求  中 泉 松 司  石 井 浩 郎
   上 月 良 祐  大 野 泰 正  柳 本 卓 治  舞 立 昇 治 
   青 木 一 彦  井 原   巧  馬 場 成 志  
                                   (以上19名)
 ◎政府関係の出席者(敬称略)
  農林水産省 農村振興局次長               小 林 祐 一
        農村振興局中山間整備推進室長        松 村 孝 典
        生産局鳥獣災害対策室長           大 西 正 晃
        農村振興局中山間地域振興課課長補佐     渡 部 和 宏
        農村振興局中山間地域振興課調整係長     加 藤 邦 彦
        農村振興局中山間地域振興課         川 原 大 佑
  林野庁   森林整備部長                本 郷 浩 二
        森林整備部森林利用課長           原 田 隆 行
        山村振興・緑化推進室長           今 泉 裕 治
        山村振興・緑化推進室企画係長        竹 ア 桂 子
  国土交通省 国土政策局地方振興課長           木 下 一 也
        国土政策局地方振興課課長補佐        後 藤 高 広
        国土政策局地方振興課交流推進係       横 堀 誠一郎
  総務省   自治行政局地域力創造グループ地域振興室長  出 口 和 宏
  文部科学省 大臣官房文教施設企画部施設助成課課長補佐  錦   泰 司
  環境省   自然環境局鳥獣保護業務室鳥獣保護管理企画官 堀 内   洋

 ◎友好団体の出席者(敬称略)
  全国過疎地域自立促進連盟専務理事            堤   新二郎
  全国離島振興協議会調査研究部長             仲 田 成 徳
  全国町村議会議長会企画調整部主事            涌 本 崇 正



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