平成27年11月19日に開催された全国山村振興連盟通常総会において、佐々木 哲男 秋田県東成瀬村長及び尾上武義 三重県大台町長両名から事例報告が行われた。
 その報告の概要と配布資料を紹介します。

1.秋田県東成瀬村長 佐々木哲男
 東成瀬村は、北東北の秋田、宮城、岩手の県境に位置しており、東西に17q、南北
に30qの細長い地形をした、人口は2,800人、今年国勢調査が行われており現在ではこれより減っていると思いますが、高齢化比率は35.7%の村です。
 こういう地形の中でこれまで色々悩んだことがありましたが、特に山村地域は情報網の整備が遅れていました、特に私の村ではラジオ放送が聴こえないということで、当連盟の理事会等で発言をさせていただいてその解消方を要望してきたところです。その要望した趣旨は、公共放送であるNHKの秋田放送が受信できない地域が村内のほとんどでありまして、なんとかこれを解消したいということでした。それがこのほど、見事に実現しました。総務省のご協力をいただいて、省令を改正していただき、AM波までは制度上難しいということで、F波で、1週間前に試験電波を発信していただき、大変良く聴こえました。今日、もう1本の受信棟から試験電波が発信されて、12月1日から正式に営業ということになっています。地域の方々、地域の情報をラジオで仕事をしながら聴けるということで大変喜んでいます。当連盟の大きな成果だと思います。心から関係の皆さんにお礼申し上げたいと思います。山村地域では、まだラジオ放送が聴こえない地域もあるのではないかと思いますが、是非、この制度は活用した方がいいのではないかと申し上げさせていただきます。
 皆さんのお手元にお配りしてあります資料の中で、私の方の村政執行の主な政策が載っておりますが、2ページにある教育、これに真剣に取り組んでいます。学力調査の結果では秋田県は全国のトップレベルだと言われていますが、私の村も秋田県の中でもトップレベルと言われています。これはどこら辺に原因があるかといいますと、少人数学級、そしてまだ足りない部分については教職員を村単で採用して各クラスに2名の先生を配置したチームティーチングという方式で学力の向上に当たっていることが特徴的なことだと思っています。この事業は何も今始まったわけではなくて、かなり前から村政の重要な柱として取り組んできた成果ではないかと思っています。
 次に産業の振興ですが、私の村は山間地ということで耕作面積は非常に少ない地域ですが、なんとかして高齢化に対応するため、農業法人を4つ毎年のように立ち上げていただいて、今、4地域4法人でほぼ4分の1が集落営農に受委託して参加しているという成果を得ています。この法人立ち上げには過疎債のソフト事業を活用させていただいています。この成果が徐々に出てきて、今、集落営農はこれからどんどん集約化されて行く方向にあると思います。
 そういったことと併せて、農業施設についても、ミニライスセンターや米利用施設といったものに積極的に取り組んで、法人ごとに生産体制を整えて、しかも、販売もここでしっかり取り組んで行く方向で進めています。この法人の活動の中には、先ほど来、話のありました「山村活性化支援交付金」の活用も当然のように盛り込んでおり、これも活用して今後具体的にソフト事業を進めていきたいと考えています。
 その次に6次産業化の取組として、村はもともと牛の放牧が盛んなところでしたが、その牛も黒毛和牛ではなくて日本短角牛の赤身の多い肉を中心にして放牧をした牛の生産に取り組んでおりました。この数十年、黒毛和牛に押されてほとんどなくなりましたが、これを復活しようということで今、積極的に取り組んでいまして、500頭収容の畜舎棟も整備しました。これに対しては、米粉を活用した飼料を提供するということで、先ほど申し上げた米粉利用施設を整備してその場で飼料を作っていく、そして、200ha採草放牧地がありますので、ここで骨格のしっかりした牛を作って、繁殖それから肥育まで取り組んでいこうと、今、具体的に取り組んでいます。
4ページの一番下にありますのが、1次産業としての草地畜産基盤整備事業、2次産業としての食肉加工センターを作ります。そして、3次産業としての、冷凍技術を使った販売をきちんとできる法人を立ち上げて売り込み先もしっかり作った6次化産業に取り組んでいます。完成すれば、数十人単位の雇用の場が創出されるという考え方で着々と今進めています。
 大変雑駁な概要だけになりましたが、こういういった事業に山村振興事業あるいは過疎対策事業を十分に活用させていただいて、皆さんのご指導をいただきながら、積極的に取り組んでいることを事例報告とさせていただきます。
 どうもご清聴ありがとうございました。



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