全国山村振興連盟の平成23年度通常総会は、12月2日(木)午前10時30分から千代田区隼町のグランドアーク半蔵門4階の富士東において、森本哲生 農林水産大臣政務官をはじめ衆参国会議員、政府関係者、友好団体等の来賓多数の出席のもとに連盟会員、支部事務局員など360余名が出席して盛大に行われた。
 会場正面には、「山村振興関連施策の一層の充実・強化を図ること」、「地方交付税制度を強化し、所要額を確保すること」、「森林吸収源対策、再生可能エネルギー対策の地方税財源を確保すること」、「山村地域に壊滅的打撃を与えるTPPには、参加しないこと」のスローガンが掲げられた。
 総会は、最初に松島貞治副会長(長野県泰阜村長)が「本年は東日本大震災、私ども長野県では北部地震、台風による豪雨災害、大変な一年でございました。被災した皆さんに心からお見舞い申し上げるところでございます。改めて、山村地域の足腰を強くしなければならないというふうに思った次第でございます。どうか会員のお集まりの皆様、また、ご来賓の各位と力を合わせて住みよい山村づくりのスタートとなる総会になることをご祈念申し上げて開会の挨拶とさせていただきます。」との開会の辞を述べた。
 次に、中谷 元 会長が開会の挨拶を行い、御来賓の森本哲生 農林水産大臣政務官、 衆議院議員 谷 公一 先生(自由民主党山村振興特別委員会 事務局長)、藤原忠彦 全国町村会長からそれぞれ祝辞が述べられた。
 続いて、出席された国会議員、政府関係者、友好団体の来賓紹介が行われた。
 次に、北海道白糠町の棚野孝夫町長から「白糠町におけるヤナギの栽培と木質資源としての利活用について」、高知県大豊町の岩ア憲郎町長から、「ゆとりすとカントリー「おおとよ」と題した事例報告が行われた。
 なお、報告の内容については、平成23年1月1日号の山村振興情報に掲載します。

 脇本哲也会長代行(北海道知内町長)が議長となって議事に入り、次の議案が審議された。
 ○ 第1号議案「平成24年度山村振興関連予算・施策の要望(案)に関する件」
   岸 廣昭事務局長から説明を行い、原案どおり可決された。
 ○ 第2号議案「決議(案)」
   今井良博 副会長(岐阜県白川町長)から提案され、原案どおり可決された。
 以上で議事を終了した。

 岩部 茂 副会長(岩手県九戸村長)が「本日決定された、我々の要望を実現するために強力に運動を展開してまいります」との閉会の辞を述べ、同副会長の発声により万歳を三唱し、総会を終了した。

 総会終了後、可決された要望事項について、連盟の町村長副会長が関係省庁及び国会議員に対し、各支部では地元選出の国会議員等に対しそれぞれ要請活動を行った。
 当日の会長挨拶、来賓祝辞、可決された要望書、決議等は以下のとおりとなっている。

【中谷 元 会長挨拶】
 皆さんおはようございます。今日から12月師走というにもかかわらず大変暖かく、また、この会場も熱気むんむんでありますが、まだ冬の気配感じられないくらい暖冬で、地球温暖化もすすんでいるという気がするわけでございます。
 本日は、公務ご多忙の中森本農林水産大臣政務官をはじめ衆参の国会議員の先生方、関係省庁の代表の皆さん、そして会員の皆さん各地から多数お集まり頂きまして、本当に有り難うございます。
 今年は、東日本大震災、また大型台風の襲来によりまして自然災害が多い年でございました。まずもって、災害に遭われました地域の皆様方に心からお見舞いを申し上げますとともに、復旧・復興に政府関係機関が全力で取り組んでおられ、また、今後の対応等も心から要望する次第であります。
 私は今年を漢字一文字で表現するとすれば「恵」、めぐむを挙げたいと思います。というのは、災害の時に全国各地で日本人同志が、村の住民が危機意識を共有をしまして、お互いが助け合い限られた資源を節約しあい、自然と共存をし、日本民族の原点である大和心である自然崇拝の文化が発揮され、世界から日本人の人格、協調性、これは大変すばらしいと高い評価を受けたわけでございます。恵みの心、それを育くみ育ててきたのはまさに日本のふるさとであり、食料、緑、水の源であり、山村地域における文化と生活でございます。古来から伝わるふるさとの祭りには日本人を元気にする力があり、私も参加するたびに心が洗われ、襟が正され、リセットされ、回復する機会を与えてくれるのであります。 日本の山村はまさに神が宿る心の即効薬であり、失われたら二度と回復できない、これまでの祖先が積み上げた山の神の地であり、神聖な場所であると思うからでございます。 我々はこれまでの経済効率最優先の発想を転換し、日本人の価値観を守ってきた山村地域の役割が見直されなければならない時代になったという認識を共有しなければなりません。
 TPPの議論でも話題になりましたが、私はこう言いたいです。人口のわずか数パーセントの人達が国土の半分を占めている農山村を守る、このことが国の基本政策の中でいかに重要な位置にあるのか。自由化という地方を疲弊させ、物質文明の自然淘汰の流れからふるさとを守っていくことの重要性を国民の間に強く広げるための今は議論の時ではないかと思うわけでございます。
 戦後の日本は、地方からの人口流出に歯止めがかからず、今や出生率は1.39となりました。地方の過疎市町村数は全国1,788市町村のうち732市町村となり全体の40.9%を占めています。65歳以上の高齢者が人口の過半数を占める限界集落、これは急速に増加をしており、10年以内に消滅する可能性のある集落も多数存在をしております。
 厳しい財政事情の中で、我々はふるさとを守っていかなければなりません。このためには、森林環境税の創設、道路の整備、地方バス路線の確保、難視聴地域の解消、地域医療機関の充実など、今日お集まりの地方の市町村長さんそして国会議員、我々が心をひとつにして一丸となって地方交付税の重点配分などの税財政措置を講じ、その財源を確保し、農山村振興対策の充実・強化を政府に求め、国民に対し理解を求めていかなければなりません。
 本日は、副会長の北海道白糠町の棚野町長さん、高知県大豊町の岩ア町長さんから山村振興の実践策を発表していただき、その処方箋に至るお知恵を借りたいと思います。
 一人ではなくて皆が力を合わせる。皆さんとともにお互い危機感を共有し山村地域が元気に住民に力を得るよう、そして人間力が発揮できる施策が実現できるように、それぞれが日本一幸せな村を目指し、全国山村振興連盟として取り組んでいこうではありませんでしょうか。会員皆様の一層のご理解とご支援、ご協力を賜るようお願いしまして、通常総会開会のご挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願い致します。

