全国山村振興連盟の平成29年度通常総会は、11月30日(木)午前10時30分から千代田区隼町のグランドアーク半蔵門4階の富士東において、国会議員、政府関係者、友好団体等の来賓多数の出席のもとに連盟会員、支部事務局員など約400名が出席して盛大に行われた。
 会場正面には、
 〇 山村振興法に基づき、関係省庁連携の下、山村振興対策を総合的かつ計画的に推進する
  こと
 〇「山村活性化支援交付金」、「農山漁村振興交付金」等山村地域活性化のための対策の充
  実・強化を図ること
 〇 地方交付税制度を充実・強化し、所要額を確保すること
 〇 森林環境税(仮称)の創設等に係る所要の税制措置を講じ、地方税財源の確保・充実を
  図ること。
 のスローガンが掲げられた。

 総会は、最初に森 利男 副会長(北海道苫前町長)が「今朝ほどは、自民党の農林・食料戦略調査会、農林部会、林政対策委員会合同会議を開催していただき、さらには山村振興特別委員会を開催していただき、私共も出席させていただきました。誠にありがとうございました。お礼を申し上げたいと思います。この総会におきましては、山村の活性化を図るために、平成30年度予算の編成に向けて、私どもの意思を結集し、政府並びに国会に対して訴えてまいりたいと存じます。 本総会が所期の目的を達成できますよう、ご参集の皆様の絶大な協力をお願い致します。只今から、平成29年度全国山村振興連盟通常総会を開催致します。」と開会の辞を述べた。
 次に、中谷 元 会長(竹ア 会長代行代読)が開会の挨拶を行い、御来賓の礒崎陽輔農林水産副大臣、衆議院議員 金子恭之 先生(自由民主党山村振興特別委員会委員長)、 荒木泰臣 全国町村会長からそれぞれ祝辞が述べられた。
 続いて、出席された国会議員、政府関係者、友好団体の来賓紹介が行われた。
 次に、山形県最上町の橋重美 町長及び兵庫県佐用町の庵逧典章 町長から事例報告が行われた。
 なお、報告の内容については、平成30年2月15日号の山村振興情報に掲載します。
 竹ア一成 会長代行(熊本県芦北町長)が議長となって議事に入り、次の議案が審議された。
○ 第1号議案「平成30年度山村振興関連予算・施策に関する要望(案)に関する件」
  岸 廣昭 事務局長から説明を行い、原案どおり可決された。
○ 第2号議案「決議(案)」 
  奥田正和 副会長(広島県世羅町長)から提案され、原案どおり可決された。
 以上で議事を終了した。

  米田 徹 副会長(新潟県糸魚川市長)が「本日は、熱心にご審議いただき誠に有難うございました。本日決定された我々の要望を実現するため、強力に運動を展開してまいりたいと存じます。」との閉会の辞を述べた。山村の発展を期して、同副会長の発声により「頑張ろう」コールを三唱し、総会を終了した。
 総会終了後、可決された要望事項について、連盟の町村長副会長が関係省庁及び国会議員に対し、各支部では地元選出の国会議員等に対しそれぞれ要請活動を行った。

