全国山村振興連盟は、平成23年7月7日(木)午前10時から千代田区永田町の全国町村会館2階ホールにおいて平成23年度第1回理事会を開催した。
 最初に、中谷会長から挨拶があり、次いで、来賓として出席された農林水産省農村振興局 小林厚司中山間地域振興課長、総務省 濱田厚史地域力創造グループ地域振興室長及び林野庁森林整備部 本郷浩二計画課長から挨拶をいただいた。
 挨拶終了後、川上事務局長から、2月の理事会以降に新たに副会長に就任した棚野孝夫 北海道白糠町長、岩部 茂 岩手県九戸村長、松島貞治 長野県泰阜村長及び今井良博 岐阜県白川町長の紹介が行われた。その後議事に移り、岩ア副会長が議長を務め、第1号議案平成22年度事業報告に関する件、第2号議案 平成22年度収支決算に関する件、第3号議案 平成24年度山村振興関連予算・施策の要望(案)に関する件及び第4号議案 常務理事の承認に関する件について審議が行われた。
 議案は、すべて原案どおり承認された。
 理事会終了後、副会長が中心となって、関係省庁に対し要望活動を行った。
 
 理事会の内容は、次の通りとなっている。

【中谷 元 会長(衆議院議員)挨拶要旨】
 役員の皆さんにはご多忙の中、全国各地からお集まりたいただきありがとうございます。皆さんは市町村長ということでそれぞれの地域でリーダーとしてご活躍され、それぞれの地域の問題解決のためご尽力をいただいておりまして、誠に有り難うございます。
 東北地方での震災におきまして被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。私は、こういう復興に際しましては、日本人の心、ふるさとの心こそ、日本の再復興の原動力になるのではないかと思います。やはり、困った時にはお互い様で助け合うという精神こそ大事な要素でありますが、これはやはりひとえに、ふるさとで培われているそういう気質が大切でありまして、そういう意味におきまして、改めて山村振興の重要性を痛感しております。
 ところで、現在の政府は、惨憺たる状況にあります。特にここ一か月の政権内の騒動におきましては、政治の信頼性を失わせるようなものがありました。また、1週間前の震災復興担当大臣の東北における言動は私も看過できないものがあります。中でもやはり国と地方との関係は対等でありまして、あのような言い方ではとくても復興できるような環境を作れるようなものではありません。
 私からみますと、今の官邸には問題点がありますが、それはいくつかのパイプが遮断されていることにあると思います。一つは官邸と官僚との関係であります。二つは党と政府・官邸との関係であります。自民党時代は、部会、政審会、総務会があり、党でさんざん議論してから政府決定に至る。そういうために、政府与党連絡会議というものがありまして、常に議論をしておりました。今、民主党では、国対委員長でさえ総理の状況が全くつかめずに、批判をしているような状況にあり、正に体をなしていない。それから、もう一つは役所において、政務3役がリーダーシップを発揮するのは確かにいいことでありますが、省庁には官僚がいて優れたアイデアを出して地域のためにいろいろやりたいこともありますが、そういうアイデアが活かされずに、官僚の方も機能不全に陥っているのではないかと思います。このようなことで、政治がスムーズに行っていないのが現状でありまして、そのこともあって各般にわたって影響も出ています。
 このような中で、我々全国山村振興連盟がまとまって地方を振興させるためには何がいいかということで全力で頑張って行きたいと思います。最近の政策で一番良かったと胸を張れるのは、麻生内閣の時に1兆円を地方に配分したことです。地方は三位一体改革で傷ついて苦しんでいましたが、これで勢いをふき返し、力強く動き始める先駆けになったと思います。是非こういった力を再び発揮できるように、皆さんのご意見やご要望を聞かせていただいて、それを政治の場で実現できるように、党派に片寄らず、超党派で行動してまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げまして会長としての挨拶とさせていただきます。

