全国山村振興連盟は、平成22年7月2日(金)午前10時30分から千代田区永田町の全国町村会館2階ホールにおいて平成21年度第1回理事会を開催した。
 最初に、脇本会長代行から挨拶があり、次いで、来賓として出席された農林水産省農村振興局 小林厚司中山間地域振興課長、総務省自治行政局 水野靖久地域振興室長及び林野庁 厨 秀俊森林総合利用・山村振興室長から挨拶をいただいた。
 挨拶終了後、川上事務局長から、新たに任命された岩_憲郎副会長(高知県大豊町長)の紹介が行われた。その後議事に移り、脇本会長代行が議長を務め、第1号議案平成21年度事業報告に関する件、第2号議案 平成21年度収支決算に関する件、第3号議案 平成23年度山村振興関連予算・施策の要望(案)に関する件及び第4号議案 役員の選任に関する件について審議が行われた。第1号議案から第3号議案は原案どおり承認され、役員の選任では、長野県佐久穂町長の佐々木定男氏が監事に選任された。
 理事会終了後、副会長が中心となって、関係省庁に対し要望活動を行った。

 理事会の内容は、次の通りとなっている。
【脇本会長代行 挨拶要旨】
 本日の理事会には、今丁度参議院議員選挙の最中でありますので国会議員の役員の方々には出席されません。山村関係省庁の方々には、公務ご多忙の折、ご臨席を賜りましたこと深く感謝申し上げます。
 また、理事の皆様には、時節柄大変お忙しい折にもかかわらず、遠路お集まりいただきまして、有り難うございます。
 昨年は、世界同時不況の中にあって、わが国におきましては政権交代が行われ、政治・経済ともに混迷を深めておりますこと、ご案内のとおりであります。
 このような状況を打開するためには、なんと申しましても、振興山村、農山村、離島など人口流出の続く地域を見直すことが肝要であると思います。
 すなわち、人口のわずか3%の人たちで国土の半分を占める農山漁村の活力を取り戻すことが、国の基本政策の中で、重要な位置づけを持たなければならないものと思います。
 しかしながら、政権交代後の22年度の国の予算を見ますと、農山漁村関係につきましては大変厳しいものがあります。
 このような状況に対処して、農山漁村の活力を取り戻していくためには、お集まりの皆さんと力を合わせ、一体となって、国の23年度予算編成に向けて関係方面に働きかけていくことが必要かと思っています。
 本日の理事会では、お手元の議題にありますように、21年度事業報告、決算報告の他に山村関連の23年度予算・施策に関する要望案等につきまして、ご審議いただくこととしておりますので、よろしくお願いします。
 なお、理事会終了後、政府の夏の予算編成に向けて、関係省庁に要請行動を行って参りたいと思っていますが、理事の皆様方におかれましては、地元に関係ある方々、そして省庁に農山村関係者がいると思いますので、是非、予算獲得にご尽力いただきますよう、お願い申し上げましてご挨拶とさせていただきます。

◎挨拶をいただいた方以外の政府関係の出席者(敬称略)  
 農林水産省 中山間地域振興課課長補佐 猪俣 英史
 農林水産省 中山間地域振興課調整係長 進藤 栄治
 林野庁 森林総合利用・山村振興室 森林環境教育推進官 福島 行我


【議 事】
 脇本会長代行のもとに議事が進められた。

第1号議案 平成21年度事業報告に関する件

第2号議案 平成21年度収支決算に関する件
第1号議案及び第2号議案について、川上事務局長が内容の説明を行い、辻監事から監事監査報告が行われ、両案は原案通り承認された。

第3号議案 平成23年度山村振興関連予算・施策の要望(案)に関する件
川上事務局長が内容の説明を行い、原案通り承認された。

第4号議案 役員の選任に関する件
 尾_副会長から「藤原忠彦監事から本日付けで監事の職を辞任したい」との申し 出があり、後任の監事に長野県佐久穂町長の佐々木定男氏を選任いただきたい」と の提案があり、佐々木定男 佐久穂町長が監事に選任された。
 理事会で承認された「平成21年度事業報告」及び「平成23年度山村振興関連予算・施策の要望」は次の通りとなっている。