 当日の会長挨拶、来賓祝辞、可決された要望書、決議等は以下のとおりとなっている。


【中谷 元 会長(衆議院議員) 挨拶】
 お早うございます。会長代行を務めています熊本県芦北町長の竹アでございます。本来でございますと中谷会長が親しく皆様方にご挨拶を申し上げるべきところでございますが、本日同時刻に衆議院の憲法審査会が開催されており、出席が叶わないということでございまして、会長も大変残念がっておられました。会長の挨拶をお預かりしましたので、代読をさせていただきます。
 平成29年度全国村振興連盟の総会に当たり一言ご挨拶を申し上げます。
 本日は、地元で山村の活性化に日々ご苦労いただいておられる当連盟の会員の皆様、お忙しい中ご参集賜りました。おかげさまで、かような盛大な総会が開催されましたことを御礼申し上げます。
 また、本日の総会には、農林水産副大臣の磯崎先生、自由民主党山村振興特別委員会委員長の金子先生、連盟の理事の国会議員の先生方ほか大勢の国会議員の先生方が駆けつけて頂いております。また、お忙しい中、全国町村会長の荒木様、農林水産省、国土交通省、総務省、林野庁の幹部の皆様にもご出席頂いております。誠に感謝に耐えません。
 ご案内のように、私ども全国山村振興連盟は、皆様方山村地域の首長さん方と、国会議員の先生方が力を合わせて山村振興施策充実のために様々な活動を行っているユニークな団体でございます。
 国会の先生方の協力も得、おかげさまで、これまで、山村地域においては、インフラの充実を含め、様々な対策を講じていただいております。また、一昨年、議員立法という形で、山村振興法の大改正が行われ、山村地域の多面的な重要性を謳っていただき、われわれ山村の住民に対して誇りを持たせていただいたほか、山村独自の予算である山村活性化支援交付金の制度を作っていただきました。また、山村地域への重点採択を可能とする中山間地農業ルネッサンス事業制度の創設、さらには、これも議員立法である鳥獣被害防止特措法の制定、改正とそれに基づく様々な鳥獣被害防止対策の充実のほか、山村の主要産業である伐期を迎えた林業の対策の充実にも務めていただいております。
 また、昨年の税制改正大綱では長年の私どもの念願でありました森林環境税の創設の足がかりができました。
 しかしながら、山村を取り巻く環境は依然として厳しく、集落の消滅の危機が叫ばれるなど、山村地域の活性化がなんとしても必要です。これは、お集まりの首長の皆様方の創意工夫の必要なことはもちろんですが、山村の振興は我が国の発展に通じるという山村振興法の精神に照らし、山村地域における、インフラ充実、生活環境の整備、医療体制の整備、子弟の教育、山村地域の活性化のためのソフト、ハード事業の充実、林業・農業等産業対策等の充実について、国の全省庁が一丸となって取り組んでいただかなければなりません。このことについて、私どもも力を合わせて訴えかけていかねばなりません。特に森林環境税の創設は、本年が最後のチャンスと言っても過言ではありません。今朝方も、与党に対して、連盟の役員さん方を含め大勢で陳情したところです。
 本日は、総会後の山村振興にかかる要請につき、その内容をご審議いただき、確定していただくことがメインの議題でございます。
 また、山形県最上町長、兵庫県佐用町長からの山村振興の取り組みについてご紹介いただきます。参考にさせて頂きたいと思います。
 どうぞ、本日の総会、十分ご議論いただきますと同時に、意義あるものにしていただきたいと思います。
 最後に、皆様とともに山村の振興を力強く推し進めてまいることをお誓いして私の挨拶といたします。
  平成29年11月30日
                    全国山村振興連盟会長 中谷  元
                       代読 会長代行  竹 ア 一 成

【礒崎陽輔 農林水産副大臣 挨拶】

 皆さんお早うございます。ただ今ご紹介をいただいた農林水産副大臣の磯崎でございます。本日は全国山村振興連盟通常総会が盛大に開催されますことを心からお慶び申し上げます。日頃から山村振興のために皆様大変ご尽力されており、皆さんが頑張っているからこそ日本の山村はしっかり守られていると私は思っています。引き続きよろしくお願いします。そうはいってもやはり過疎化が進む中で本当に日々ご苦労なされていると思います。我々も山村振興のための施策を通じて様々な支援をしているわけですが、なかなか日本全体の人口が減少する中で特に山村部ではより一層過疎化が進んでおり、なんとかしていかなければいけない。全く気持ちは同じであります。我々もそのために6次産業化であるとか、都市との交流、あるいは最近ではジビエの活用とかいろんなことを考えているところです。今日は林業の大会ではありませんが、木材価格対策といったものをしっかりやっていかなければならないと思っています。
 先ほど、水産の大会に出席してきました。昨年から農政改革でご心配もおかけしましたが、農業だけであはありません。林業も水産業もしっかり持続的にやっていくためには所得が大事です。農林水産業の所得をしっかり確保する。そういうことによって農林水産業が持続的になる。それがとりもなおさず農山漁村がしっかりと永続できるということだと思います。
 農林水産省はいろいろご心配をおかけしていますが、目標は一つです。農業者、林業者、水産業者、漁業者こういった人々の所得をしっかり上げていくためにはどういう改革が必要かということで一生懸命頑張っていますので、そのことをご理解いただきたいと思います。
 森林環境税について、今日も朝からいろんな大会とか会議とかが開催されていると私も聞いています。私の記憶ではもう40年くらい前からいろんなことを言っていたわけでありますが、いよいよ最終ラウンドに近づいた感じがいたします。まだ、いくつかの課題が残っていますが、農林水産省としては、是が非でも今年は森林環境税の実現に努力し、決着をつけたいと思っています。その代わり、市町村に森林の管理を担っていただきたいと思います。今までは、都道府県が中心にやっている県が多いんですね。勿論都道府県も引き続き一定の役割を担ってもらうことになると思いますが、管理をしていないとか、誰の山か分からないとかいうことがないようにしていく、そのためには木材価格を上げていくことが必要だと思います。私は以前から中高層の木造住宅をもっと建設するのがいいと思っています。今は民間の普通の住宅でもプレハブが増えてきています。ある意味仕方ないところもありますが、もっと、中高層、12階建てくらいは防災対策をして木材で十分できるということです。需要を増やして木材価格を上げていく、そのために私達も頑張っていきますから、これからもう一回チャンスを作ろうではありませんか。山村の明るい未来をもう一回見たいと思いますので、皆さんと共に頑張ってまいりたいと思います。そうした中で農林水産省といたしましても各種施策の充実をしっかりと図ってまいりますので、大変な中だと思います、過疎化の中で苦しいと思いますが、どうか一緒に山村の振興のために頑張ってまいろうではありませんか。どうかこれからもよろしくお願いします。
 本日はおめでとうございます。


