平成19年度北海道・東北六県山村振興ブロック会議が、去る7月12日(木)〜13日(金)の二日間にわたり岩手県支部(支部長 岩部 茂 九戸村長)の主催により岩手県花巻市において各道県の支部長、事務局長等26名が参加して開催された。
 会議は、地元岩手県支部事務局佐藤 修次長の司会により進められ、まず岩部 茂岩手県支部長の主催者挨拶があり、ついで、来賓として出席した農林水産省農村振興局農村政策課石田良行課長補佐、総務省自治行政局地域振興課 塩崎恭央総務事務官、東北農政局農村振興課 菅原 浩係長からそれぞれ挨拶があり、その他の来賓として、農村振興局地域整備課松下 洋係長、林野庁計画課 高木 敏森林計画官、岩手県農林水産部農業振興課総括課徳山順一課長、岩手県農業振興課 丹内利彦主任の紹介があった。また、全国山村振興連盟からの出席者として東 諄常務理事及び川島洋子参事が紹介された。
 次に、中央情勢及び全国山村振興連盟活動状況等として連盟東常務理事から「連盟役員の新体制、要請活動状況、20万haに及ぶ森林の間伐整備のための補正予算、鳥獣議連で検討されている鳥獣害対策、地球緑化センターが実施している緑のふるさと協力隊等」について説明がなされた。
 次に、岩手県農業振興総括課 徳山課長から「岩手県における山村振興(特に農業・農村振興)の取り組みについて」、岩手県振興課 丹内主任から「農業の取り組み事例について」それぞれが説明があった。
 続いて、協議事項に入り、岩部九戸村長が議長となり、北海道・東北六県からの提出事項について岩手県支部総務課の立花 徹補佐から一括して説明があった後、脇本哲也 北海道支部長、横浜 力 青森県支部長、渡辺政巳 宮城県支部長、佐々木哲男 秋田県支部長、馬場恒郎 福島県支部事務局長、向井田敏弘 岩手県支部事務局長からそれぞれ補足説明がなされた。提出された各事項及び懸案事項について、石田課長補佐、塩崎事務官、高木森林計画官、松下係長からそれぞれの所管に関わるものについて見解が述べられ、意見交換が行われた。
 ついで、次回開催地について協議され、宮城県に決定した。
 翌13日は、紫波町内の野村胡堂・あらびす記念館、紫波フルーツパーク及び道の駅紫波を視察した。同フルーツパークのワイナリーは、元気な地域づくり交付金事業を活用したもので、ブドウ産地として知られる紫波町がワイン専用種のブドウ作りからはじめた町内産のみにこだわったワインでブランド化を図っている。

なお、各道県から提出された事項は、次のとおりである。

1 山村振興対策関連事業について

(1)

山村振興対策を総合的かつ計画的に推進すること。(岩手県)

(2)

農山漁村活性化プロジェクト支援交付金の推進と所要額の確保を図ること。(岩手県)

(3)

食料・農業・農村基本計画に基づく施策の着実な推進を図ること。(岩手県)

(4)

日豪EPA交渉に当たっては、米、小麦、牛肉、乳製品、砂糖など我が国農業の重要品目について、関税撤廃の対象から除外するなど適切に対応すること。 (岩手県)

(5)

グリーン・ツーリズムの普及・定着化を図り、都市と農山漁村の共生・対流を一層推進すること。(岩手県)

(6)

市町村道、農林道等の生活・産業道路網の整備、交通機能の維持確保に努めるととともに、地域医療、福祉施設、教育施設、上下水道、汚水・廃棄物処理施設等の整備充実を図るため、適切な措置を講じること。特にIT(情報通信技術)の進展に対応し、山村地域における光ファイバー網整備等の情報通信基盤の整備を促進すること。 (北海道、宮城県、福島県)

(7)

森林の適正な管理と林業・木材産業の振興を図るため、地域財の一般住宅への利用促進及び公共施設等の木材化推進のため支援制度を拡充するとともに、木材資源の循環利用を図るため、バイオマスエネルギーの利活用を推進するための多面的な施策を展開すること。(青森県)

(8)

広域的な幹線道路網の整備等により就業機会を確保すること。また、地域資源を活用した地場産業の育成、木質バイオマス等の未利用資源の活用、企業の誘致等により、山村地域における産業の総合的振興を図ること。(宮城県)

(9)

若者に魅力ある就業の場を確保するとともに、中高年齢層の雇用を促進するため、適切な措置を講じること。また、山村地域における農林水産業の後継者対策を強力に推進すること。(宮城県)

(10)

野生鳥獣の農林業被害の防止対策、保護管理事業の充実強化を図ること。(青森県)

(11)

廃棄物処理施設の解体を促進するための支援施策の充実を図ること。(北海道)

(12)

第10次へき地保健医療計画の推進に当たっては、国としてもその責務において、総合的なへき地保健医療対策を講じること。(福島県)

2 地方財政基盤の強化について

(1)

山村自治体の多くは、課税客体が乏しく税収と歳出との間に大きな乖離が生じていることから、税源移譲に伴い財政力格差の拡大が懸念される財政力の弱い山村自治体に対しては、地方財政全体としても、個別自治体においても、地方交付税を確実に措置すること。(北海道、福島県)

(2)

山村地域が人口割合に比べ広い面積を有し、国土保全、地球温暖化防止、食料生産等に重要な役割を果たしていることを考慮し、面積、森林などの要素の一層の反映、社会情勢の急激な変化に対する激変緩和措置など、地域特性を的確に反映した地方交付税の算定方法を確立すること。(北海道)

(3)

新型交付税の算定にあたっては、山村自治体の財政上運営に支障が生じないよう、地域の実態を十分反映すること。なお、大幅な減額となる自治体については、変動額を最小限にとどめること。(北海道、福島県)

(4)

地方債の繰上償還については、一定の条件のもと補償金なしの繰上償還が可能となったが、財政の健全性を更に確保するため、その対象範囲を拡大するとともに、要件の緩和を図ること。(北海道)

(5)

森林吸収源対策を着実に進めるため、「全国森林環境税(仮称)」など新たな税制の創設等の措置を講じるとともに、企業等からの外部資金の導入など多様な手法による森林の整備・保全を推進すること。(北海道、青森県、山形県)

(6)

森林整備・保全のための財源は国の責任で確保し、適切に配分すること。(秋田県)

(7)

山村地域に対して公共投資の重点配分を行うとともに、「森林・林業対策」及び「国土保全対策」の充実等適切な措置を講じること。(宮城県)

(8)

現行の過疎地域自立促進特別措置法が平成22年3月で失効するが、過疎地域の現状では引き続き支援が必要であるので、法による新たな支援措置を講じること。(秋田県)

(9)

後期高齢者医療制度など国の制度改正や新規施策の創設に伴い、コンピューターの既存システムの変更、開発を余儀なくされ、多額の費用を負担しなければならないことから、国においては現状を十分認識するとともに、改修費用等に対する適切な財源措置を講じること。(北海道)

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