去る8月23日、自由民主党の農林漁業有害鳥獣対策検討チーム(座長:宮路和明衆議院議員)は、山村振興委員会・農林漁業有害鳥獣対策議員連盟の合同会議に「農林漁業有害鳥獣対策検討チームとりまとめ−農林漁業有害鳥獣対策の抜本強化に関する緊急提言−」を報告し、翌24日、農林部会に同提言を報告した。

 その概要は次のとおりである。

−農林漁業有害鳥獣対策の抜本強化に関する緊急提言−

平成19年8月23日

自由民主党 農林漁業有害鳥獣対策検討チーム

 本検討チームは、農山漁村における有害鳥獣による農林漁業被害が深刻化の一途を辿り、また、人身被害の発生等により農山漁村の暮らしが脅かされている中、制度改正を含め、対策の抜本強化に向けた検討を進めるため、山村振興委員会及び農林漁業有害鳥獣対策議員連盟の合同会議によって本年3月に設置された。
 設置以来3ヶ月弱の間に、延べ11回にわたる議論及び5回の現地調査を行い、この度、その結果を取りまとめたところである。
 我々は、農山漁村地域における一刻も早い被害の解消を図るため、野生鳥獣との共存にも配慮しながら、下記に掲げる措置を緊急対策として実現することとし、このため、現行制度の運用の改善はもとより、新たな制度を構築する特別措置法の制定を目指すこととする。また、関係省庁においては、別表の具体的取組を着実に推進するよう求める。

1.生息数等の把握
 有害鳥獣対策を実施するに当たって、国は、都道府県、市町村と一体となって、対策の前提となる有害鳥獣の生息数及び農林漁業被害の的確な把握に早急に取り組むこと。
2.有害鳥獣被害防止計画の策定
 有害鳥獣の生息数並びに農林水産業被害及び農山漁村における生活被害の実態に対応し、有害鳥獣の被害から農林水産業及び農山漁村の暮らしを守るため、市町村が主体的に有害鳥獣被害防止計画を策定し、対策に取り組むことができる仕組みを構築するとともに、同計画の遂行のため、国、都道府県その他関係機関が全面的に協力する体制を整備すること。この場合、特に農林水産大臣が責任を持って、同計画の策定及び実行を指導できるよう位置づけること。また、以下に掲げる事項を推進すること。

(1)

地域の体制強化
 市町村や農林漁業団体その他公的機関等について、有害鳥獣対策の新たな担い手としての役割を明確にし、その育成・確保等を図りつつ、地域が一体となって有害鳥獣対策に取り組む体制を強化すること。

(2)

広域的・計画的な被害防止対策
 被害地域の拡大を防止するため、人と野生鳥獣の棲み分けに配慮し、侵入防止柵の設置、犬を活用した追払い活動への支援、野生鳥獣の生息環境に配慮した広葉樹林育成、耕作放棄地の解消、緩衝帯の整備等の対策を、広域的・計画的に推進すること。
3.捕獲に関する条件整備
 捕獲に関する条件整備を図るため、次に掲げる事項を実施すること。

(1)

個体数管理の強化
 有害鳥獣捕獲許可権限の市町村への委譲促進等、有害鳥獣の捕獲に関する規制緩和を推進すること。また、市町村へ委譲した捕獲許可権限に係る捕獲数の都道府県への報告を徹底すること。また、漁業被害の防止強化のため、トドの個体数調査を徹底すること。

(2)

捕獲体制の強化

@

安全で効果的な箱わなの開発・普及の計画的推進とそのための財政支援措置の拡充

A

猟友会の協力態勢のの強化

B

自衛隊の応援体制の確保

(3)

猟友会をはじめとした捕獲の担い手の育成
 狩猟人口の減少等に対応し、捕獲の担い手の育成を図ることとし、

@

狩猟免許の有効期間及び猟銃所持許可有効期間の延長

A

ライフル銃の所持要件の緩和

B

狩猟税、狩猟免許手数料等の軽減及び同税の使途の適正化
4.捕獲有害鳥獣の処分・活用
 捕獲した有害鳥獣について、広域的な施設による焼却など適切な処分及び地域資源としての活用を推進すること。
5.技術の開発・普及
 有害鳥獣対策に関する技術の開発・普及を図るため、次に掲げる事項を推進すること。

(1)

野生鳥獣の生息数の推計調査方法の開発

(2)

捕獲技術・防除技術の高度化

(3)

技術指導者の育成・確保
6.特区制度の活用による有害鳥獣対策の体制整備
 以上の措置に関連して、地方、現場より特区制度についての要請があった場合は、これに積極的に対応すること。
7.対策予算の充実・強化

 有害鳥獣対策に関する現場負担の軽減を図るため、被害防止に関する対策の強化等、鳥獣被害対策に関する予算を充実・強化するとともに、有害鳥獣対策に係る特別交付税 措置の充実を図ること。

別表「農林漁業有害鳥獣対策において推進すべき具体的取組」 略

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