平成21年度事業報告

1.山村振興施策に関する提言及び政府予算対策
(1) 平成22年度山村振興関連施策・予算、税制改正要望

@

7月の理事会において要望事項を決定し、副会長を中心に関係省庁に対し要請活動を実施した。

A

10月に農林水産省、総務省及び環境省に対し、「平成22年度税制改正に関する要望(環境税及び全国森林環境税の創設)」を行った。
11月5日(木)に開催された自由民主党農林部会及び農政推進協議会の合同会議の場において中越副会長から同様の内容の要望を行った。

B

11月の通常総会において、平成22年度山村振興関連施策・予算に関する要望事項を決定し、副会長を中心として要請活動を行うとともに、各支部において要請活動が行われた。

C

自由民主党山村振興特別委員会(委員長:中谷 元衆議院議員)において山村振興対策についてテーマごとに検討が行われた。当連盟からは役員等が出席して山村の実情及び施策の要望について説明を行い、関係省庁から対 策の状況等について説明が行われた。
この検討結果を踏まえた「平成22年度山村振興施策の拡充・強化についての申し入れ」が取りまとめられ、関係省庁に対し要望された。

D

平成22年度政府予算は、12月25日に概算決定が行われた。

2.山村をめぐる諸問題についての情報の収集、調査、検討
(1) 山村をめぐる諸情報を関係省庁をはじめ各方面から収集し整理を行った。
(2) 「森林・山村対策に関する懇談会」を平成22年2月18日(木)、全国町村会館において、次のテーマと講師により実施した。町村長副会長、理事、監事等18名が出席した。
 テーマ「山村に係わる地方財政措置について」
    講師 総務省自治財政局調整課長       末宗徹郎  氏
 テーマ「戸別所得補償制度について」
    講師 農林水産省大臣官房参事官       山口英彰  氏
その内容については、冊子「森林・山村対策に関する懇談会報告(・・)」   として取りまとめ会員に配布した。

3.山村振興を図るための啓発・普及活動の推進
(1) 全国山村振興連盟のホームページに当連盟の紹介、全振興山村のリンク、山村からの提言、山村へのメッセージ、山村振興施策(山村振興法、山村振興関連予算、各種政策等)を掲載した。
(2) 特定非営利活動法人「地球緑化センター」が実施する「緑のふるさと協力隊」(山村で1年間生活し、農林業や村おこしを手伝う)を後援するとともに、受け入れ市町村の募集に協力した。
(3) (社)日本森林技術協会主催の「山村力コンクール」(林野庁の補助事業)を後援した。山村に人の流れが定着するような取組み活動に対し3月10日の表彰式において、個人及び団体に当連盟会長賞を授与した。
(4) 5月9日及び10日に日比谷公園において開催された「第20回みどりの感謝祭」に協賛団体として参画した。
(5) 6月1日、ニッショーホールにおいて、「日本の景観を良くする国民運動推進会議」の全国大会が開催され、当連盟もこの協賛団体として参画した。
(6) 10月17日(土)及び18日(日)に長野県木島平村において開催された「農山村交流全国フォーラムin木島平」を後援した。
(7) 11月5日(木)及び6日(金)に島根県大田市で開催された「全国水源の里シンポジウム」を後援した。
(8) 11月8日(日)及び9日(月)に山形県小国町で開催された「新しい「過疎」の姿を探るシンポジウム」を後援した。
(9) 11月21日(土)から23日(月)名古屋市において開催された「三河の山 里体感プラザ2009」を後援した。
(10) 11月25日(水)に開催された「第26回全国森林組合大会」へ協賛した。

4.山村振興対策の計画的推進
 振興山村における山村振興対策を計画的・効果的に推進するため、国の山村振興対策等の事業を予定している市町村の山村振興担当者、都道府県の山村振興担当者及び連盟支部の山村振興担当者を対象に全国町村会館ホールにおいて平成21年6月5日(金)、山村振興実務研修会を開催し、90名余の参加があった。
 この研修会では、農林水産省中山間地域振興課の担当者から山村振興法の解説や今後の山村振興の課題等について講演が行われた後、農林水産省鳥獣被害対策室、農山漁村地域活性化支援室、林野庁計画課、総務省地域通信振興課及び国土交通省地方道・環境課の担当官から所管の事業について講演が行われた。

5.会員等への情報の提供
(1) 「山村振興情報」を年間13回(毎月1回、増刊号1回)発行した。
また、ホームページにも掲載した。
(2) 事業計画、収支予算、事業報告、収支決算等理事会での決定事項は、理事会終了後、直ちに会員に連絡した。
(3) 山村振興に関連する各種情報は、ホームページに掲載し、会員に提供した。