【宮腰光寛 副会長(衆議院議員)挨拶要旨】
 中谷会長は、自民党の林政調査会長と山村振興特別委員会委員長をされていますが、私はその下で、農林部会長を務めさせていただいています。
 ご出席の役員の市町村長さんの皆様方にはそれぞれの地域のいろんなことに全力で取り組んでおいでになることに敬意を表したいと思います。
 国の政策の状況ですが、昨年は「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が成立しました。また、今年の通常国会において、永年の懸案であった森林法の抜本改正が行われました。この森林法の抜本改正において、2年前の農地法の抜本改正と同様に、所有者が不明な森林であってでも知事の裁定によって、さらに加えて使用料を法務局に供託をするという方法をとって憲法上の財産権の問題ををクリアーした上で、所有者不明の森林であって利用ができる仕組みを初めて作りました。境界線の問題もあるわけですが、これは相当の時間がかかるということでありますので、そういうことをクリアして森林整備が進むようにという改正をさせていただきました。
 同時に、私どもの方で昨年の臨時国会にすでに提出しておりましたが、特に最近問題となっている外国人による森林の所有ということに対応するために、1ha未満の森林であっても、森林の土地の所有については届出を義務づけるということにさせていただきました。また、情報の共有を役所の中で進めて行くこともできるようにさせていただきました。税務当局が持っている情報が個人情報の保護という観点から森林部局に情報が行かないということを打破するための規定を設けさせていただきました。最終的には県なり市町村がどうしても保安林、水源林について買収する必要がある場合に、買収の際に既にあった規定ではありますがその趣旨を拡大しまして、国が県なり市町村に補助することができる規定を設けさせていただきまして、何かあれば県なり市町村の判断でその大切な森林を買収することができるようにしました。  今取り組んでいるのは、鳥獣被害防止特別措置法等の改正であり、今議論をしております。おそらく来週には国会に提出できると思っております。これは3年前に議員立法で作った法律でありますが、残念ながら農業関係の被害に加えて人的な被害が増えてまいりました。ステージが変わってきたということでありますので、例えば、日の出前、日没後であっても銃猟ができるということに加えて、あるいは銃刀法の改正によってライフル銃の所持の要件を緩和するということでいわば鳥獣被害防止の担い手を増やすという改正を今しようと思っています。
 この他、予算・税制等で大きな問題が山積しております。
 「緑の雇用」の予算が大幅に減額されている。これを復元しなければいけない。我々の時代の先ほど中谷会長から話のあった1兆円のタイミングで1,200億円の森林整備加速化基金を作り、そのことにより森林整備が安定的に行えるようになった訳でありますが、今年で切れてしまいますので、それに代わる財源をしっかり確保しなければいけない。
 さらには、今回の平成23年度税制改正において地球温暖化防止のための税が作られたましたが、残念ながら森林吸収源対策がその税の使途に位置づけられていないということであります。こういうことをやっておきながら、「再生エネルギー買い取り法案」に拘るのはいかにも矛盾しているのではないかと思います。
 予算・税制について中谷会長を先頭にして我々力を合わせ、今申し上げましたこと実現に向けて頑張って行きたいと思います。

【吉野正芳 理事(衆議院議員)挨拶要旨
 私は、福島県選出でありますので、この度の震災そして原子力事故に対して全国の皆さんに大変お世話になっております。ありがとうございます。
 福島県では災害が継続中でありまして、原子力事故は続いております。放射能の問題では、200万県民の健康、心について今県としては全員について健康調査をする。被曝の多い人は生涯調査をする、30年にわたって調査するという大きな事業をやってまいります。また、森林についても、今どのくらい放射能の影響があるかということをこれからモニタリングを強化して汚染調査をしていきます。福島県は森林率75%の森林県であります。この木材が放射能に汚染されて使われなくなると大変なことであります。その辺のところを調査して皆さんにも迷惑をかけないような体制を作ってまいりたいと思っています。
 以上、ご報告を申し上げてご挨拶とさせていただきます。

【谷 公一 理事(衆議院議員)挨拶要旨】
 兵庫県の谷 公一です。自民党の方では、中谷会長の下で山村振興特別委員会の事務局長を、また、過疎対策特別委員会の事務局長を務めさせていただいており、衆議院の方では、農林水産委員会の理事を宮腰筆頭理事の下で務め、また、震災復興特別委員会の理事も務めております。自民党としても政府の2兆円に過ぎない補正ではなくもっと大型の補正ということでまだ正式には発表しておりませんが17兆円の大きな思いきった第2次の補正を作るべきで、その中に中谷会長のお話にもありましたが地域活性化のための交付金1兆1千億円を入れております。しっかりと頑張って取り組んでまいりたいと思います。
 東北3県を中心とした被災地にさまざまな目配り気配りをしなければならない訳であります。皆さん特に関係があるところでは、合併特例あるいは過疎の期限をそのままでいいのか、もう少し延ばすべきではないかということについて与党内でも検討が進められておりますが、自民党内でも被災地の状況あるいは福島の原発の状況から合併特例の期限あるいは5年後に期限の到来する過疎の延長も視野に入れて対応をしなければならないのではないかと今検討を進めているところであります。いずれにしてもしっかりと今後とも取り組んでまいりたいと思います。