【衆議院議員 金子恭之 先生 挨拶(自由民主党山村振興特別委員会委員長)】
 皆さんお早うございます。全国山村振興連盟の総会のご盛会誠におめでとうございます。
 ただ今ご紹介いただきました、今回で3年目になりますが、引き続き選挙が終わった後も自由民主党山村振興特別委員長をやれということで就任いたしました金子でございます。引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 今日は、国会から竹下 亘 総務会長、全国山村振興連盟の前会長であります宮腰先生、当連盟の理事であります宮下先生をはじめ与野党の先生がご出席でございますが、ご指名でございますので、ご挨拶を申し上げたいと思います。
 特に今回、宮腰前会長が内閣総理大臣補佐官に就任されたということで、以前、防衛大臣就任とともに会長を交替された中谷 元 先生がまた会長に復帰ということで、これまで長きにわたって全国山村振興連盟のリーダーとして引っ張ってこられたわけでございます。5名の与野党の国会議員の理事がおり、私も理事をやらせていただいておりますが、竹ア会長代行をはじめとした市町村長役員の皆様方と共々に山村振興を進めていくために頑張ってまいりたいと思います。
 今日お見えの全国山村振興連盟の会員の市町村長の皆様方におかれましては、日頃から全国の国土の50パーセントという広大な面積を3パーセントの山村地域の皆様方で守っていただいているわけでございまして、心より敬意を表する次第でございます。
 先ほどお話しがありましたように平成27年に大幅な抜本的な山村振興法の改正をやらせていただきました。産業振興あるいは地域住民の福祉の向上といったものを盛り込んだ改正ですが、改正から3年が経過しました。特に皆様のご要望によりまして山村活性化支援交付金、それぞれの地域の活性化のための産物を見つけていくための、年間1千万円上限の3年間のソフト事業を創設させていだきました。お蔭さまで順調に3年目を迎えましたが、1年目に手を挙げられたところは今年が最終年度となります。今はこの事業、この交付金が有益なことが浸透したみたいで、全国からどんどん手が挙がっていまして、満額の確保が厳しいとか、あるいは次年度に回してくれとか大変うれしい悲鳴がおきているわけでございますが、今年が3年目ということで初年度に採択された66の地区が卒業をされますので、是非ここにお見えの皆様方におかれましては、今度はチャンスですので積極的に手を挙げていただいて、分からないところは農林水産省あるいは都道府県でフォローさせていただきたいと思っていますので、これを活用して成果を挙げるようご努力いただきたいと思います。
 先程からお話しのありました森林環境税ですが、今朝8時から自民党本部において農林合同会議で森林環境税についての議論をさせていただきました。私の選挙区の熊本県芦北町長の竹ア代行をはじめ48名の市町村長にも出席いただき、熱い議論をさせていただきました。昨日の全国町村長大会におきましては、熊本の荒木会長の下、森林環境税の創設に向けての特別決議がなされました。これまで皆様方の熱い、また地道な活動が実を結んで、昨年の税制改正大綱に「森林環境税の創設に向けて本年結論を得る」とうい項目が書き加えられまして、まさにこれから森林環境税の創設に向けて大詰めを迎えているところでございます。平成31年の4月には新たな森林管理システムというものを作り上げてそれを動かそうとしています。林業の成長産業化あるいは森林資源の適切な管理というものを両立するための新たな仕組みであります。これにはなんといっても、財源が必要であります。森林環境税をこれに合わせて創設することによって山村地域においての様々な課題に対する財源というものが出てくるものであるという風に考えています。是非、皆様方とともに力を合わせて山村の振興のために頑張っていくことを御誓い申し上げて、本日ご出席の国会議員を代表してのご挨拶とさせていただきます。
 本日はおめでとうございます。

