政府は平成20年6月27日の閣議において、経済財政諮問会議における検討結果を踏まえて、「経済財政改革の基本方針2008」を決定した。
 このうち、山村振興に関連する箇所は、次のとおりとなっている。

経済財政改革の基本方針2008(抜粋)
〜開かれた国、全員参加の成長、環境との共生〜

 (目次)
第1章 日本経済の課題と改革の視点
第2章 成長力の強化
1.経済成長戦略
・・・T 全員参加経済戦略
・・・U グローバル戦略
・・・V 革新的技術創造戦略
2.地域活性化
 (1) 地方再生
 (2) 農林水産業
 (3) 中小企業
第3章 低炭素社会の構築
1.低炭素社会構築のための行動計画
2.持続可能なライフスタイル
第4章 国民本位の行財政改革
1.国民本位の行財政への転換
 (1) 地方分権改革
 (2) 生活者重視の行政システム(消費者行政、規制改革)
 (3) 政府機能見直しプログラム〜ムダ・ゼロの実現〜
2.道路特定財源の一般財源化
3.歳出・歳入一体改革の推進
4.税体系の抜本的な改革に向けて(税制改革の重点事項)
第5章 安心できる社会保障制度、質の高い国民生活の構築
1.国民生活を支える社会保障制度の在り方等
 2.未来を切り拓く教育
3.良好な治安と災害に強い社会の実現等
4.資源・エネルギーの安定供給
5.食料の安定供給と食の安全の確保
第6章 平成21年度予算の基本的考え方
 1.今後の経済動向と当面の経済財政運営の考え方
2.平成21年度予算の方向