【金子恭之 理事(衆議院議員)挨拶要旨】

 鹿児島と宮崎県に隣接しております熊本県選出の金子恭之であります。
 自民党においては、石破会長の下で政務調査会の副会長を務めさせていただいておりまして、連日、先ほど来話がありましたような農林部会やいろんな委員会等々から上がってきた法案あるいは政策の審議をやらせていただいているところであります。
 残念ながら野党になりましてテレビに出演する頻度が非常に少なくなりまして、なかなか我々がやっていることが見えないわけでありますが、震災対策については一次提案、二次提案、三次提案をし、早急にやらなければならないこと、あるいは復興に向けてきちんとやっていかなければならないことをすでに577項目提案してきたところであります。自民党は野党になりましたが、政権与党の動きをみてますと、心配で心配でしょうがなくて、こんなところは大丈夫かああいうところは大丈夫かということとであります。山村地域から上がってきている大変重要な問題につきましては先ほどありましたように中谷先生、宮腰部会長を中心として必要なものをきちんと議員立法を提案してそれを民主党が飲んでというより飲まざるを得ない、そういうこともあったのかということで最終的には委員長提案で成立させているものがある訳でありますが、我々は本当にそういう国民生活に必要なものはきちんとやっていることを皆様方にはご理解いただきたいと思います。
 先週の日曜日、熊本県の五家荘それと宮崎県の椎葉村へ行ってきました。ここは平家の落ち武者伝説もあり辺境の地域と言っていいくらい大変な地域ですが、県境を越えて連携を深めています。その時、私は言われました。「この地域は林業でもっている地域だから、もっと林業で飯が食っていけるように、材価が上がるようになんとかやってくれあるいは鳥獣被害が多くてどうしようもない。今年は特に雨の降り方が異常で、何時崖崩れをして孤立をしてしまうかも知れず、生命が不安だ。
 費用対効果だけではできないそういう部分があります。山村地域がこの国を背負っているという意識の中で我々も今日お見えの国会議員の先生方、そして全国山村振興連盟の皆さんと手を取り合って頑張って行きたいと思います。

 ◎挨拶をいただいた方以外の政府関係の出席者(敬称略)  
    林野庁 森林総合利用・山村振興室長    犬塚 昌良
    農林水産省 中山間地域振興課調整係長  加藤 邦彦
    林野庁 森林総合利用・山村振興室 森林環境教育推進官 寺村 智

  【議 事】
 岩ア副会長のもとに議事が進められた。
○ 第1号議案 平成22年度事業報告に関する件
○ 第2号議案 平成22年度収支決算に関する件
  第1号議案及び第2号議案について、川上事務局長が内容の説明を行い、辻監事か
  ら監査報告が行われ、両案は原案通り承認された。
○ 第3号議案 平成24年度山村振興関連予算・施策の要望(案)に関する件
  川上事務局長が内容の説明を行い、原案通り承認された。
○ 第4号議案 常務理事の承認に関する件
  棚野副会長から「川上博志常務理事の任期が7月15日となっており、後任の常務理
  事には岸廣昭氏を任命することにつき承認いただきたい」との提案があり、承認され
  た。