6.山村振興全国連絡協議会への助成
 各都道府県の山村振興担当課長で組織している山村振興全国連絡協議会に対し、 助成を行った。また、6月4日に開催された総会に出席するとともに、各ブロック の会議に出席し、情報交換等を行った。

7.各種会議会合等
省略


平成23年度山村振興関連予算・施策の要望

 山村地域の振興につきましては、日頃から格別の御配慮を賜り厚く御礼申し上げます。
 山村地域は、食料、水、木材、エネルギーなどの供給を行うとともに、国土保全、自然環境の保全、水源のかん養、地球温暖化の防止、良好な景観の保全、文化の伝承、憩いの場・癒しの場の提供等重要な役割を果たしてきております。
 特に、温室効果ガスを2020年までに1990年比25%削減するという目標の達成に向けて山村地域の果たす役割は、従来にも増して大きくなってきております。
 しかしながら、山村地域を巡る状況は依然厳しく、道路、情報通信、生活環境等の整備水準は全国に比べて低位な状況にあり、農林漁業の低迷、地場産業の停滞等により過疎化・高齢化が急激に進展しつつある中、耕作放棄地の増大、森林の荒廃、鳥獣害の多発、集落の崩壊・機能の低下等危機的な状況になってきております。 
 このような状況に対処し、山村地域の振興を図るため、山村自治体は、山村振興法等に基づき、最大限の努力をしていますが、財政事情は極めて厳しくなっております。
つきましては、政府・国会におかれては、山村地域の置かれている状況並びに山村地域の振興を図ることが国家的課題であることを十分ご認識いただき、下記事項の実現を図っていただくよう強く要望致します。

I 山村振興対策の総合的・計画的推進及び山村地域の活性化
1.山村振興計画に基づき、関係省庁の一層の連携強化のもと、山村振興対策を総合的かつ計画的に推進すること。
2.振興山村における農林水産業等地域産業の振興、生活環境の向上等を図るための施設の整備に対する助成措置(農山漁村活性化プロジェクト支援交付金による支援措置等)の充実・強化を図るとともに、自立的な地域活性化を支える人材育成への支援に取り組むこと。
3.山村地域の活性化を図るために不可欠な辺地対策事業債及び過疎対策事業債の十分な確保を図ること。
4.農山漁村地域活性化対策、森林・林業振興対策(以上「地方財政措置」)の充実・強化を図ること。特に、市町村などによる民有林の公的整備に対する交付税措置など森林整備に係る地方財政措置の更なる充実を図ること。

II 多面的・公益的機能の持続的発揮
1.山村の果たしている重要な役割について児童生徒を含め国民一般の理解を深めるための教育・啓発・普及対策の充実・強化を図ること。
2.「中山間地域等直接支払制度」は5年間延長されたが、安定的な農業生産活動の体制整備に向け、一層の充実・強化を図ること。
また、「農地・水・環境保全向上対策」の充実・強化を図ること。
3.耕作放棄地の再生等を支援する対策の充実・強化を図ること。
4.集落機能の活性化を図るための方策の充実・強化を図ること。
5.わが国の地球温暖化防止対策において森林が二酸化炭素吸収源として大きな役割を担うことを踏まえ、間伐等森林の整備・保全、木材利用の推進等の対策の充実・強化を図ること。
6.森林所有者等による計画的な森林施業が適切に行われることを確保するため、「森林整備地域活動支援交付金制度」の充実・強化を図ること。
7.水源のかん養、自然環境の保持等国土保全に資する事業を対象とした「国土保全対策」(地方財政措置)の継続実施を図ること。
8.地球温暖化対策を推進するための環境税を創設するとともに、制度化に当たっては、その税収の使途に森林吸収源対策及び森林を支える山村地域の活性化対策を明確に位置づけること。
9.国土・環境の保全、水源のかん養等の役割を全う出来るよう、山村市町村に対する新たな財政措置及びその財源としての新たな税制措置(全国森林環境税の創設)を講じること。
10.国土保全や生活環境整備を図るため、治山、治水及び砂防対策の充実・強化を図ること。

III 山村と都市との共生・対流
1.グリーン・ツーリズムの一層の普及を行うとともに、地域ぐるみで行う受入体制や交流空間の整備及びNPO法人等の多様な取組主体の育成等グリーン・ツーリズムの総合的な推進を図ること。
2.幅広い国民の山村におけるボランティア活動を促進するための対策・予算の充実・強化を図ること。
3.学校教育・社会教育において自然豊かな山村での体験活動を推進するため、「子ども農山漁村交流プロジェクト」をはじめとした対策の充実・強化を図ること。