【荒木泰臣 全国町村会長 挨拶(熊本県嘉島町長)】
 皆さんお早うございます、ただ今、ご紹介を頂きました全国町村会長の荒木でございます。
 本日、全国山村振興連盟通常総会がこのように盛大に開催されますことを心からお祝いを申し上げます。
 会長代行の竹アさんは熊本県町村会副会長でございまして、日頃から私を支えていただています。今朝も自民党で会合があったかと思いますが、大変熱く燃える人でありまして、山村の振興については、日頃から私もお聞きをしています。全国町村会としましても、森林環境税のすみやかな確実な実現ということで昨日特別決議をさせていただいたところです。私も山村振興については、しっかりと頑張っていくことをまずもってお約束を申し上げてご挨拶をさせていただきます。
 本日ここに、全国山村振興連盟の平成29年度通常総会が関係者多数のご出席の下、盛大に開催されますことを、心からお慶び申し上げます。
 また、皆様方には、日頃より全国町村会の活動に格別なご支援を頂いており、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。
 はじめに、本年の夏から秋にかけて発生いたしました集中豪雨や台風などの相次ぐ災害は、各地に甚大な被害をもたらしました。被災された関係者の方々に対し、謹んでお見舞い申し上げますとともに、被災された地域の一日も早い復旧と復興を心よりお祈り申し上げます。
 さて、我が国の山村は、広大な森林と豊かな自然環境を有し、国土の保全、水源のかん養等の多面的機能の持続的な発揮に重要な役割を果たしていますが、過疎化・高齢化の進行、適切な管理が行われていない森林の増加、生活環境の整備が依然として低い水準にあるなど、厳しい状況にあります。
 このような中、国は林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図るため、「新たな森林管理システム」の導入を検討しております。適切な整備・保全がなされてこそ、森林は多面的機能を発揮し、国民の安心で豊かな暮らしの確保に寄与することができます。これまでも、町村においては、懸命に森林の整備・管理を行ってまいりましたが、これまで以上の取り組みを行っていくにあたっては、安定的・恒久的な財源が不可欠であります。その財源となり得る森林環境税の導入に向けた検討が現在行われているところでございます。昨日、全国町村長大会を開催しましたが、この中で「全国森林環境税」の実現を特別決議し、要請活動を行っております。引き続き、全国町村会としても、その実現に向けた活動を強力に展開してまいりたいと存じます。
 また、最近では、都会で生まれ育った若者や子育て世代が農山村へ向かう「田園回帰」の動きが顕著に見られるようになりました。その流れを加速させ、都市と農山村が共生する社会を創造するため、皆さまと力を合わせ、我々も努力を重ねていく所存です。
 結びに、貴連盟のますますのご発展と、ご参集の皆様方のご活躍を祈念いたしまして、お祝いのご挨拶といたします。

         平成30年度山村振興関連予算・施策に関する要望書

 山村地域の振興につきましては、日頃から格別の御配慮を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、近年、山村を取り巻く環境は、道路、情報通信、生活環境等の整備水準が依然として低位な状況にあるほか、耕作放棄地の増大、鳥獣被害の多発に直面する中で、厳しさを増しており、過疎・高齢化の進展により集落機能の衰退が進んでおります。
 我が国の山村は、日本人としての精神の原点として我が国を支えてきた力の源であり、水資源、エネルギー資源を守り、国土保全、都市住民のいこいの場、若者の教育の場の提供等、多面的・公益的機能の発揮に重要な役割を担ってまいりました。このような国民の共有の宝とでも言うべき山村は、国土の約5割にも及んでおり、そこを人口のわずか3パ−セントの住民が守っているものの、その山村が集落機能の崩壊等により存続の危機に瀕していると言っても過言ではない状況にあります。
 こうした中で山村振興法により明確に示されている、上記の多面的、公益的機能の一層の充実を更に図ることが重要であり、このため、山村住民の定住と集落維持により、山村の活性化、自立的発展を図っていくことが、一極集中を是正した地方創生の目指すところであり、ひいては、我が国全体の発展につながるものと言えます。
 国におかれては、以上の認識の下に、山村振興を国の重要課題に据えて、下記の事項の実現を図っていただくよう強く要望致します。

                       

T 熊本地震、東日本大震災等の復旧・復興等

1.熊本地震、東日本大震災については、関係省庁連携のもと、被害が生じた山村地域におけ
  る復旧・復興対策を早急かつ強力に推進すること。特に東日本大震災については、原発事
  故放射性物質の除染等を早急に行うとともに、放射性物質の影響を大きく受けている特用
  林産物栽培農家対策に万全を期すこと。
2.近年、気候変動等により、多発、大規模化している災害に対処するため、国土強靭化対策
  を推進し、災害に強い山村づくりに取り組むこと。また、災害発生時の的確な情報提供シ
  ステムの整備を図ること。

U 山村振興対策の総合的・計画的推進

1.山村振興計画に基づき、関係省庁の一層の連携強化のもと、山村振興対策を総合的かつ計
  画的に推進すること。

2.山村地域における農林水産業等地域の基幹産業の振興、生活環境の向上等を図るための施
  設の整備等の取り組みに対する助成措置の充実・強化を図るとともに、自立的な地域活性
  化を支える人材育成への支援に取り組むこと。