 理事会で承認された「平成22年度事業報告」及び「平成24年度山村振興関連予算・施策の要望」は次の通りとなっている。


平成22年度事業報告

1.山村振興施策に関する提言及び政府予算対策
(1)平成23年度山村振興関連施策・予算、税制改正要望
 @ 7月の理事会において要望事項を決定し、副会長を中心に関係省庁に対し要請活動
  を実施した。
 A 7月に農林水産省、総務省及び環境省に対し、「平成23年度税制改正に関する要望
  (振興山村における製造業等に対する税制特例措置の継続実施、環境税及び全国森
  林環境税の創設)」を行った。
   9月29日(水)に開催された自由民主党農林部会及び農政推進協議会の合同会議
  の場において同様の内容の要望を行った。
 B 12月の通常総会において、平成23年度山村振興関連施策・予算に関する要望事
  項を決定し、副会長を中心として要請活動を行うとともに、各支部において要請活動が
  行われた。
 C 自由民主党山村振興特別委員会(委員長:中谷 元 衆議院議員)において山村振興
  対策についてテーマごとに検討が行われた。当連盟からは役員が出席して山村の実
  情及び施策の要望について説明を行い、関係省庁から対策の状況等について説明が
  行われた。
   この検討結果を踏まえて「平成23年度山村振興予算編成に関する政府申し入れ」が
  取りまとめられ、関係省庁に対し要望がなされた。
 D 12月22日に自民党農林部会・林政調査会・農政推進協議会合同会議が開催され、
  平成23年度税制改正結果、平成23年度農林関係予算編成状況について、関係省庁
  から説明が行われ、質疑が行われた。
 E 平成23年度政府予算は、12月24日に概算決定が行われた。
  なお、税制改正については、12月16日に閣議決定が行われた。

2.山村をめぐる諸問題についての情報の収集、調査、検討

(1)山村をめぐる諸情報を関係省庁をはじめ各方面から収集し整理を行った。
(2)「森林・山村対策に関する懇談会」を平成23年2月17日(木)、全国町村会館におい
 て、次のテーマと講師により実施した。町村長副会長、理事、監事等18名が出席した。
    テーマ「山村に係る地方財政措置について」
      講師 総務省自治財政局調整課課長補佐    村岡嗣政 氏
    テーマ「森林・林業再生プランについて」
      講師 林野庁森林整備部計画課長        本郷浩二 氏
   その内容については、冊子「森林・山村対策に関する懇談会報告(]Z)」として取り
  まとめ会員に配布した。

3.山村振興を図るための啓発・普及活動の推進
(1)全国山村振興連盟のホームページに当連盟の紹介、全振興山村のリンク、山村から
 の提言、山村へのメッセージ、山村振興施策(山村振興法、山村振興関連予算、各種政
 策等)を掲載した。
(2)特定非営利活動法人「地球緑化センター」が実施する「緑のふるさと協力隊」(山村で
 1年間生活し、農林業や村おこしを手伝う)を後援するとともに、受け入れ市町村の募集
 に協力した。
(3)5月8日及び9日に日比谷公園において開催された「第21回みどりの感謝祭」に協賛
 団体として参画した。
(4)8月26日(木)及び27日(金)に北海道中川郡美深町ほか2町村で 開催された「第4
 回全国水源の里シンポジウム」を後援した。
(5)11月20日(土)から23日(火)名古屋市において開催された「三河の山里体感プラザ
 2010」を後援した。
(6)10月26日(水)に開催された「第27回全国森林組合大会」へ協賛した。

4.山村振興対策の計画的推進
  振興山村における山村振興対策を計画的・効果的に推進するため、国の山村振興 対策等の事業を予定している市町村の山村振興担当者、都道府県の山村振興担当者 及び連盟支部の山村振興担当者を対象に全国町村会館ホールにおいて6月4日(金)、山村振興実務研修会を開催し、80名余の参加があった。
  この研修会では、農林水産省大臣官房政策課、中山間地域振興課、農村整備官林野庁計画課、総務省地域通信振興課及び国土交通省地方道・環境課の担当官から 所管の事業について講演が行われた。

5.会員等への情報の提供
(1)「山村振興情報」を年間12回(毎月1回)発行した。
   また、ホームページにも掲載した。
(2)事業計画、収支予算、事業報告、収支決算等理事会での決定事項は、理事会終了
 後、直ちに会員に連絡した。
(3) 山村振興に関連する各種情報は、ホームページに掲載し、会員に提供した。

6.山村振興全国連絡協議会への助成
  各都道府県の山村振興担当課長で組織している山村振興全国連絡協議会に対し、助
 成を行った。また、5月26日に開催された総会に出席するとともに、各ブロックの会議に
 出席し、情報交換等を行った。