IV 道路、情報通信基盤の整備
1.山村地域の産業、生活基盤として不可欠な高規格幹線道路、地域高規格道路、一般国道及び都道府県道の整備、特に、市町村道の改良・舗装等、立ち遅れている山村地域の道路整備を促進すること。また、基幹的な幹線市町村道路の整備の都道府県代行に対する助成措置を講ずること。
2.道路整備のための財源を十分に確保し、特に、地方における道路財源の充実を図ること。
3.携帯電話不通地域の解消、インターネットのブロードバンド接続可能地域の拡大並びに地上デジタル放送への円滑な移行に対する支援等デジタルディバイドの解消を図るための高度情報ネットワークその他通信体系の充実・強化を図ること。特に、地上デジタル放送については、新たな負担が生じないよう配慮すること。

V 産業の振興、地域資源の活用
1.農林業の振興、山村地域の資源を活用した地場産業の育成、間伐材等の未利用の木質バイオマス資源の活用、企業の誘致等による山村地域の産業の総合的振興を図るための施策・予算の充実・強化を図ること。
2.森林資源の循環利用による林業・木材産業の振興を図るため、地域材の一般住宅への利用促進及び公共施設等の木材化推進のための支援制度を拡充する等、貿易対策を含め木材の生産・加工・流通・消費に至る一貫した対策の一層の充実・強化を図ること。
3.緑の雇用担い手対策事業、「農」の雇用事業等山村地域における産業の担い手の育成・確保対策の充実・強化を図ること。
4.森林・林業へのUJIターン者等の定住を確保するため、森林資源等を活かした 新たな産業の創出に対する支援を継続するとともに、都市と山村の多様な主体が連携して行う山村の活性化に資する取り組みに対する支援の充実・強化を図ること。
5.山村の高齢者がその実態に応じて地域社会の活動に積極的に参加できる機会を確保するための対策・予算の充実を図ること。
6.雇用機会の確保を図るため、商工業、観光業などの産業立地促進のための対策の充実・強化を図ること。
7.農林漁業者や中小企業者の有機的な連携を強化するため、農商工等連携のための対策の充実・強化を図ること。
8.鳥獣被害防止対策特別措置法に基づく被害防止対策が着実に実行できるよう、助成措置の充実・強化を図ること。
9.振興山村における製造業、旅館業、ソフトウェア業等に対する税制特例措置を継続実施すること。

VI 生活環境の整備
1.山村地域住民の生活交通を確保するため、地方バス路線維持対策等の充実・強化を図ること。
2.山村の簡易水道等施設の整備促進を図ること。
3.山村地域の実情に応じて汚水処理施設の整備促進を図ること。
4.廃棄物処理施設の整備を推進するため、助成措置を講ずること。
 また、廃棄物処理施設の解体に対しては、適切な措置を講ずること。
5.消防力の充実を図るため、消防施設等整備に対する助成措置を講ずること。

VII 医療・保健・福祉対策
1.山村地域の小児科医を含めた医師の確保に万全を期すこと。へき地診療所等の運営、医療施設・保健衛生施設の整備、医師及び看護師の養成・確保に対する助成措置の充実・強化を図ること。
2.へき地保育所の運営、高齢者等の社会福祉施設整備、社会福祉関係職員等の養成・確保に対する助成措置の充実・強化を図ること。

VIII 教育・文化
1.公立学校施設整備、スクールバス等の購入に対する助成措置を講ずること。
2.寄宿舎居住費等へき地児童生徒に対する助成措置を講ずること。
3.山村地域の文化財の保護等に対する財政措置を講ずること。

IX 山村地域の自主性の確立
1.財源保障機能及び財源調整機能を果たす地方交付税制度の充実・強化を図り、所要額を確保すること。
2.基準財政需要額の算定に当たっては、山村自治体が人口割合に比べて広い面積を有し、国土保全、地球温暖化防止等に重要な役割を果たしていることを考慮し、面積要素を重視するなど、山村地域の実情に即したものとすること。
3.独自の発想に基づく山村振興を助長するため、山村地域の自主性を尊重する助成 措置、規制緩和措置等の幅広い導入を図ること。

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