平成30年度北海道・東北六県山村振興ブロック会議が、8月6日(月)〜7日(火)の2日間にわたり全国山村振興連盟福島県支部(支部長 前後 公 猪苗代町長)の主催により、福島県西郷村「グランディ那須白川ゴルフクラブ」において、各道県の支部長、事務局、来賓等約30名が参加して開催された。

1. 開会及び主催者代表挨拶  
   安田清敏 福島県支部事務局長の開会宣言の後、主催者代表として前後公 猪苗代町長から挨拶があった。その概要は、次のとおり。
「豪雨の被災地にお見舞い申し上げる。農山村地域を次世代に引き継ぐことは私たちの責務であるが、厳しい環境下にあって公益的機能の維持が困難性になり豪雨災害の一因ともなっている。財政が厳しい中で、森林環境税・森林環境譲与税の創設は喜ばしく、農山村地域をしっかりと守りたい。また都市の若者等に農山村への関心が高まり、田園回帰や定住志向が生じている。様々な課題につき、この場で活発に意見交換していただきたい。震災復興については全国から支援を賜り着実に進んでいるが道半ばであり、県民一体として邁進するので、引き続き支援をお願いしたい。」

2. 来賓紹介
  来賓として次の者が紹介された。
    農林水産省農村振興局地域振興課課長補佐 三重野 信
    国土交通省地方振興課課長補佐 小林 孝至
    総務省地域創造グループ地域振興室課長補佐 柳澤 祐史
    林野庁森林整備部森林利用課山村振興・緑化推進室課長補佐 日下部 浩
    東北農政局農村振興部農村計画課山村振興係長 高梨 清美
    福島県農林水産部農村振興課長 大久保進一
    福島県農林水産部農村振興課副主査 星 美沙子
    全国山村振興連盟常務理事兼事務局長 實重 重実
    全国山村振興連盟事務局次長 千葉 善行
       
  前後 猪苗代町長の司会のもとで議事が進められた。
3. 来賓挨拶・山村振興施策行政説明・全国山村振興連盟活動状況報告
  来賓から挨拶、山村振興施策、全国山村振興連盟活動状況について次のような説明があった。

  (1) 農林水産省(三重野 地域振興課課長補佐)
     「山村振興対策について」の資料に基づき説明があった。山村振興法の改正に係る支援策、山村における税制優遇措置と延長に向けての考え方、山村活性化支援交付金の予算内容と活用事例、農山漁村振興交付金の予算内容、「ディスカバー農山漁村の宝」の選定等について説明があった。

  (2) 国土交通省(小林 地方振興課課長補佐)
     「国土交通省の山村振興対策」の資料に基づき説明があった。@交通施策、A集落整備施策、B社会・生活環境施策、C国土保全施策の4本柱、小さな拠点の形成、「道の駅」や高速道路の休憩施設等の活用促進、自家用車を用いた有償旅客運送の弾力化、物流ネットワーク構築の検討の支援、共同輸配送等の調査支援、自動運転サービスや小型無人機による配送の実証実験、除排雪体制の整備等について説明があった。
  (3) 総務省(柳澤 地域振興室課長補佐)
     「地域力創造グループの施策等について」の資料に基づき説明があった。
 ローカル10,000プロジェクト、ふるさと起業家支援プロジェクト、分散型エネルギーインフラプロジェクト、シェアリングエコノミー活用推進事業、チャレンジ・ふるさとワーク、地域おこし協力隊、地方への移住・交流の推進、地域運営組織の形成等について説明があった。
  (4) 林野庁(日下部 山村振興・緑化推進室課長補佐)
     「森林・林業の現状と諸課題について」の資料に基づき説明があった。最初に山村の現状と歴史、森林資源の状況と課題について述べられ、その上で、森林資源を活用した山村振興に向けて、森林環境税及び森林環境譲与税の創設、森林経営管理法(新たな森林管理システム)、森林・山村多面的機能発揮支援事業、農泊の推進、森林景観を活かした観光資源の整備事業等の予算や具体事例等について説明があった。

  (5) 東北農政局(高梨 農村計画課山村振興係長)
     「平成30年度農山漁村振興交付金、中山間地域農業の支援、表彰事業のご案内」の資料に基づき説明があった。東北管内における都市農村共生・対流対策及び地域活性化対策、農福連携、山村活性化対策の実施地区・事業内容等について説明があった。
  (6) 福島県(大久保 農村振興課長)
     「ふくしま復興のあゆみ」「福島県における山村振興の取組」等の資料に基づき説明があった。福島県の震災被災状況と被災者の生活再建・復興等について説明があり、また、振興山村地域の概要(37市町村)、振興山村地域における中山間地農業ルネッサンス推進事業など主な施策の取組状況について説明があった。

  (7) 全国山村振興連盟(實重 常務理事)
     全国山村振興連盟常務理事兼事務局長に就任したことについて挨拶するとともに、連盟の活動状況についての説明があった。

4. 山村振興の現状と諸課題についての情報交換
  次のような質問・意見等が出された。
  @ 市町村の魅力は外の人間が知っている。
  A 林業について画期的な変化の時期でありCLTの活用に期待する。
  B 人・物・金に限りがある中で、森林環境税も活用しながら、要望を実現したい。
  C 森林環境税・森林環境譲与税の有効活用のためには、市町村職員の研修が必要である。
  D 山村地域では人口減少が進むが、高校がなくなるとさらに困難性が増すので、存続させるよう努力したい。
  E 行政から多数の事業の紹介があったが、自分の市町村がどの事業を利用できるか知るのは大変である。
         
5. 次期開催地の選定
  次期開催地として、北海道が選定された。
         
6. 現地視察
  次の施設について、現地研修を実施した。
  (1) 開催地である西郷村について、次のような説明があった。
     西郷村の人口は約2万人であり、村の総面積の85%は森林が占める。新幹線新白河駅や高速道路のインターチェンジがあるという地の利により人口は横這いだが、将来的には減少を見込んでいる。標高は410〜800メートルに及び、農畜産物では畜産、米、野菜の順の販売額となっている。水田転作でデントコーンを作り、牛から堆肥を得るという地域循環経済を実践している。山村活性化事業では、地場の牛乳とルバーブからアイスクリームを作るなど、6次産業化に取り組んだ。

  (2) 次の施設等について、現地研修を実施した。
    @ 甲子温泉地区    
      甲子温泉街のほか、第3セクターである「家族旅行キョロロン村」、温泉健康センター等がある。温泉健康センターは、国有林野を借りて行っており、村からの指定管理料を含めれば、おおむね赤字を出さずに運営している。  
    A スパリゾートあぶくま内「バイオマス発電所」    
      国内初のドイツ製小型木質バイオマス熱電供給システムを平成29年3月に稼働した。県下の藤田建設工業(株)がスパリゾート内に建設して電熱の供給を行っているもので、温泉の排熱を段階的に利用することができるシステムを開発した。  
    B 農産物直売所「まるごと にしごう館」  
      本年6月9日にオープンした町営の農産物直売所であり、3か月で販売額2500万円と、目標を上回っている。今後レストランを設置したり、道の駅にすることなどを目指している。  
    C 林養魚場  
      国内でも最古参で最大規模の養殖面積を誇る内水面養魚場である。チョウザメの飼育も行っている。  
     


《前へ》《次へ》