(別紙)成長戦略実行プログラム
(別紙)2010年に向けたEPA工程表

第1章 日本経済の課題と改革の視点
・・・・〜平成の開国、生活者・消費者重視の政策、未来への責任〜

(日本経済の課題)
 今、世界経済は極めて速いスピードで変化しつつある。日本経済は、バブル崩壊後の長い低迷から脱して新たなステージに入っているが、世界経済の変化に即応して成長する仕組みはいまだ出来上がっていない。また、都市と地方の格差拡大や非正規雇用の増大などの問題も生じている。さらに、原油価格や食料価格の高騰により、国民の生活への不安が広がっている。
 現在の課題は、第一に、包括的な成長戦略によって、世界の中で生き生きと活躍する日本経済の姿をつくることである。国内においては、既に人ロ減少が現実のものになっている。人ロ減少を克服して成長を続けるという大きな挑戦が始まったのである。
 第二は、地球環境と両立する経済の姿をつくることである。これは、経済の「質」を転換させることでもある。環境・エネルギー技術を発揮し、世界に先駆けて低炭素型の経済や生活を実現する、すなわち「環境力」を獲得することは、国際競争力を強化し、新しい需要・雇用・所得を生み出すものである。そして、これは、資源不足と戦ってきた我が国だからこそ成し遂げられることである。
 第三は、生活の根底を支えるセーフティネット(安全網)を全面的に点検し直し、透き間のない社会保障制度をつくることである。我が国は、人生90年という長寿を実現させた。少子高齢化が進む中で、少子化を克服する努力はもとより、こうした長寿を社会全体で尊び、現在の高齢者だけでなく将来の高齢者についても、安心して一生を託せる社会保障制度となるよう、国民全体で議論を行う必要がある。
 第四の課題は、政策全般にわたって、政策の受け手の立場に立って取り組むこと、すなわち、生活者・消費者が主役の政府をつくることである。消費者の立場が尊重される経済社会を構築することが、上記3つの課題を克服するためにも不可欠の要件である。
(世界に開かれた経済システムの構築)
 1990年代以降、世界経済のグローバル化が急速に進展し、商品、サービスはもちろん、資金、人材、情報が、国境を越えて大きく移動するようになった。このような構造変化への対応は、各国経済にとって大きな挑戦であった。しかし、先進国のみならず体制移行国や発展途上国も含め、各国は経済構造を変革し、世界経済のダイナミズムを積極的に取り込むことにより、新しい経済成長軌道への転換を果たしている。
日本経済も、これまでグローバル化を進め、そのメリットをいかして成長を遂げてきた。世界への輸出を拡大するとともに、直接投資を通じて海外で生産・営業拠点を築き、海外駐在員・留学生も多数派遣してきた。しかし、これだけではグローバル化のメリットの半分しか享受したことにならない。
これからは、「海外に出る国際化」だけでなく、「迎え入れる国際化」によるメリットを享受しなければならない。海外から新しい発想や最先端の技術、高度な人材を受け入れ、活力を海外から吸収することは、高齢化・人ロ減少が進む日本にとって大きなプラスである。成長するアジア、成長する世界のエネルギーを受け入れ、ともに成長する経済の仕組みをつくることで、国内の企業や人材、資金も活性化し、能力を最大限に発揮することになる。
 そのためには、日本経済がこれまで培ってきた「強み」を、グローバル経済の中でいかしていくことが大切である。教育水準の高さやチームプレーを得意とする人材力、家計金融資産を背景にした資金力、製造業や環境・エネルギーの技術力は、グローバル化によって日本経済が大きく飛躍するための跳躍台となろう。さらに、資源や食料価格の高騰はリスクでもあるが、その一方で攻めの対応によって価格競争力の復活の好機にもなる。
 また、日本経済は、世界に先んじて高齢化・人ロ減少を経験しつつある。これは、社会、経済、財政に広範な影響を及ぼす大きな構造変化である。この構造変化と向き合い、人ロ減少下でも新たな需要創出により成長を持続し、高い生活の質を実現する経済社会のモデルをつくることができれば、世界への大きな貢献である。そのためにも、グローバル経済とともに生き、新しい経済成長のメカニズムを起動させなければならない。
(政策の受け手の立場に立った制度改革)
 経済成長を持続する中で、国民が豊かさを実感し、安心して生活できるためには、国民生活にかかわる様々な制度を生活者・消費者の視点で総点検することが重要である。人は、労働者や消費者や納税者などいくつかの側面を持つが、それぞれの視点で見ると、取り組むべき課題が鮮明になってくる。
第一に、働き手であり、稼ぎ手の立場からは、意欲あるすべての人に、働く場と職業能力を開発する機会が与えられること、また、公正に能力が評価され、所得が分配されることが重要である。
第二に、生活者全体の立場としては、安心して子どもを産み育て、将来の生活を希望を持って展望できることが重要である。そのためには、いざというときにしっかりと支えるセーフティネットと、老後も安心できる社会保障制度が用意されていることが重要である。また、生活の場として活力と信頼感のある地域社会がつくられなくてはならない。
 第三に、消費者の立場からは、ニーズに合致した新たな商品やサービスが提供され、質についての信頼や安心が保障されていること、選択のための情報が十分に提供されていることが重要である。そのためには、規制や仕組みが改革されることも必要である。
 第四に、納税者の立場からは、税金が無駄なく効率的に、必要な分野に絞って利用されることが重要である。そのためには、民間にゆだねるべき分野は民間にゆだねられなくてはならない。また、公正に、効率的に徴税がなされ、税金の使われ方も透明であることが重要である。
 このように、それぞれの立場で異なる政策へのニーズがあり、取り組むべき課題も異なってくる。それぞれにどのように優先順位を置いて取り組むかはまさに政策の選択の問題だが、いずれにしても、今、様々な困難に直面している人の状況をしっかりと受け止め、適切に対応するためには、徹底して政策の受け手の立場に立って政策を立案・実行することが何より重要である。
(未来への責任)
 以上のような改革の取組を考えるとき、重要な点は、日本経済だけ、現在の世代だけを切り離して、孤立的に考えてはならないということである。現在の日本経済がグローバル経済の中にあり、それと密接不可分の関係にあるのと同様に、現在の世代が行う政策選択の内容は、未来の世代の置かれる環境に大きく影響を及ぼす。
 特に、社会保障や財政の分野では、このことが重要である。現在から収支の改善に取り組めば、その分だけ未来世代の負担が軽減されるが、その努力を回避すれば、我々は未来世代に過度に依存することになる。少子高齢化が進む我が国では特に、未来世代に責任を果たせる政策の選択が重要である。
 同様のことは、地球温暖化問題についても言える。今何もしなければ、地球温暖化の影響は時間とともに着実に蓄積され、未来の世代に劣悪な地球環境を残すことになる。親の世代が我々のことを心配したように、我々は子や孫の世代のことを心配する責任がある。
 以上を踏まえ、「基本方針2008」は、日本経済の成長力を強化するとともに、豊かで安心できる国民生活を実現するための、経済財政改革の道筋を示すことを役割とする。

