山村振興法の改正に関する特別要望

 昭和40年に山村振興の理念及び振興方策を盛り込んだ山村振興法が制定され、山村地域への国の政策的支援が行われてまいりました。
 しかしながら、山村地域においては、生活環境等の整備水準が依然として低位な状況にあり、人口の減少、高齢化に歯止めがかからず、集落機能の低下を招き、山村地域の存続が懸念される状況にあります。また、近年は、鳥獣被害が増大し、耕作放棄地が広がる等、その状況を一層悪化させております。
 そもそも、山村地域は、これまで、国土・自然環境の保全、水源のかん養、地球温暖化の防止等の多面的・公益的な機能の発揮に重要な役割を果たしてきましたが、今日、良好な景観や伝統文化が見直され、都市住民の癒しの場としての山村地域への期待がますます高まっております。
 このような日本の原風景とでもいうべき山村地域を、我々日本人の心の故郷として維持存続させることが、以前にも増して求められているところであり、今日、地方創生が叫ばれておりますが、地方創生は山村地域の活性化なしには達成することができません。
 そのような中で、山村振興法の期限が平成27年3月末に到来いたしますが、政府・国会におかれては、山村地域の現状及びその果たす役割を踏まえ、下記の実現を図られるよう強く求めます。


 1.山村振興法の期限を延長するとともに、その内容の充実を図ること。

決 議

 我が国の山村地域を取り巻く環境は、生活環境等の整備水準が依然として低位な状況にあり、鳥獣被害や様々な問題を抱え、集落機能の維持が困難になってきております。一方、山村地域は、日本人としての精神の原点として我が国を支えて来た力の源であり、水資源、エネルギー資源を守り、国土保全に貢献する等多面的・公益的な機能の発揮に重要な役割を果たしてきており、その維持存続が強く求められているところである。
 そのため、生活水準等の向上対策、鳥獣被害対策や山村の資源を活用する様々な取り組みを効果的に展開するとともに、集落機能の活性化等の取り組みを行っていく必要があり、このような対策を総合的かつ強力に打ち出していく必要がある。
 政府・国会においては、山村地域の振興こそが地方創生の要であり、国全体の発展につながるということを十分御認識いただき、山村振興を国の重点課題に据えて、下記事項の実現を図っていただくよう強く要望する。


1.山村振興法の延長及びその内容の充実を図り、「山村振興交付金」を創設すること。
1.農林水産業等地域産業の振興、生活環境の向上等を図るための施設の整備等の取
 り組みに対する助成措置の充実・強化を図ること。
1.「農村集落活性化支援事業」の創設等集落機能の活性化に資する事業の充実・強化
 を図ること。
1.「中山間地域等直接支払交付金」、「多面的機能支払交付金」等山村地域の活性化を
 図るための助成制度の一層の充実・強化を図ること。
1.木質バイオマスの利用、再生可能エネルギー対策の強化、6次産業化の推進等の産
 業振興施策の充実・強化を図ること。
1.川上から川下にいたる一貫した林業、木材産業の振興・木材利用の促進を図るため
 の森林・林業対策の充実・強化を図ること。
1.鳥獣被害の深刻化に鑑み、被害防止に関する対策の充実・強化を図ること。
1.道路整備のための財源を十分に確保し、特に、地方における道路財源の充実を図る
 こと。
1.高度情報通信ネットワークその他通信体系の充実・強化を図ること。
1.山村地域住民の生活交通を確保するため、地方バス路線維持、デマンドバスシステム
 の導入等対策の充実・強化を図ること。
1.山村地域における医師及び医療従事者の確保並びに関連施設の整備、運営等への
 助成措置の拡充・強化等の保健・医療・福祉対策の充実・強化を図ること。
1.森林吸収源対策を強力に推進するため、地球温暖化対策のための税等に係る所要
 の税制措置を講ずるとともに地方税財源を確保・充実する制度を創設すること。
1.税財源の乏しい山村地域の実情に即した地方交付税制度の充実・強化を図り、所要
 額を確保すること。
1TPPの交渉に当たっては、農産物関税の聖域を守り、国益を損なうことのないよう毅然
 とした対応をすること。
1.道州制は絶対に導入しないこと。

  以上決議する。

   平成26年11月20日            全国山村振興連盟通常総会