3.山村地域の活性化を図るために不可欠な辺地対策事業債及び過疎対策事業債の十分な確保
  を図ること。
4.農山漁村地域整備交付金の充実・強化を図るとともに、農山漁村地域活性化対策、森林・
  林業振興対策に係る地方財政措置の充実・強化を図ること。

V 多面的・公益的機能の持続的発揮

1.山村の果たしている重要な役割や木の文化について、児童生徒を含め国民一般の理解を深
  めるための教育 ・啓発・普及対策の充実・強化を図ること。

2.森林が二酸化炭素吸収源として大きな役割を担うことを踏まえ、計画的な間伐等の森林と
  これと一体的となった森林作業道の開設を直接支援する「森林環境保全直接支援事業」の
  充実・強化を図ること。
   また、森林所有者等による計画的な森林施業が適切に行われることを確保するため、
  「森林整備地域活動支援交付金(林業・木材産業成長産業化促進対策)」の充実・強化を
  図ること。

3.国土保全や生活環境整備を図るため、治山、治水及び砂防対策の充実・強化を図ること。
   また、水源の かん養、自然環境の保全等国土保全に資する事業を対象とした「国土
  保全対策」に係る地方財政措置の継続を図ること。

4.景観対策、国土保全に資するため、松くい虫対策、ナラ枯れ対策について適切に行うこ
  と。
5.山村地域に期待される森林吸収源対策、再生可能エネルギー対策を強力に推進するため、
  地球温暖化対策のための税の活用とその充実を図るとともに、森林整備等に必要な財源に
  充てるための森林環境税(仮称)を創設し、地方税財源の確保・充実を図ること。
  併せて、小規模林地の集約化のためのスキームを創設するとともに所有者の不明確な林地
  においても市町村等の公的主体が森林管理を行うことのできる制度を創設すること。
  また、森林吸収源対策等の推進に係る地方財政措置の継続を図ること。

6.持続的な林業経営の実現、森林の多面的機能の発揮を図る上で不可欠な地域の森づくりを
  主体的に先導する人材の育成確保を図ること。

W 山村地域の活性化

1.山村地域における農林水産業の維持・活性化を図るため、「中山間地域等直接支払交付
  金」、「多面的 機能支払交付金」の充実・強化及び荒廃農地等の利活用対策の推進の
  ため、「荒廃農地等利活用促進交付金」の確保を図ること。

2.山村地域の活性化と地域コミュニティーの再生のため、山村活性化支援交付金の増額、
  滞在型旅行を推進する農泊推進対策、都市農村共生・対流対策の拡充をめざし「農山漁
  村振興交付金」の大幅拡大を図るとともに、「森林・山村多面的機能発揮対策交付金」及
  び「強い農業づくり交付金」の充実・強化を図ること。
   また、中山間地農業ルネッサンス事業の拡大を図り、山村地域に対して優先的に予算
  配分を行うとともに、山村地域を優遇する等、山村地域にとって使い勝手の良い制度と
  すること。

3.山村に存する棚田・里山林等の美しい景観の価値を見直し、その保存・再生を図ること。

4.侵入竹の駆除及び竹材等の利用推進を図ること。

X 産業の振興、地域資源の活用

1.山村地域の発展には、地域資源を活用した産業振興と雇用の場の確保が不可欠であり、
  農林水産業の振興と併せて6次産業化の推進を図るとともに、森林資源、農地等の
  土地資源、優れた環境等を活用した新たな農林業の振興更には、平場とは異なる山村の
  条件を生かしたAIを活 用した園芸等の農業の振興、関連企業の立地・導入等の対策
  を充実・強化すること。

2.本格的な利用期を迎えた森林資源を循環利用することにより林業の成長産業化を実現
  し、地域振興を図るため、地域の自主性を尊重しつつ、森林の管理運営を意欲と能力の
  ある経営体に集積・集約化する「新たなスキーム」による持続的森林経営の確立や、木
  材利用を促進するための「林業・木材産業成長産業化促進対策」を創設し、川上から川
  下に至る林業、木材産業の振興対策の拡充強化を総合的に図ること。また、今年度創設
  された「林業成長産業化創出モデル事業」を、来年度以降も継続するとともに、追加の
  地域指定や先進事例等の横展開を図ること。

3.急傾斜地における架線集材・ヘリ集材を含め、現場の実情に即した間伐などの森林施
  業を推進するほか、施業の低コスト化、再造林対策の強化を図ること。

4.林業・木材産業、農業等山村地域における産業の担い手の育成確保対策の拡充・強化
  を図ること。

5.木材価格の安定対策の強化を図るとともに、今年度、「新たな木材需要創出プロジェク
  ト」等で進められている、公共建築物、公共土木分野等における国産材活用の推進、鉄
  骨構造からCLT等新たな木質材を活用した木骨構造への転換の推進、地域A材活用の
  ための伝統的な日本の木造家屋の良さの啓発と普及、木質バイオマスの利用の取組み
  の促進、地域材の供給体制の確立や森林認証材の普及を図るため、予算措置の充実・
  強化を図ること。また、住宅部材開発・標準化、木材・木製品の輸出促進等により木材の
  利用促進を支援する制度を充実・強化すること。