第2章 成長力の強化
2.地域活性化
(1) 地方再生
 地方の元気は日本の活力の源である。「地方再生戦略」等に基づき、地方分権改革の推進とあいまって地方の創意工夫をいかした自主的な取組を、政府一体となって強力に後押しするとともにPDCAを着実に実施する。

【改革のポイント】

1.

「地方再生戦略」に基づき、地方が主体となって取り組む事業の立ち上がり段階を「地方の元気再生事業」等により国が全面的に応援する。地域経済の建て直し、地域の雇用の確保の観点から、地域力再生機構を創設する。

2.

中心市と周辺市町村が協定により役割分担する「定住自立圏構想」の実現に向けて、地方都市と周辺地域を含む圏域ごとに生活に必要な機能を確保し人ロの流出を食い止める方策を、各府省連携して講ずる。

【具体的手段】

(1)

地域活性化の支援

「地方再生戦略」に基づき、地方都市、農山漁村及び過疎・離島など基礎的条件の厳しい集落における地方の課題に応じた地方再生の取組を実施する。平成20年度においては「地方の元気再生事業」の対象を7月に選定し、人材育成。

社会実験の実施等を中心に支援する。平成21年度に向けては、定住自立圏構想や広域地方計画などの地域間連携の仕組みの下で、地域成長力強化、地域生 活基盤確保及び低炭素社会づくりを重点に地域活性化の戦略を展開する。

地方団体の安定的な財政運営に必要となる地方税、地方交付税等の一般財源の総額を確保するとともに、地域間の財政力格差に対応するため、地方再生対策の考え方に従った交付税配分の重点化を引き続き進め、地方交付税を財政の厳しい地域に重点的に配分する。

地域経済の建て直し、地域の雇用の確保の観点から、中規模企業や第三セクターの事業再生と面的再生に向けた取組を、第三セクター改革等と連携しながら、地域金融機関や地方公共団体等の理解・協力を得つつ行う地域力再生機構を創設する。

「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」の施行を踏まえ、第三セクターの改革に関するガイドライン等に基づき、経営が著しく悪化したことが明らかになった第三セクター等の経営改革を進める。

(2)

都市機能の集約とネットワーク化
 定住自立圏構想をプラットフォームとして、今年度から地方公共団体と意見交換しながら具体的な圏域形成を進めるとともに、各府省連携して支援措置等を講ずる。まちの再設計を図るため、市街地の中心部に公共施設や居住施設を集中する取組を支援する。また、「地域公共交通活性化法」に基づき、住民の足の確保に対し支援する。

(3)

観光の振興及び地域の資源をいかした活性化

「観光圏整備法」等に基づく滞在型観光の促進や、G8北海道洞爺湖サミットを契機とする各地域への国際会議の誘致等により、国内観光旅行消費額を平成22年度までに30兆円にすること等を目指す。

「歴史まちづくり法」、「頑張る地方応援プログラム」等に基づく取組及び民間の担い手によるまちづくり活動への支援を行う。

地域の強みをいかした企業立地を促進する。

(4)

農山漁村の活性化

「子ども農山漁村交流プロジェクト」を実施し、都市と農山漁村の共生・対流を通じた農山漁村の活性化を図る。

「緑の雇用」により担い手を育成する等活力ある山村づくりを推進する。

(5)