【森本哲生 農林水産大臣政務官挨拶】
 おはようございます。農林水産大臣政務官の森本哲生でございます。本日ここに全国山村振興連盟平成23年度通常総会が開催されるに当たり、一言御挨拶を申し上げます。
まず、東日本大震災、また、その後の相次ぐ災害により被災された方々、そしてお亡くなりになられた方々に、心よりご冥福をお祈り申し上げますとともにお見舞いを申し上げる次第でございます。大変現地でご苦労され方が今日も沢山お見えになると思います。お体も本当に大変でございますし、どうぞこれからもまだまだ続くこうした大変な状況でございますのでご自愛いただかれて頑張っていただきますことをお願い申し上げます。
 私共この震災直後、鹿野大臣を中心に食料等の供給をはじめ、農地の復旧に全力を傾注してきたところであります。先月21日第3次補正予算が成立しました。1次、2次、3次を含めますと18兆円ありますが、そのうち約1.5兆円が農林水産省の担当の分野でございます。今日お見えの自民党の宮腰筆頭理事、私も大変お世話になっておりますが、こうした予算の執行に全力を傾注していかなければならないというふうに思っております。公明党の石田先生も私がまだ駆け出しの頃ご指導いただいた先生でございますので、こうした先生とともに力を合わせて頑張っていかなければならないと思っております。
 市町村長さんにおかれましては、本当にこれからもいろんな面で連携を取っていただきますことをお願い申し上げる次第であります。
 今、中谷会長からお話のありました国土面積の約5割を占める農山村が、食料や木材の供給を始めとして、自然環境の保全や伝統文化の保存など多面的機能の発揮により、重要な役割を果たしておられるということはいうまでもありません。
 しかしながら、この山村を取り巻く環境、過疎化、高齢化、極めて深刻な少子化にみまわれながら、今私どものまちでも有害鳥獣の被害は非常に深刻であります。幼い頃にはサルは檻の中、しかし今は人間が檻の中で農作物を作るというこんな光景をまさか62才になって見るとは想像もしなかったことでわけであります。そうしたことを私どもは、この6次産業化、戸別所得補償制度をあわせていろんな施策を取っているところでございます。特に今年度におきましては、条件不利地域の中山間地域等直接支払制度、しかしこれとてわずかであります。傾斜地以外の条件不利地が支援対象となるようにこうしたところは拡充を図ってきたわけであります。
 山村における主要な産業である林業・木材産業につきましては、「森林・林業再生プラン」と今年7月に変更した「森林・林業基本計画」に基づいて、森林施業の集約化、人材の育成、国産材利用の推進などにより再生を図っていくこととしております。
 ただ、農林水産省が受け持つ分野ではこの私は山村の活性化、まあ再生といえば私はお叱りを頂くかもしれませんが、このことはなかなか極めて難しい問題であると思っております。
 ただ、東日本大震災で私どもはあまりにも大きなものを失った。しかし、その中にあって私達人間として教えられることが非常に多かったということも事実であります。自然との共生の中でどう人間が謙虚に感謝して生きるかということ、そうしたことも私は大きな日本の宝、そうしてまた皆さんがこれから知恵を出していただかなければならない日本の農山村のこうした厳しい環境にあるところ、宝の山でもあるわけであります。ですからここのところ人間として21世紀をどう生きるかという観点に立って、これから私どもは生きていかなければならない。そのためには、省庁力を合わせて連携をさらに深めながら頑張っていくということが大事だという認識に立っているわけであります。 
 豊かな心や思いやりの絆、それは地域社会の中から生まれてきます。おそらく東北から素晴らしい人物が私は21世紀に出てこられるだろうと思っております。そうした夢の世界を私も夢見ながら国会議員としてなにをするかということをしっかり頑張っていく所存でございます。どうぞ、皆様方、心を痛め厳しい環境の中でご尽力いただいておりますことに心より敬意と感謝を申し上げながら今日のご挨拶といたしますが、どうぞ、この農山村皆様方なにとぞお力添えいただいていい地域にしていただきますことをお願い申し上げます。私どももそのことに全力を挙げて支援といえば失礼かと存じますが、共に歩んでまいりたいと存じます。今日はご挨拶の機会をいただきましたこと、本当に私自身は、農山村に住んで今も過疎地にに住んでおる人間として嬉しいかぎりでありますし、今日申し上げたことしっかりお約束をさせていただいて、お誓いを申し上げる、そのことを申し上げて一言ご挨拶にかえさせていただきます
 今日はどうもご苦労さまでございます。

