山村振興全国連絡協議会(都道府県の山村振興担当課長で組織)の平成22年度九州ブロック会議が、平成22年11月18日(木)、19日(金)の両日、福岡県庁会議室において開催された。
 会議には、九州各県、農林水産省、九州農政局、全国山村振興連盟から12名が参加した。最初に、主催者である福岡県農林水産部農山漁村振興課山田正秀課長補佐から挨拶があり、ついで来賓の粂 望農林水産省中山間地域振興課山村振興事業係長、東 和浩九州農政局地域整備課山村振興係長及び米田博正全国山村振興連盟参与の紹介並びに各県の出席者紹介が行われた後、議事に入った。
 先ず、「中央情勢について」として、農林水産省中山間地域振興課の粂係長から、平成23年度山村振興関連各省庁予算概算要求等について説明があった。次に、「全国山村振興連盟情勢報告」として、全国山村振興連盟米田参与から、山村振興関連施策・予算に関する要望活動等状況について報告があった。
 ついで、「各県提出議題について」として、熊本県及び福岡県から提出された二つの議題について報告及び質疑が行われた。

 @ 農山漁村における企業の社会的責任(CSR)活動など企業の交流、支援等の事例について(提出県:熊本県)

・熊本県の事例
 熊本県立大学では、平成18年に富士電機システムズ(株)と和水町と包括協定を締結し、平成19年から協働して里山再生活動「なごみの里プロジェクト」を実施している。和水町の約20haの里山の荒廃地において、富士電機グループ社員、県立大学教職員、学生が棚田の再生、里道整備、牛の放牧などによる里山の維持管理を定期的に行っている。富士電機グル―プは社員の参加による活動支援と財政支援、熊本県立大学はコーディネート、学術支援、人的支援、和水町はハード整備と活動の受入れという体制でそれぞれ役割を分担している。

・大分県の事例
 ○ 小規模集落応援隊(平成21年度〜)
  高齢化と過疎化による人手不足で実施が困難になっている道路の補修や草刈り、 公民館や集会所の掃除、お祭りなど集落の共同作業について、近隣の都市部や川の 下流域の企業やNPO、ボランティア団体など様々な活動団体に応援活動の実施を 呼びかけて小規模集落を支援する。
 (応援隊登録団体数 265、応援隊活動実績数 102。H22.10現在。)
 ○ 企業参画の森林づくり推進事業(平成18年度〜)
  社会貢献活動を行おうと考えている企業に、植栽、下刈り、間伐などの森林づく りの作業を行ってもらうことで、地球全体の環境保全に貢献してもらう。
 (参加企業数 21。H22.8現在。)

・宮崎県の事例

 ○ 森林セラピー基地を活用した企業との交流促進
  日之影町では、森林セラピー基地の認定を受け、豊かな森林を活用した都市との 交流を推進している。町では、森林セラピーの体験・交流メニューに企業等が利用 できる福利厚生や社会貢献事業などのメニューを設けるとともに、町と企業との間 で各種協定を締結して、さらなる森林セラピー活用と交流を図っている。
○ 企業の森づくり
  環境保全等社会貢献に関心の高い企業や団体等が、県内の豊かな自然環境を活用 し、地域の方々との森林保全活動を行う「企業の森林づくり」制度に取り組んでい る。平成18年度から森林環境税を活用し、企業への情報提供、企業と森林所有者 や森林組合との仲介、森づくりに関する協定の締結など企業の社会貢献活動と森づ くり活動を支援している。

・鹿児島県の事例

 企業の社会的責任(CSR)活動等の一環として、「環境をそ育む企業の森林づくり」に取り組んでいる。
 実施企業数 6社
 取組内容 
   森林づくりイベントへの社員ボランティア参加や苗木提供、林業事業体への間伐委託実施など、その取組内容は様々である。
 県の役割
   県と企業で協定(環境パートナーズ協定等)を締結し、取組内容や協定期間等を定めた上で、実現に至るまでの様々なサポート(情報提供やマッチングなど)を実施
 活動事例
   (株)鹿児島銀行では、鹿児島市の水瓶である甲突川上流の約24haの県有林において、5年間にわたり間伐を実施することとしており、22年度末までに約12haの森林が整備されることとなっている。このほか、将来的には、自らが整備した森林において、社員への環境学習や福利厚生、地域との交流の場としての活用も検討されている。

・福岡県の事例

 ○ 株式会社TOTO
   2006年度に「TOTOどんぐりの森づくり」を開始。社員が自分たちでどんぐりを拾い、職場や家庭で育て、どんぐりの苗木を地域の協力を得て、植樹し、植樹後の草刈りなど行っている。県内では、福智町で2008年4月から2009年3月まで3回植樹を実施
 ○ ブリジストン株式会社
   22年11月、森林保全整備の拠点「エコピアの森久留米」をオープンし、地元自治体や森林組合と協力して間伐や地元小学生を対象にした「森林教室」を開催。生態系の研究や野外教育の場として提供予定。
 ○ 県の関与
   県では、企業が森林づくり活動に利用できる森林について、「県民参加の森林づくりフィールド」として情報提供や活動プログラムの助言、講師・指導員の派遣を行っている。(実績:積水ハウス(株)、日立電子サービス(株)など)
 A 農山漁村活性化プロジェクト支援交付金における活性化計画の作成について(提出県:福岡県。)

 活性化計画の作成についてどのような基準で、市町村の単独作成あるいは、県との共同作成としているか。

・福岡県
 単一市町村内で完結する計画の場合、市町村単独。ただし、市町村から共同作成の要請があった場合には、協議の上、必要が認められれば、共同作成。

・熊本県
 市町村単独による計画策定を原則としている。ただし、一部メニュー(基盤整備関係)においては、県の継ぎ足し補助を制度化しており、同制度の利用を希望する市町村は、共同計画を策定。

・大分県
 市町村からの要請等により、計画の内容を協議し、県として必要と認めたのもについて共同作成。

・宮崎県

 市町村単独作成が基本であるが、県で上乗せ補助できる事業メニュー・要件類別がある場合は、事業担当課と市町村が協議し、共同で計画書を策定。

・鹿児島県
 農業農村整備事業のうち、県費を補助する事業については、原則として県と市町村との共同活性化計画を作成。農業農村整備事業以外では、市町村事業の実施にあわせて、県推進事業を一体的に実施する時には、共同作成する場合もある。

 最後に「平成23年度九州ブロック幹事県について」協議が行われ、鹿児島県に決定された。

 翌日は、「現地研修会」として、八女市星野村の荒茶加工施設、仕上茶加工施設及び女性・若者等活動促進施設を訪問し、施設整備の経過、活動状況等を聴取した。



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