6.木質バイオマス産業化を促進するための施設整備、システム開発を図ること。また、農山
  漁村における再生可能エネルギー導入の促進を図る取組み、発生した電力を適正な価
  格で買い取るシステムの構築を図る取り組み等の対策の充実・強化、それらの取組みを
  地域経済の発展に寄与させる仕組みの導入、風力発電を含めて地方自治体が条件不利
  地での取り組みへのフィットと併せての助成措置を図るとともに、再生可能エネルギーで
  の発電比率の向上と、発生した電力の送電システムの整備を図ること。

7.特用林産物の振興を図るため、「特用林産振興総合対策事業」の予算確保を図ること。

Y TPP等について

  TPP合意及び将来交渉が考えられるFTAについては、山村地域の主要産業である農林
  業に打撃を与 える可能性があり、山村地域の住民が誇りを持って農林業を営んでいける
  よう十分な配慮を行い、山村地域住民が生活を維持できるよう、万全の対策を講じるこ
  と。

Z 鳥獣被害防止

1.鳥獣被害問題については、保護対策に偏ることなく、被害対策とのバランスを図るととも
  に、被害対策に必要な財源を確保すること。また、地域ぐるみの総合対策を推進する
  「鳥獣被害防止総合対策交付金」及び広域的な森林被害等に対応する「シカによる森林
  被害緊急対策事業」について事業継続するとともにメニューの充実・強化を図ること。

2.鳥獣被害防止特別措置法等に基づき、被害軽減の技術普及を行うなど、地域ぐるみの
  総合対策を推進するなど、鳥獣被害対策の一層の充実・強化を図ること。

3.鳥獣被害対策実施隊の設置促進、猟友会等の民間団体の参加促進、林業分野・関係省庁
  との連携を促進するとともに被害の深刻さの度合いによっては、防衛省・自衛隊は関係
  省庁と連携して、協力の可能性を検討すること。

4.捕獲鳥獣の加工処理施設の設置促進、焼却対策の充実・強化を図るとともに、ジビエ
  振興対策を講ずること。

5.今後、より効果的な対策の導入について検討するために、ドローン等を活用した鳥獣
  被害対策について研究開発を進めること。

[ 山村と都市との共生・対流

1.グリーン・ツーリズムの一層の普及を行うとともに、地域ぐるみで行う受入体制や交流
  空間の整備及びNPO法人等の多様な取組主体の育成等グリーン・ツーリズムの総合
  的な推進を図ること。

2.自然資源の保護・保全をするとともに、地域資源を生かした教育、ふるさとに愛着と誇
  りを育む活動である地方自治体の行うジオパーク推進の事業に対する支援を充実・強化
  すること。

3.山村における国民の幅広いボランティア活動を促進するための対策の充実・強化を図るこ
  と。

4.大学生を含め学校教育・社会教育において自然豊かな山村での体験活動を推進すること。

5.山村地域へのUJIターン者の定住促進、高齢者の地域社会の活動に参加できる機会の
  確保、都市との連携強化による山村の活性化の取り組みの充実・強化を図ること。

\ 道路、情報通信基盤の整備

1.山村地域の産業、生活基盤として不可欠な高規格幹線道路、地域高規格道路、一般国道
  及び都道府県道 の整備、特に、二県以上に跨がる県管理の国道整備は、山村地域の振興
  に大きく寄与しているにもかかわらず、冬期閉鎖期間が長期間に及ぶことにより関係振興
  山村の発展を大きく阻害しており、こうした県際道路の整備計画を策定の上、計画的に
  整備促進を図るとともに市町村道の改良・舗装等、立ち遅れている山村地域の道路整備
  を促進すること。また、基幹的な幹線市町村道路の整備の都道府県代行に対する助成措置
  を講ずること。
   また、道路整備事業に係る国の財政上の特例に関する法律による補助率の嵩上げ措置を
  平成30年度以降も継続すること。

2.道路整備のための財源を十分に確保し、特に、地方における道路財源の充実を図ること。

3.携帯電話不通地域の解消、インターネットのブロードバンド接続可能地域の拡大、高速
  光ファイバー網の整備等デジタルディバイドの解消を図るための高度情報ネットワーク
  その他通信体系の充実・強化を図ること。また、地域の実情に即した通信システムの助成
  を図るとともに、これら通信網の維持のためのランニングコストの助成を行うこと。

