◎事例発表「川上村から海外へ レタス王国のチャレンジ」要旨
 川上村は、標高1,100m〜1,400mの高原地帯にあり、夏場の冷涼な気候を活かしたレタス生産量は日本一である。人口は約4,600人、農家人口は約3千人、農家戸数は約600戸(うち専業農家約330戸)、1戸当たりの売り上げ2〜4千万円程度、農家所得約500万円程度となっている。農業粗生産額は66.3億円でそのほとんどがレタス,白菜等の野菜となっている。レタスの出荷時期には、午前1時頃から作業を行い、関東近郊のスーパーでは朝どり野菜として午前中に店頭に並んでいる。労働力確保のため、数年前から、国の外国人研修制度を活用し、中国人研修生約600人を受け入れている。スカイパーフェクトテレビを経由したチャンネル中国を全村に配信して母国の出来事とか情報を毎日提供するなど、村では研修生に対し特段の配慮を行っている。
 昭和63年から、生産の効率化や農業の戦略化を図るため、「農業情報ネットワークシステム」を構築し、より高度な気象情報や市況情報をリアルタイムで提供している。
 川上村ブランド確立のための国内PR活動として、観客に抽選で川上村のレタスをプレゼントする「神宮球場等でのベジタブルナイター」、「サッカーJリーグフロンターレ戦における即売会」、「長野県内のテレビ放送局による川上村レタスCMの放映」、「各種のイベントでの使用等のためのポスター、パンフレット、DVDの作成」等を実施している。
 減少する消費量や他産地との競合による生産過剰・価格低迷の打開に向けた新たなマーケットの創設、「川上村レタス」のブランド化(輸出することによる国内への波及効果)、新市場開拓により生産者の意識改革や国内外の新市場への攻め込みのため、我が国で最初のレタスの輸出に取り組んでいる。平成17年度から検討を開始し、平成18年度に台湾へのテスト輸出を行った。収穫から店頭に並ぶまでには船便のため一週間から10日程度を要するが品質にはほとんど問題がないこと、アメリカ産に比べ割高であるが品質・おいしさ等で十分勝負できること、検疫によりくん蒸処理されることがありその場合には品質が劣化し販売できなくなること等が確認された。野菜等を生で食べる習慣が定着していない消費者に川上村レタスをPRするため、百貨店等でフェアを開催して試食をしてもらい、また、企業と提携してドレッシングをセットで配布した。現地の人を川上村に招待して生産状況を確認してもらうことも行った。川上村のレタス検疫は出港前と台湾で実施しているが、収穫段階において国内向けレタスよりも外葉を多く剥き、その上で職員が虫をチェックする体制を確立し、19年度以降はくん蒸処理する事態は生じていない。また、検疫を行う検疫官を現地に招いて検疫を実施してもらい、検査で不具合が生じた場合、早急に対応ができる体制を確立している。商社を通じないで、大手小売店やカット工場に輸出している。19年度は約6,400ケースを輸出した。500万〜700万ケースの出荷量から見れば0.1%程度であるが、今後は目標数値を上げたいと考えている。また、香港、韓国への輸出を模索し、さらに、中国本土、シンガポールも視野に入れている。
 川上村における様々な取組は、日本の農業への起爆剤であり一石を投じるものであると確信しており、今度とも村長の提唱する攻めの農業を展開していきたい。