科学技術による地域活性化
「科学技術による地域活性化戦略」等を踏まえ、産学官連携による多様な地域科学技術拠点群及びグローバル科学技術拠点の形成支援等を行う。

(6)

農商工連携等の推進

5年間で500の新事業の創出を目標に、農林漁業者と中小商工業者等との連携(農商工連携)強化に必要な総合的支援を講じ、相乗効果を発揮させる。

地域商業は地域経済の活性化に重要な役割を果たすものであることを踏まえ、地域商業活性化を「地方再生戦略」に位置付け、商業者の意識改革や自立化を促す地域商業モデルの創出・普及等を行う。

(2)農林水産業
 耕作放棄地の長期拡大、従事者の急速な高齢化、生産額の大幅減少といった危機を克服し、国際的な食料事情をめぐる潮目の変化を「強い農業構造」に転換するチャンスとして、高い付加価値を生み出す農林水産業、食料自給率の向上を始めとする食料供給力の強化を目指す。

【改革のポイント】

1.

「21世紀新農政2008」を着実に実施する。

2.

「強い農業構造」への転換に向け、農地の確保と徹底した有効利用、農地の集積、法人経営や新規参入の促進、多様な生産者の創意工夫の発揮、規模拡大等により農業経営を発展させるとともに、農林水産物の輸出を促進する。

3.

国産材の需要拡大をいかした林業・木材産業の再生、燃油高騰等に対応できる力強い水産業への構造転換を推進する。

【具体的手段】

(1)

平成の農地改革に向けた農業改革プランの取りまとめ
農林水産省は、下記の点について検討を進め、経済財政諮問会議の議論を経て、平成20年内に農業改革プランの成案を得て、制度改革を行う。

@

平成の農地改革:農地を確保しつつ、「所有」と「利用」を分離し、効率的な農地利用を徹底し、農地の集積を進める。平成23年度を目途に農業上重要な地域を中心に耕作放棄地を解消する。

A

企業型農業経営の拡大:農業経営の法人化を進めるなど、企業的感覚を有する農業経営を拡大する。農地リース事業の在り方(市町村による地域指定など)を含め農地の利用に関する規制を見直し、地域に応じた多様な新規参入を促進する。

(2)

林業・木材産業、水産業の体質強化
国産材の安定供給体制の確立に向け、林業生産システムを大胆に効率化し、加工・流通体制を改善する。未利用木質資源を含む国内森林資源の徹底した利用(間伐材チップの利用など)を促進する。また、省エネ型漁業操業形態への転換等による燃油高騰への対応、漁業共済機能の活用等による効率的かつ安定的な経営体の育成・確保を進める。

(3)中小企業
 成長力強化及び地域活性化のカギは、中小企業の成長にある。異業種間や大企業・中小企業間の連携による相乗効果の発揮等により、中小企業のダイナミズムを発揮させる。

【改革のポイント】
 ワンストップ支援拠点として全国316か所に整備する「地域力連携拠点」を中核として、中小企業の強みをいかした新事業展開を支援する。

【具体的手段】

全国316か所の「地域力連携拠点」等を通じ、ITや企業OBの活用による経営支援、国内外の市場開拓など、中小企業の新事業展開支援を行う。

第3章 低炭素社会の構築
 京都議定書約束期間が始まり、地球温暖化問題への対処が人類共通の重要課題となる中、環境・エネルギー分野の進んだ技術等、日本の「環境力」を発揮し、積極的な外交を通じて、地球環境と共生する低炭素社会づくりを国内外で加速する。

1.低炭素社会構築のための行動計画

【改革のポイント】

1.

低炭素社会に向け、我が国の行動計画を平成20年7月中に策定する。

2.

京都議定書削減目標の確実な達成のため、取組を加速する。

3.