4.ラジオ難聴取地区の解消を図ること。

5.防災上並びに観光景観上の観点から無電柱化の推進に当たり、一定の財政措置(過疎債)
  を講ずること。

] 生活環境の整備

1.山村地域住民の生活交通を確保するため、地方バス路線維持やデマンドバスの導入・運行
  対策の充実・強化を図ること。

2.山村の簡易水道等施設の整備促進を図ること。

3.山村地域の実情に応じて汚水処理施設の整備促進を図ること。

4.廃棄物処理施設の整備を推進するため、助成措置を講ずること。また、廃棄物処理施設の
  解体に対しては、適切な措置を講ずること。

5.消防力の充実を図るため、消防庁舎・消防施設等の整備及び改修に対する助成措置を講ず
  ること。

]T 医療・保健・福祉

1.山村地域の産科医、小児科医を含めた医師の確保に万全を期すこと。へき地診療所等の運
  営、医療施設・保健衛生施設の整備、医師及び看護師の養成・確保に対する助成措置の充
  実・強化を図ること。

2.無医地区への定期的な巡回診療、保健師の配置、救急医療用のヘリコプターの拡充を図る
  こと。

3.へき地保育所の運営、高齢者等の社会福祉施設整備、社会福祉関係職員等の養成・確保に
  対する助成措置の充実・強化を図ること。

4.山村における障がい者施設の整備について、十分な予算の確保を図ること。

5.医療、保健、介護、福祉の充実、高齢者の職場、住居の確保は、その地域に居住する高齢
  者のみならず、都市の団塊世代の山村地域への定住に不可欠であり、都市部との連携の下
  に、このような観点からの充実・強化を図ること。

]U 教育・文化

1.公立学校施設整備、スクールバス等の購入に対する助成措置を講ずること。

2.寄宿舎居住費等へき地児童生徒に対する助成措置を講ずること。

3.山村地域の文化財の保護等に対する助成措置を講ずることと同時に遺跡発掘体験等により
  山村の自然に触れる体験交流活動に対する支援措置を講ずること。

4.地域の伝統文化・芸能の体験等を通じた子供の育成に努めること。

5.教育環境の整備は、都市部からの若者の定住に不可欠であり、その観点からの充実を図る
  とともに豊かな自然環境や伝統文化等を有する山村の特性を生かした教育の充実を図るこ
  と。

6.小中学校の統廃合の推進に当たっては、地域活性化の観点に十分配慮すること。

]V 山村地域の自主性の確立

1..財源保障機能及び財源調整機能を果たす地方交付税制度の充実・強化を図り、所要額を
  確保すること。

2.基準財政需要額の算定に当たっては、山村自治体が人口割合に比べて広い面積を有し、
  国土保全、地球 温暖化防止等に重要な役割を果たしていることを考慮し、面積要素を
  重視するなど、山村地域の実情に即したものとすること。

3.独自の発想に基づく山村振興を助長するため、山村地域の自主性を尊重する助成措置、
  過疎地における足の確保の為の道路運送法の規制等規制緩和措置等の幅広い導入を図る
  とともに、木材のストックヤードの整備等地方創生のために必要な事業について、
  既存の予算で対応できない場合は、ハード事業も地方創生交付金の対象とすること。   

4.償却資産に係る固定資産税は、山村地域の市町村の重要な財源であり、仮に廃止、縮小され
  ることがあれ ば山村地域の市町村の財政に多大なる支障を来すことを踏まえ、現行の課
  税対象、評価額の最低限度を堅持すること。

5.道州制は絶対に導入しないこと。


決 議

 近年、山村を取り巻く環境は、道路、情報通信、生活環境等の整備水準が依然として低位な状況にあるほか、耕作放棄地の増大、鳥獣被害の多発に直面する中で、厳しさを増しており、過疎・高齢化の進展により集落機能の衰退が進んでいる。
我が国の山村は、日本人としての精神の原点として我が国を支えてきた力の源であり、水資源、エネルギー資源を守り、国土保全、都市住民へのいこいの場、若者の教育の場の提供等、多面的・公益的機能の発揮に重要な役割を担ってきた。このような国民の共有
の宝とでも言うべき山村は、国土の約5割にも及んでおり、そこを人口のわずか3パ−セントの住民が守っているものの、その山村が集落機能の崩壊等により存続の危機に瀕していると言っても過言ではない状況にある。
 こうした中で山村振興法により明確に示されている、上記の多面的、公益的機能の一層の充実を更に図ることが重要であり、このため、山村住民の定住と集落維持により、山村の活性化、自立的発展を図っていくことが、一極集中を是正した地方創生の目指すところであり、ひいては、我が国全体の発展につながるものと言える。
国において、以上の認識の下に、山村振興を国の重要課題に据えて、下記の事項の実現を図っていただくよう強く要望する。。