7.各種会議会合等
 省略


平成24年度山村振興関連予算・施策の要望

 山村地域の振興につきましては、日頃から格別の御配慮を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、この度の東日本大震災等に伴い、多くの振興山村市町村が被災市町村となっております。国におかれては、一刻も速やかに復興対策に力を注いでいただきたく、要望致します。
 また、大震災等による被災市町村における産業の不振から国全体の経済・景気が低迷してきておりますが、このような中でも、最も厳しく影響を受けるのが、もともと経済基盤の脆弱な振興山村市町村であります。
 すなわち、山村地域は、道路、情報通信、生活環境等の整備水準は全国に比べて低位な状況にあり、農林漁業の低迷、地場産業の停滞等により過疎化・高齢化が急激に進展しており、耕作放棄地の増大、森林の荒廃、鳥獣害の多発、集落の崩壊・機能の低下等危機的な状況にあります。
 このような状況に対処するため、山村自治体は山村振興法に基づき、最大限の努力をしていますが、財政事情は極めて厳しくなっております。
このため、政府・国会におかれては、この度の大震災等の経験を踏まえ、山村地域の振興を図ることこそが、国全体の発展につながるということを十分ご認識いただき、山村振興を国の重点課題に据えて、下記事項の実現を図っていただくよう強く要望致します。


T 山村振興対策の総合的・計画的推進及び山村地域の活性化

 1.山村振興計画に基づき、関係省庁の一層の連携強化のもと、山村振興対策を総合
  的かつ計画的に推進すること。
 2.振興山村における農林水産業等地域産業の振興、生活環境の向上等を図るための
  施設の整備に対する助成措置(農山漁村活性化プロジェクト支援交付金による支援措
  置等)の充実・強化を図るとともに、自立的な地域活性化を支える人材育成への支援
  に取り組むこと。
 3.山村地域の活性化を図るために不可欠な辺地対策事業債及び過疎対策事業債の
  十分な確保を図ること。
 4.農山漁村地域活性化対策、森林・林業振興対策(以上「地方財政措置」)の充実・強
  化を図ること。

U 多面的・公益的機能の持続的発揮

 1.山村の果たしている重要な役割について児童生徒を含め国民一般の理解を深める
  ための教育・啓発・普及対策の充実・強化を図ること。
 2「中山間地域等直接支払制度」については、安定的な農業生産活動の体制整備に向
  け、一層の充実・強化を図ること。
   また、「農地・水・環境保全向上対策」の充実・強化を図ること。
 3.耕作放棄地の再生等を支援する対策の充実・強化を図ること。
 4.集落機能の活性化を図るための方策の充実・強化を図ること。
 5.わが国の地球温暖化防止対策において森林が二酸化炭素吸収源として大きな役割
  を担うことを踏まえ、間伐等森林の整備・保全、木材利用の推進等の対策の充実・強
  化を図ること。
 6.計画的な搬出間伐等の森林施業とこれと一体的となった森林作業道の開設を直接
  支援する森林環境保全直接支払支援事業の充実・強化を図ること。
   また、森林所有者等による計画的な森林施業が適切に行われることを確保するた
  め、森林整備地域活動支援交付金事業の充実・強化を図ること。
 7.水源のかん養、自然環境の保持等国土保全に資する事業を対象とした「国土保全対
  策」(地方財政措置)の継続実施を図ること。
 8.導入が検討されている地球温暖化対策税については、その税収の使途に森林吸収
  源対策及び森林を支える山村地域の活性化対策を明確に位置づけること。
 9.国土保全や生活環境整備を図るため、治山、治水及び砂防対策の充実・強化を図
  ること。

V 山村と都市との共生・対流

 1.グリーン・ツーリズムの一層の普及を行うとともに、地域ぐるみで行う受入体制や交
  流空間の整備及びNPO法人等の多様な取組主体の育成等グリーン・ツーリズムの総
  合的な推進を図ること。
 2.幅広い国民の山村におけるボランティア活動を促進するための対策の充実・強化を
  図ること。
 3.学校教育・社会教育において自然豊かな山村での体験活動を推進するため、「子ど
  も農山漁村交流プロジェクト」をはじめとした対策の充実・強化を図るとともに、大学生
  等に対する対策も講ずること。
W 道路、情報通信基盤の整備
 1.山村地域の産業、生活基盤として不可欠な高規格幹線道路、地域高規格道路、一
  般国道及び都道府県道の整備、特に、市町村道の改良・舗装等、立ち遅れている山
  村地域の道路整備を促進すること。また、基幹的な幹線市町村道路の整備の都道府
  県代行に対する助成措置を講ずること。
 2.道路整備のための財源を十分に確保し、特に、地方における道路財源の充実を図
  ること。
 3.携帯電話不通地域の解消、インターネットのブロードバンド接続可能地域の拡大並
  びに地上デジタル放送への円滑な移行に対する支援等デジタルディバイドの解消を図
  るための高度情報ネットワークその他通信体系の充実・強化を図ること。特に、地上デ
  ジタル放送については、現行アナログ放送で視聴可能なものはデジタル放送移行後も
  新たな負担無しに視聴できるよう配慮すること。