ポスト京都議定書の枠組み構築に向け、イニシアティブを発揮する。

【具体的手段】

(1)

低炭素社会の構築に向けた行動計画の策定
 京都議定書目標の確実な達成はもとより、「2050年半減」という世界の目標の実現に向け、我が国の長期目標として2050年までに60〜80%の削減を掲げ、世界に先駆けて低炭素社会へ転換する。このため、「『低炭素社会・日本』をめざして」に示された革新的な技術開発や、排出削減に対する経済的インセンティブを付与すること等について、我が国として共有すべき姿と、そこに至る道程を、平成20年7月中に行動計画として示す。

(2)

京都議定書目標の確実な達成

京都議定書約束期間(2008〜2012年)の毎年度、強化・追加が必要な施策の検討を行いつつ、「京都議定書目標達成計画」に基づく取組を加速する。

新たな規制・施策や予算措置については、環境への負荷についても検討を加える等、低炭素社会に向けて政策横断的に取り組む。

「美しい森林づくり推進国民運動」の展開等を通じた森林の整備・保全、木材利用等の森林吸収源対策を加速化する。

(3)

ポスト京都議定書の枠組みづくりにおけるイニシアティブの発揮

途上国の森林減少・劣化を防ぐ違法伐採対策等に国際的に貢献する。

2.持続可能なライフスタイル

【改革のポイント】
 国民の抜本的な意識改革を図るとともに、地域の力をいかし、国全体・社会全体で総力を挙げて温室効果ガスを削減するよう、「環境モデル都市」、「200年住宅」など、生活や社会の在り方の変革を促す対策を強化する。

【具体的手段】

食料と競合しない稲わら、間伐材等の未利用資源などバイオマスの利用・供給等を進める。

第4章 国民本位の行財政改革
 国民本位の行財政改革のため、地方分権、生活者重視の行政、ムダ・ゼロを実現するとともに、それを支える財政を構築する。このため、以下の改革に取り組むとともに、「基本方針2006」、「基本方針2007」に沿って資産債務改革等を実行する。

1.国民本位の行財政への転換

(1)地方分権改革
【改革のポイント】

1.

平成21年度中できるだけ速やかに「新分権一括法案」を国会に提出する。

2.

国の出先機関を大胆に合理化する。

3.

道州制の本格的な導入に向けた「道州制ビジョン」を策定する。

【具体的手段】

(1)

地方分権改革の推進
 「地方分権改革推進委員会」(以下、「同委員会」という。)の「第1次勧告」を受けた「地方分権改革推進要綱(第1次)」に基づき取り組む。同委員会は、平成20年内に地方自治体に対する国の法令による義務付け・枠付けの見直しの検討を進めるとともに、国・地方の財政状況を踏まえつつ、国庫補助負担金、地方交付税、税源移譲を含めた税源配分の見直しの一体的な改革に向け地方債を含めた検討を行い、順次勧告する。
 これら勧告を踏まえ、「地方分権改革推進計画」を策定し、「新分権一括法案」を平成21年度中できるだけ速やかに国会に提出する。

(2)

国の出先機関の見直し
 同委員会は、経済財政諮問会議の提言を踏まえた「第1次勧告」で示した次のような仕分けの考え方及び見直しの進め方に沿って、仕事及びこれに伴う人員の移譲を含む国の出先機関の抜本的な改革について勧告を行う。政府として、これを実現するための計画を平成20年度内に策定する。

@

事務・権限が法令上一の主体に専属させられておらず、国と地方自治体がそれぞれ処理することが許容されているものは、地方への一元化が基本

A

法令上、事業規模の大きさや事務・権限の対象範囲等によって国と地方自治体がすでに一定の役割分担をしているものは、事務・権限の地方への移譲が基本

B

地方が実施する事務に関して、国が広域的な見地等から調整し、又は関与を行っているものは、廃止が基本

C

現在は主に国のみでその事務を行っているものは、地方自治体による総合行政の確立等に資する場合、事務・権限の地方への移譲・廃止等が基本

(3)

道州制の導入に向けた検討
 道州制の前提となる地方分権改革を進め、「道州制ビジョン」の策定に向け、国民的な議論を更に深めるとともに「道州制ビジョン懇談会」において引き続き検討を行う。

