年 頭 所 感

全国山村振興連盟 会長  玉 澤 徳一郎



新年明けましておめでとうございます。
 山村の皆様には、平成11年の初春をおだやかにお迎えのこととお慶び申し上げます。
 会員の皆様方には、今日の山村を巡る厳しい情勢の中で、将来とも我が国の安定的な発展・山村の振興を願い、たゆまぬ努力と着実な活動を展開されておりますことに対し、心から深く敬意を表する次第であります。  昨年は、長引く不況の下で山村にとっては、多難の年でありました。 
依然として進行する過疎化、少子化、高齢化に加えて基幹産業である農林業をはじめとした地場産業の不振から就労の場が縮小するなど山村住民の生活基盤は極めて逼迫した状況にあります。
 また、山村市町村自治体の財政は、起債額の増大などが加わって大変な局面に遭遇しております。
 このような状祝が続く中で、政府は、昨年夏以降金融再生法制定や緊急経済対策としての平成10年度第3次大型補正予算等によって早急に景気回復を図るべく対策を打ち出すとともに、昨年末には、厳しい財政事情の中にあっても景気回復のための積極型の平成11年度政府予算案が決定されました。
 この中で山村振興対策の中心的な予算である山村振興等農林漁業特別対策事業は、平成10年度第3次補正予算と11年度当初予算を合わせた予算額 337億円を確保したところであり、11年度からスタートする新山村振興対策の大きな弾みになることと期待しているところであります。
 一方、昨年3月策定の全国総合開発計画「21世紀の国土のグランドデザイン」、昨年末の国土審議会山村振興対策特別委員会報告による「山村振興対策の新たな展開に向けて」、昨年9月の新農業基本法制定に向けた「食料・農業・農村基本問題調査会報告」等将来を方向づける基本方針が出されました。
 この中で、山村地域にとって最大の関心事は、条件不利地域に対する所得補償制度の制定であります。上記の報告の中で、我が国として初めて中山間地域への直接支払いの制度化の方向が示されたことは、前進であり、私は、これが実現に向けて最大の努力をしてまいりたいと考えております。
 私は、今こそ山村振興のために全会員が一丸となって行動し、努力していくことが肝要であると思うのであります。
 国民が住みたいと思う山村社会、若者が魅力ある職業として農林業を選択できる山村社会を構築するとともに公益的機能を守り、都市も山村も安心して住める日本国を維持するために一層の山村振興を推進してまいりましょう。
 年頭に当たり、所懐の一端を申し述べますとともに全国の山村の御発展と会員の皆様方の一層の御健勝を心よりお祈り申し上げ私の御挨拶といたします。