別 添(連盟が林政調査会温暖化対策小委員会で配布した資料)                  

長野県栄村に関する資料

1.村の概要(全部山村)
面 積: 271.51km2 林野率: 90% 人 口: 2,655人 高齢者人口(構成比):1,099人(41.4%)
産業別就業人口(構成比%):
第1次産業:605人(39.2) 第2次産業:352人(22.8) 第3次産業: 588人(38.0)
一人当たり所得: 2,599千円 財政力指数:0.12

2.森林・林業の概況
森林面積: 22,083ha
所有形態別: 国有林 12,146ha  私有林 8,933ha
市町村有林・財産区 1,004ha
人工林面積: 3,836ha
所有形態別: 国有林 1,311ha   私有林 2,190ha
市町村有林・財産区  335ha
林齢別: 1齢級未満 109ha 2〜6齢級未満1,638ha 6〜10齢級未満4,245ha
10〜15齢級未満3,347ha 15齢級以上1,851ha
林家数: 1,050戸 所有規模別:1ha未満377戸 1〜10ha未満569戸
      10〜100ha未満103戸 100ha以上 1戸
生産林業総所得(村全体):18,000千円
過去5カ年間の造林面積:40ha(うち拡大造林38ha)
民有林の過去5カ年間の要間伐林面積: 330ha 間伐実施面積: 113ha

3.これまで取り組んできた対策

(1)

 当村の森林は、そのほとんどが戦中に伐採されたため、現在では幼齢林が殆どであり、成林といえるのは国有林のごく一部に限られている。昭和30年代より分収による森林造成に取り組み、現在では緑資源機構(1,061ha)、県林業公社(193ha)、村行造林(59ha)などを実施している。
 また、急峻な地形や豪雪地帯であることから保安林も多く、機能保全のための改良も324haに及んでいる。

(2)

 みどり豊かな村土を守り、後世にこの自然を引き継ぐため、小学生以上を対象とした「自然学校の開校」や住民有志による「森遊クラブ」の設立活動を展開している。また、山岳観光においては、第三セクターによる苗場山ヒュッテの運営やボランティアによる登山道整備などを実施。都市住民に対しては、森林への関心を高めてもらうため毎年「森の市」に参加し、村の自然はもとより、森林の持つ公益的機能をアピールしている。

4.当面する課題

(1)

 木材価格の低迷や林家の高齢化、兼業化によって森林への依存が低下傾向にあり、民有林の管理保護が懸念されている。
 特に自然災害に対する森林の機能が低下傾向にあり、降雪や風雨による倒木が増加している。
 森林に対する住民の関心をより一層喚起することが急務となっている。

(2)

 森林の持つ公益的機能をより一層国民に理解して頂くとともに、林家自らも私有財産にとどまらず、公益的財産と位置付けする中で、経営できる方策が必要と思われる。
 森林は自然のなす宝ではなく、そこに住む人のなす宝であることを周知し、その対策を講じたい。

5.対応策・要望

(1)

 森林は、単に私有財産として維持管理するのではなく、国土・環境の保全を目的とした国民の共有財産であることを認識させる施策が必要と思われる。そのためには森林の維持管理はもちろんのこと、現況調査をはじめ、利活用の研究や流通・担い手育成といった総合的な政策が必要である。
 このため、温暖化対策税制を創設し、その財源を森林整備等に充当していただきたい。

(2)

このような施策を実行する母体は、山村市町村が中心となることが最良と思われることから、これらの施策に必要となる財源は、国として確保すべきであり、新たな財政・税制措置(環境保全税・水源税)を講じていただきたい。
 また、地方交付税制度を堅持するとともに、山村市町村が国土保全、地球温暖化防止等の環境保全に重要な役割を果たしていることを考慮していただき、交付税の算定にあたっては面積要素も考慮していただきたい。

 
山口県福栄村に関する資料

1.村の概要(全部山村)
面 積:98.30km2 林野率:78% 人 口:2,636人 高齢者人口(構成比):1,034人(39.2%)
産業別就業人口(構成比%):
第1次産業: 630人 (41.0) 第2次産業:311人(20.2) 第3次産業: 595人(38.8)
一人当たり所得: 2,722千円 財政力指数: 0.14

2.森林・林業の概況
森林面積: 7,778ha
所有形態別: 国有林 223ha  県有林 1ha 
市町村有林・財産区 1,528ha  私有林 6,026ha
人工林面積:4,228ha
所有形態別: 国有林 161ha  県有林 1ha
市町村有林・財産区 790ha  私有林 3,276h
林家数 : 509戸 所有規模別: 1〜10ha未満 423 戸  10〜100ha未満 86 戸
生産林業総所得(村全体):11,000千円
過去5カ年間の造林面積:50ha(うち拡大造林40ha)
民有林の過去5カ年間の要間伐林面積: 550ha 間伐実施面積: 116ha

3.これまで取り組んできた対策

(1)

 本村は、自然条件上、スギ、ヒノキの木材生育に適し、県下3林業圏の一つである阿武川林業圏内にある。
 このため、流域森林整備事業等の積極的な推進により森林の面的整備を図ってきている。
 一般優良材生産については、村で定めた一般優良材生産技術指針、良質柱材生産については、阿武川林業圏良質材生産育林技術指針に基づき施業を実施している。また、アカマツ天然林の大径材生産を目標に天然林改良を図るとともに、松茸生産林分については、環境整備を図る一方、松くい虫による被害の早期防除により健全な森林の維持に努めている。

(2)