2.道路特定財源の一般財源化

【改革のポイント】
 「道路特定財源等に関する基本方針」に基づき、道路特定財源制度は平成20年の税制抜本改革時に廃止し平成21年度から一般財源化し、生活者の目線でその使い方を見直す。

【具体的手段】

道路特定財源制度は、道路特定財源等に関する関係閣僚会議における具体化の検討を踏まえ、平成20年の税制抜本改革時に廃止し平成21年度から一般財源化する。その際、地方財政に影響を及ぼさないように措置するとともに、必要と判断される道路は着実に整備する。

暫定税率分も含めた税率は、環境問題への国際的な取組、地方の道路整備の必要性、国・地方の厳しい財政状況等を踏まえて、平成20年の税制抜本改革時に検討する。

道路の中期計画は5年とし、最新の需要推計などを基礎に新たな整備計画を策定し、平成20年度道路予算の執行にも厳格に反映する。

道路事業は、経済社会状況の最新のデータに基づいたPDCAの厳格な実施、事業評価に関する第三者機関の機能の拡充、実績が事前の評価を下回る事例の十分な把握等を通じ、不断の見直しを行いつつ計画的に実施する。

3.歳出・歳入一体改革の推進
 財政健全化に向け、安定した成長を図るとともに、「基本方針2006」及び「基本方針2007」を堅持し、歳出・歳入改革を徹底して進めることにより、まずは2011年度には、国・地方の債務残高GDP比を安定的に引き下げるなど、「進路と戦略」に定められた中期的な財政健全化の目標を確実に達成する。

【改革のポイント】

1.

真に必要なニーズにこたえるための財源の重点配分を行いつつ、歳出全般にわたって、これまで行ってきた歳出改革の努力を決して緩めることなく、国、地方を通じ、引き続き「基本方針2006」、「基本方針2007」に則り、最大限の削減を行う。

2.

重要課題実現のために、必要不可欠となる政策経費については、まずは、これまで以上にムダ・ゼロ、政策の棚卸し等を徹底し、一般会計、特別会計の歳出経費の削減を通じて対応する。

3.

以上の歳出改革の取組を行って、なお対応しきれない社会保障や少子化などに伴う負担増に対しては、安定的な財源を確保し、将来世代への負担の先送りは行わない。

【具体的手段】

「進路と戦略」で示した予算編成の原則に沿って、「新たに必要な歳出を行う際は、原則として他の経費の削減で対応する」など、規律ある財政運営を行う。

「進路と戦略」に沿って、各年度の予算が財政健全化の中期目標の確実な達成と整合的であるかどうかを、予算編成の要所において確認する。

2010年代半ばに向けた目標の具体化について、今後、経済財政諮問会議において検討を行う。
 なお、「基本方針2006」に示されたとおり、平成23年度までの5年間に実施すべき歳出改革の内容は、機械的に5年間均等に歳出削減を行うことを想定したものではない。それぞれの分野が抱える特殊事情や既に決まっている制度改革時期とも連動させ、また、歳入改革もにらみながら、5年間の間に必要な対応を行うという性格のものである。

4.税体系の抜本的な改革に向けて(税制改革の重点事項)

【改革のポイント】

4.

低炭素化促進の観点から税制全般を見直す。

【重点事項】
 税体系の抜本的な改革に当たっては、以下の課題を踏まえ検討する。

(4)

低炭素化促進の観点からの税制全般の見直し
 道路特定財源の一般財源化の問題にとどまらず、環境税の取扱いを含め、低炭素化促進の観点から税制全般を横断的に見直す。

第5章 安心できる社会保障制度、質の高い国民生活の構築

1.国民生活を支える社会保障制度の在り方等

【具体的手段】

(2)

重要課題への対応

@

質の高い医療・介護サービスの確保

ドクターヘリを含む救急医療体制の一層の整備を行う。また、産科・小児科を始めとする医師不足の解消や病院勤務医の就労環境の改善のため、女性医師の就労支援、関係職種間の役割分担の見直し、メディカルクラークの配置等を進めるほか、診療科間、地域間の配置の適正化について現行の仕組みにとらわれない効果的な方策を講ずる。その際、これまでの閣議決定に代わる新しい医師養成の在り方を確立する。さらに、今後は、在宅医療等地域で支える医療の推進、医療者と 患者・家族の協働の推進など、国民皆で支える医療を目指して、改革を進める。

