自由民主党山村振興委員会(委員長:山本公一衆議院議員)が、9月4日(木)午後1時から自民党701号室において開催された。委員会は谷 公一事務局長(衆議院議員)の司会の下で進められ、最初にこのほど委員長に就任された山本公一衆議院議員から開会の挨拶があり、ついで、全国山村振興連盟会長の二田孝治衆議院から挨拶があった。
 ついで、出席した脇本哲也副会長(北海道知内町長)及び加藤和年副会長(愛知県設楽町長)を代表して脇本副会長から要望が行われた。
 ついで、「平成21年度山村振興関連予算概算要求について」、関係省庁から説明があり、質疑が行われた。
 脇本副会長の発言(要旨)及び全国山村振興連盟の要望書(原文はA3版縦書き)は、次のとおりとなっている。

脇本副会長(北海道知内町長)の発言(要旨)

 全国山村振興連盟副会長の北海道知内町長 脇本でございます。発言の機会を与えていただき有り難うございます。一言ご挨拶を申し上げさせていただきます。
 自民党山村振興委員会の諸先生、関係省庁の皆様には山村地域の振興のため平素より格別のご尽力をいただいておりますことに、心から感謝申し上げます。
 このほど、山本公一先生が委員長にご就任され、新たな体制となりましたが、引き続きよろしくお願い致します。
 また、山村が抱える喫緊の課題である鳥獣被害対策につきましては、先生方のご尽力により、今年2月に「鳥獣被害防止特別措置法」が施行され、山村での鳥獣害対策も本格的に取り組まれようとしておりますこと、この場を借りて御礼申し上げます。
 さて、山村地域をめぐる状況は皆様ご承知のとおりでありまして、山村振興事業等により、交通基盤、生活基盤などにおいて一定の成果が現れて来ているものの、未だ全国と比べ格差が存在する状況にあります。加えて、林業の低迷、地場産業の停滞等により、人口が減少して過疎化・高齢化が進展し、耕作放棄地の増大、森林の荒廃、地域コミュニティの崩壊など、山村のおかれている状況はまさに危機的状況になってきております。
 本日は、お手元に全国山村振興連盟からの要望書をお配りさせていただいております。このような山村の状況及び山村振興の重要性につきまして十分ご認識頂くなかで、特にお願いしたい事項につきまして何点か申し上げさせていただきます。
 まず一つは、立ち後れた道路整備でございます。道路は産業振興、交流促進、災害対応、緊急医療等全ての面において基盤となるものでございます。道路特定財源の扱いも含め、地方の道路整備の財源確保に特段のご配慮を宜しくお願い申し上げます。
 次に、情報通信基盤の整備でございます。特に山間地においては、携帯電話が繋がらない、また、インターネットのブロードバンド対応地域が限られている、といった情報格差が多く存在します。加えて、地上デジタル放送の移行に際しても、山村地域が取り残されないような支援が必要となっております。山村地域のデジタルデバイドの解消に向けた支援策の充実強化をお願いいたします。
 次に、農林業を始めとした産業振興でございます。山村が有する豊富な資源は食糧を始めとした資源の自給率向上が国家的課題となっている中、大変重要な役割を担っているものでございます。担い手不足等課題は多く存在するところではありますが、山村における農林業活性化に向けた産業振興施策の充実強化を宜しくお願いいたします。
 次に、深刻な医師不足を背景とした医療体制の充実強化でございます。安心な生活を確立し、山村への定住促進を図るためにも、地域医療の充実は必要不可欠でございます。この点においても特段の配慮をお願いいたします。
 また、地域の自立的な発展を図る上では、地方財政措置の充実強化も欠かすことは出来ません。今年度は新たに4,000億円の地方再生対策費が計上されましたが、税財源の乏しい私ども山村市町村の財政は極めて厳しい状況におかれております。引き続き地方交付税の充実強化等山村市町村の財政状況の改善を図っていただきたく、宜しくお願いいたします。
 最後に、今年が延長要望の年に当たります、山村税制の継続延長でございます。山村振興法に基づく認定法人に対する課税の特例措置につきましては、森林・農用地の保全等を図る上で必要不可欠な制度でございます。引き続き2年間の延長につきましてご尽力いただきたく宜しくお願い申し上げます。
 以上、私どもは、厳しい財政事情の中で、山村地域の振興を図るため最大の努力をしておりますが、山村地域の果たしている役割からみて山村地域の振興が国家的課題であることをご認識いただき、山村の再生、そして、真に活力の出る施策の充実が図られますようにお願い申し上げ、山村地域振興のための予算・税制措置の充実強化を図っていただきますよう、この機会にお願いさせていただきます。

どうぞよろしくお願い致します。

要  望  書

 昭和40年に山村振興法が制定されて以来、山村地域における交通基盤、生活基盤の整備などにおいて着実な成果が現れてきておりますことに心から御礼申し上げます。特に有害鳥獣対策においては、先生方のご尽力により今年2月に「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」が施行され、山村で本格的に鳥獣害対策が取り組まれようとしておりますこと、併せて御礼申し上げます。
 しかしながら、山村地域を巡る情勢は依然厳しく、道路、情報通信、生活環境等の整備水準は未だ全国と比べ低位な状況にあり、林業の低迷、地場産業の停滞等により過疎化・高齢化が急激に進展しつつあるなか、耕作放棄地の増大、森林の荒廃、地域コミュニティの崩壊等が見られるなど、危機的状況になってきております。
 更に、WTO農業交渉の先行きに対する不安や、最近における世界的な原油、食糧高騰による国内の景気悪化は、特に山村の人々や暮らしに深刻な影響を与えていることから、先に政府・与党で取りまとめられた「安心実現のための緊急総合対策」における各般の対策を速やかに実現するとともに、とりわけ国土保全の最前線を担い、かつ食糧等資源の自給率向上という命題に対し、重要な役割を果たしている我ら山村住民の生活に対しても、特段のご配慮を頂きたく宜しくお願い申し上げます。
 以上、山村地域のおかれている厳しい状況並びに山村地域の振興の重要性を十分ご認識頂き、山村の再生、そして真に活力のでる施策の充実が図られますようにお願い申し上げ、特に次の事項の実現について格別のご尽力を賜りますよう要望いたします。

産業振興や交流促進、災害対応、緊急医療体制の強化等、全ての基盤となる道路について、立ち遅れている山村地域の道路整備の促進、地方における道路財源の充実

携帯電話不通地域の解消、インターネットのブロードバンド接続可能地域の拡大並びに地上デジタル放送への円滑な移行に対する支援等、デジタルデバイドの解消を図るための高度情報通信ネットワークその他通信体系の充実強化

農林業を始めとした山村地域の産業振興並びに地域資源の活用が図られるよう、間伐促進やバイオマスの利活用等の産業振興施策の充実強化

医師不足が深刻化している山村地域における医師及び医療従事者の確保並びに関連施設の整備、運営等への助成措置の拡充・強化等の保健・医療・福祉対策の充実強化

税財源の乏しい山村地域の実情に即した地方交付税制度の充実強化

山村振興法に基づく認定法人に対する課税の特例措置の継続延長
・・・・・・平成20年9月4日

全 国 山 村 振 興 連 盟
会  長  二 田 孝 治

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