 自然環境の特性を活かし、21世紀を村民一人ひとりが快適で、日々の生活に安らぎを覚えるような、「心豊かで、うるおいと活力ある、人にとっておきの村」福栄の創造を目指し、山林の公益的機能、林業の実態等について認識を深めてもらうため、緑の少年隊の林業体験活動や中学生を対象とした植林活動を展開するとともに、下流域の住民に対し、漁協女性部を対象とした林業体験交流活動等を開催している。
 また、「豊かな森づくり県民のつどい」を本村で開催し、県内各地より集まった1,200人の参加者全員による植樹活動を行っており、これを契機に当該地を都市農村交流促進の拠点として位置付け、森林への関心を高めてもらうための森林公園の整備等を進めている。

4.当面する課題

(1)

 本村には、広域の森林組合本所や木材市場があり、林業の拠点となっているが、外材依存による木材価格の低迷に加えて、投資回収が長期にわたること、山林所有規模が小規模であること、建築工法の変化により木材需要が低迷していることなどから、林業の生産意欲は低く、後継者は不足し、山林の管理が不十分な林分が見受けられるため、木材の利用促進が必要となっている。

(2)

 山林の公益的機能の保全面や多くの要間伐人工林があることから、間伐等の保育施業とともに、40〜50年生以上の伐期にある樹林地も多く木材の利用促進が必要な時期となっている。
 木材には健康、あたたかみなどの感触、リサイクルの容易さなど多くの利点があるが、安定供給体制に多くの課題を抱えているため、この対策を講じたい。

5.対応策・要望

(1)

 近年の林業不況に伴い、森林への投下資本が減少し、所有者の離村、高齢化等から育林管理の粗放化を招き、林業生産の低迷や自然環境・国土保全上の問題に対処するため、森林所有者や不在森林所有者の意向把握を的確に行い、森林組合が主体となった森林施業の受託推進や、意欲のある林業家の育成による、間伐施業の団地・共同化を推進する必要がある。
 また、林業の振興のためには、一般材生産あるいは優良材生産を目標に間伐、除伐、枝打等の保育を重点的かつ集団的に推進するとともに、保育に必要な林道や作業道等の高密度路網整備の促進と優良材の産地化と生産技術の向上を図る施策を実施する必要がある。
 このためには、温暖化対策税制を創設し、その財源を森林整備等に充当していただきたい。

(2)

 山村市町村は、林業経営を取り巻く厳しい環境の中にあって、生産コストの低減、流通体制の整備を図るとともに、広域森林組合の利点を活かし、産地形成化と市場流通の優位性の確保に努める等、林業行政の総合的かつ計画的な推進の施策を推進するとともに、森林の持つ、国土・環境保全機能を健全に維持しなければならない。
 これらの施策に必要となる財源を確保するため、新たな財政・税制措置(環境保全税・水源税)を講じるとともに、地方交付税制度の堅持と交付税算定にあたり面積要素も考慮していただきたい。

山村地域の課題について

全国山村振興連盟副会長 
長野県栄村長 橋 彦芳 
山口県福栄村長 末永  
(森林・林業)

1.

わが国の地球温暖化防止対策において森林が二酸化炭素吸収源として大きな役割を担うことを踏まえ、森林・林業基本計画に定められた森林の整備、森林の保全、木材利用の推進等の目標が確実に達成されるよう、政策を拡充・強化。

2.

地球温暖化防止を図る観点から、温暖化対策税制を創設するとともに、その制度化に当っては、二酸化炭素吸収源である森林・それを支える山村地域の整備・活性化を促進する対策に税収の一部充当。

3.

森林所有者等による計画的かつ一体的な森林施業の実施に不可欠な森林の現況調査等の地域活動を支援するための「森林整備地域活動支援交付金制度」の継続的な実施。

4.

林業の振興を図るため、貿易対策を含め木材の生産・加工・流通・消費に至る一貫した対策の一の充実・強化。

5.

緑の雇用担い子育成対策や就農支援資金等山村地域における産業の担い手の育成・確保対策の充実・強化。

6.

野生鳥獣害対策に万全を期すため、野生鳥獣の農林業被害の防止対策、防止技術等の確立及び保護管理の適正化。

7.

山村地域のバイオマス、風水力、雪等の諸資源の利活用を促進するための対策の充実・強化。

8.

山村地域の立地条件を生かした新規農作物の導入、農林産物の加工・販売に対する支援措置の充実・強化。

9.

山村における雇用の場を創出するための対策の充実・強化。

(全 般)

10.

山村振興の理念と施策を定めた山村振興法の期限の延長と内容の充実(平成17年3月末期限到来)

11.

国土・環境の保全、水源のかん養等の役割を全う出来るよう、山村市町村に対する新たな財政措置及びその財源としての新たな税制措置(環境保全税(仮称)・水源税(仮称))の創設。

12.

財源保障機能及び財源調整機能を果たす地方交付税制度を堅持するとともに、山村自治体の自主的・自立的運営に必要な所要額の確保。

13.

基準財政需要額の算定に当っては、山村自治体が国土保全、地球温暖化防止等に重要な役割を果たしていることを考慮し、面積要素を重視。

14.

税源移譲等の効果は税源の有無により差が生じることから、補助金改革に当たっては、人口が少なく課税客体の乏しい山村自治体向けの補助金への十分な配慮。

15.

財政力、財政基盤の弱い山村自治体の実施する公益的な事業、効果が広域に及ぶ事業については、国の責任において所要の財源を確保すべきであり、こうした事業については、補助金削減よりもむしろ地方裁量の拡大の観点から山村地域の自主性を重視した仕組みへの改善により改革。

16.

山村の果たしている多面的・公益的な役割について児童生徒を含め国民一般の理解を深めるための教育・啓蒙・普及対策の充実。

17.

幅広い国民の山村におけるボランティア活動を促進するための対策の充実・強化。

18.

学校教育・社会教育において自然豊かな山村での体験活動を推進するための対策の充実・強化。



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