2.未来を切り拓く教育

「食育推進基本計画」に基づき、国民運動として食育を推進する。

3.良好な治安と災害に強い社会の実現等

地球温暖化により懸念される集中豪雨の増加等の自然環境の変化も考慮しつつ、「犠牲者ゼロ」を目指し、防災・減災対策を着実に実施する。

大規模地震、大規模水害・土砂災害、津波・高潮、豪雪、火山噴火等への対策を推進する。その際、学校の耐震化等防災基盤の充実、災害時要援護者の避難支援等ハード・ソフトの連携を図る。消防等地域防災力の向上を図る。

4.資源・エネルギーの安定供給

原油価格の高騰や需要の増大等内外情勢も踏まえ、資源・エネルギーの安定供給を図るため、戦略的な資源・エネルギー政策を実施する。

我が国の水資源の確保を図るため、干ばつ・渇水対策等を着実に実施する。また、世界の水危機解決に貢献を行う観点から、官民連携も図りつつ、「水の防衛隊」62の派遣等を行う。

5.食料の安定供給と食の安全の確保

国際的な食料価格の高騰等を踏まえ、食料安全保障を確立するため、食料供給力を強化する。

食料自給率の向上に向け、水田を最大限に活用するため、主食用米の需要拡大、「米粉」や飼料用米等の新たな米利用の本格化、麦、大豆等の需要に応じた生産体制の強化等に取り組むとともに、国産ニーズの高い野菜等の供給体制整備、農業用水の確保、食料需給情報の収集・分析の強化を行う。また、周辺水域の水産資源回復、漁場環境の保全等により、水産物の安定供給を確保する。

世界の食料需給安定化に向け、「FAOハイレベル会合」宣言等を踏まえ、緊急的な食料支援、中長期的な農業技術支援等を実施する。

適正な食品表示の徹底や輸入食品の監視強化、生産現場での工程管理手法の導入促進など、食品の安全と消費者の信頼の確保を図る。地域の暮らしを守る鳥獣害 対策を展開する。

第6章 平成21年度予算の基本的考え方

2.平成21年度予算の方向
 平成21年度予算は、「基本方針2006」で示した5年間の歳出改革の3年目に当たる。歳出全般にわたって、これまで行ってきた歳出改革の努力を決して緩めることなく、国、地方を通じ、引き続き「基本方針2006」、「基本方針2007」に則り、最大限の削減を行う。予算編成の原則を引き続き遵守するとともに、ムダ・ゼロに向けた見直しを断行し、真に必要なニーズにこたえるための財源の重点配分を行う。

(1)

メリハリの効いた予算編成

上記の基本姿勢に沿って、改革努力を継続する厳しい概算要求基準を設定し、メリハリの効いた歳出の見直しを行う。

重要課題実現のために、必要不可欠となる政策経費については、まずは、これまで以上にムダ・ゼロ、政策の棚卸し等を徹底し、一般会計、特別会計の歳出経費の削減を通じて対応する。

「第2章成長力の強化」(別紙を含む)、「第3章低炭素社会の構築」、「第4章国民本位の行財政改革」、「第5章安心できる社会保障制度、質の高い国民生活の構築」に述べた取組を推進する。そのため、予算面において所要の対応を行うことを含め、予算配分の重点化・効率化を行う。

(2)

予算におけるPDCAの強化

各府省の予算要求に当たっては、成果目標を掲げ、事後評価を十分行い得る基盤を整備するとともに、その必要性、効率性、有効性等を吟味する。

実績が事前の評価を下回った事例等を十分に把握し、予算の重点化に活用するなど、適切に対応する。

平成21年度予算が財政健全化の中期目標の確実な達成と整合的であるかどうかについて点検を行う。

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