1.山村振興法の改正を踏まえ、関係省庁の一層の連携強化のもと、山村振興対策を
  総合的かつ計画的に推進すること。
1.「山村活性化支援交付金」、「農山漁村振興交付金」、「中山間地域等直接支払交付
  金」等山村地域活性化のための対策の充実・強化を図ること。
1.森林整備等に必要な財源に充てるための森林環境税(仮称)を創設し、地方税財源の
  確保・充実を図るとともに、所有者の不明確な林地等の対応を急ぐこと。
1.「林業・木材産業成長産業化促進対策」を創設し、川上から川下に至る林業、木材産業
  の振興対策の拡充強化を総合的に図ること。
1.鳥獣被害防止対策の充実・強化を図ること。
1.道路、情報通信基盤の整備を計画的に推進すること。
1.生活交通の確保等生活環境の整備を推進すること。
1.保健・医療・福祉対策の充実・強化を図ること。
1.学校施設整備、児童生徒への援助、体験活動推進等施策の充実・強化を図ること。
1.地方交付税制度の充実・強化を図り、所要額を確保すること。
1.TPPの合意及び将来交渉が考えられるFTAについては、山村地域の主要産業であ
  る農林業に打撃を与える可能性があり、万全の対策を講じること。
1.道州制は絶対に導入しないこと。

以上決議する。

   平成29年11月30日
                                    全国山村振興連盟通常総会


◎御出席の国会議員(敬称略)  

  
衆議院議員
         
 
稲 津   久
(北海道)
鈴 木 憲 和
(山形)
小 渕 優 子
(群馬)
 
宮 腰 光 寛
(富山)
宮 下 一 郎
(長野)
田野瀬 太 道
(奈良)
 
竹 下   亘
(島根)
あ べ 俊 子
(岡山)
玉 木 雄一郎
(香川)
 
金 子 恭 之
(熊本)
尾 身 朝 子
(群馬)
 
 
           
(以上11名)
参議院議員
         
 
山 田 修 路
(石川)
二 之 湯 智
(京都)
磯 崎 陽 輔
(大分)
 
 
 
 
 
 
(以上3名)

◎秘書が出席の国会議員(敬称略)
衆議院議員
     
 
佐々木 隆 博
江 渡 聡 徳
鈴 木 俊 一
吉 野 正 芳
 
梶  山  弘  志
福 田 達 夫
井 野 俊 郎
井 上 信 治
 
森   英 介
後 藤 茂 之
棚 橋 泰 文
谷   公 一
 
高 市 早 苗
石 田 真 敏
石 破   茂
細 田 博 之
 
加 藤 勝 信
岸   信 夫
小 島 敏 文
後藤田 正 純
 
山 本 公 一
中  谷   元
山 本 有 二
麻 生 太 郎
 
岩 屋   毅
衛 藤 征士郎
坂  本  哲  志
加 藤 ェ 治
 
園 田 博 之
小 里 泰 弘
今 村 雅 弘
 
         
   
 
 
(以上31名)
 
参議院議員
 
 
 
 
山 本 一 太
吉 田 博 美
大 野 泰 正
山 本 順 三
 
井 原   巧
松 村 祥 史
野 村 哲 郎
尾 辻 秀 久
 
進 藤 金日子
鶴 保 庸 介
 
 
 
 
 
 
(以上10名)


◎政府関係の出席者(敬称略)
 
農林水産省
農村振興局次長
荒 川   隆
 
 
農村振興局次長
室 本 隆 司
 
 
農村振興局農村政策部長
太 田 豊 彦
   
農村振興局地域振興課長
松 本 雅 夫
   
農村振興局都市農村交流課長
日 置 秀 彦
   
農村振興局鳥獣対策室長
田 中 健 一
   
農村振興局地域振興課課長補佐
三重野   信
   
農村振興局地域振興課調整係長
永 田 浩 章
 
林野庁
林野庁次長
牧 元 幸 司
 
 
森林整備部森林利用課長
今 泉 裕 治
 
 
森林利用課山村振興・緑化推進室課長補佐
高 畑 啓 一
 
 
森林利用課山村振興・緑化推進室企画係長
高 橋    誠
 
国土交通省
国土政策局地方振興課長
安 藤 恒 次
 
 
国土政策局地方振興課課長補佐
小 林 孝 至
 
総務省
自治行政局地域力創造グループ地域振興室長
飛 田   章

◎友好団体の出席者(敬称略)
 
全国過疎地域自立促進連盟専務理事
田 村 政 志
 
全国離島振興協議会専務理事
小 島 愛之助
 
全国町村議会議長会事務局主事
涌 本 崇 正
  



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