X 産業の振興、地域資源の活用
 1.農林業の振興、山村地域の資源を活用した地場産業の育成、間伐材等の未利用の
  木質バイオマス資源の活用、企業の誘致等による山村地域の産業の総合的振興を図
  るための施策の充実・強化を図ること。
 2.森林資源の循環利用による林業・木材産業の振興を図るため、地域材の一般住宅
  への利用促進及び公共施設等の木材化推進のための支援制度を拡充(建築基準法、
  消防法等の要件緩和等)する等、貿易対策を含め木材の生産・加工・流通・消費に至
  る一貫した対策の一層の充実・強化を図ること。
 3.緑の雇用担い手対策事業、「農」の雇用事業等山村地域における産業の担い手の
  育成・確保対策の充実・強化を図ること。
 4.森林・林業へのUJIターン者等の定住を確保するため、森林資源等を活かした新た
  な産業の創出に対する支援を継続するとともに、都市と山村の多様な主体が連携して
  行う山村の活性化に資する取り組みに対する支援の充実・強化を図ること。
 5.山村の高齢者がその実態に応じて地域社会の活動に積極的に参加できる機会を確
  保するための対策の充実を図ること。
 6.雇用機会の確保を図るため、商工業、観光業などの産業立地促進のための抜本的
  な対策の確立を図ること。
 7.農林漁業者や中小企業者の有機的な連携を強化するため、農商工等連携のための
  対策の充実・強化を図ること。
 8.鳥獣被害の深刻化に鑑み、関係する法律の改正も含め、被害防止に関する対策の
  充実・強化を図ること。

Y 生活環境の整備
 1.山村地域住民の生活交通を確保するため、地方バス路線維持、デマンドバスシステ
  ムの導入等対策の充実・強化を図ること。
 2.山村の簡易水道等施設の整備促進を図ること。
 3.山村地域の実情に応じて汚水処理施設の整備促進を図ること。
 4.廃棄物処理施設の整備を推進するため、助成措置を講ずること。
  また、廃棄物処理施設の解体に対しては、適切な措置を講ずること。
 5.消防力の充実を図るため、消防施設等整備に対する助成措置を講ずること。

Z 医療・保健・福祉対策
 1.山村地域の小児科医を含めた医師の確保に万全を期すこと。へき地診療所等の運
  営、医療施設・保健衛生施設の整備、医師及び看護師の養成・確保に対する助成措
  置の充実・強化を図ること。
 2.へき地保育所の運営、高齢者等の社会福祉施設整備、社会福祉関係職員等の養
  成・確保に対する助成措置の充実・強化を図ること。

[ 教育・文化
 1.公立学校施設整備、スクールバス等の購入に対する助成措置を講ずること。
 2.寄宿舎居住費等へき地児童生徒に対する助成措置を講ずること。
 3.山村地域の文化財の保護等に対する財政措置を講ずること。

\ 山村地域の自主性の確立
 1.財源保障機能及び財源調整機能を果たす地方交付税制度の充実・強化を図り、所
  要額を確保すること。
 2.基準財政需要額の算定に当たっては、山村自治体が人口割合に比べて広い面積を
  有し、国土保全、地球温暖化防止等に重要な役割を果たしていることを考慮し、面積
  要素を重視するなど、山村地域の実情に即したものとすること。
 3.独自の発想に基づく山村振興を助長するため、山村地域の自主性を尊重する助成
  措置、規制緩和措置等の幅広い導入を図ること。

] TPP
 山村地域に壊滅的打撃を与えるTPPには、参加しないこと。



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