【衆議院議員 谷 公一 先生挨拶(自由民主党山村振興特別委員会 事務局長)】

 衆議院議員 自由民主党の谷 公一でございます。私、党の山村振興特別委員会事務局長という立場でございますので、今日は大先輩、先輩の先生方が沢山おられますけれども、 役目から代表しまして一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
 中谷会長の話にもございましたように、今年は大変な年でございました。おそらく、我々が生きている間、3月11日という日は忘れてはいけない日として、日本のみならず、世界の方々に語り継がれる日となると思います。
 この大震災でお亡くなりになりまた被災されました方々に衷心より哀悼の意を表しますとともに、心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
 私も16年前、神戸で大震災に遭遇いたしましたが、何度か被災地へ行く度に神戸の比ではない、もっともっと大変なエネルギーを、熱意とお金とそういったものをを導入しなければ再生は厳しいという実感を抱いております。しっかりと今後とも粘り強く被災地を忘れることなく、頑張らねばという思いを新たにしているところであります。神戸の場合は比較的早く東京なり首都圏の方々は忘れられました。3月下旬のサリン事件があってから人々の関心はそちらの方に移ってしまいました。そういうことがないように我々国会議員としてもしっかり目配りをしながら頑張らねばと思っているところでございます。
 丁度9ケ月近くになります。9ケ月、10ケ月というのは、私も当時、神戸にいて兵庫県にいましたけれども、そういう頃に夜食事をしている時に倒れました。救急車が呼ばれました。ほっと一息という時が危ないと思います。町長さん方あるいは村長さん方もどうか今の時期十分気をつけていただいて今後とも復旧・復興に全力を挙げていただくようお願い致すところでございます。
 国会の方でも、政府の方、今、政務官の方からお話がございましたように、一次、二次補正予算に続きまして、三次補正予算も成立致しました。やや遅いとかいう話は致しません。党派を超えて、予算そして関連法案の成立に今なお取り組んでいるところでございます。今度の国会でも、予算の裏付けとなる復興債あるいは関連税制、また、二重ローンの救済法が成立し、特別区法案はすでに衆議院で通って現在参議院で審議中でございますし、残された復興庁設置法案につきましても大きな方向で一致されつつあるところでございます。なんとしてもそういう制度的な枠組みは早く成立させて、一日でも早いといいますか、とにかく、希望が見えるような復興のつち音が聞けるようなそういう条件整備を国として、国会としてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 この我々の山村地域、私も兵庫の北部に生まれ育ちましたが、様々な課題があり、これからの議事あるいは決議案にありますように様々なことを国に要望し、自分達も汗をかかなければならない課題が山積しているところであります。それは山村地域、我々の地域の問題でもありますけれども、国全体の問題と概ね共通しているところも多々ございます。少子高齢化あるいは財政の逼迫、これは山村地域だけではございませんけれども、しかし山村地域、そういう弱い地域が露わに厳しい形で影響を受けるということもまた事実であります。しっかりとこの地域の厳しい状況を打破すべく、中谷会長の話にもございましたように、林業それから森林にもっともっと力を入れること、そして喫緊の鳥獣被害対策あるいは社会基盤の整備、そういったことにもしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 幸い懸念しておりました、一括交付金を市町村にも適用するという政府の話は来年度はなくなったようであります。都道府県と政令都市だけに止めるということのようでございます。美名のもとに結果的に財政力の弱い振興山村地域が影響を受けるようなことはあってはならないと、そういう思いで我々党派を超えてしっかりと頑張らなければならないと思っているところでございます。
 直近の現下の大きな問題でございますTPPの問題につきましても、この我々の山村地域に大変大きな影響を及ぼすということが懸念されるところでございます。安易に前のめり参加するようなことは我々の地域の振興と相反することとなりますので、しっかりと情報公開を求め、また、農業をはじめとする基盤の強化を図ることが必要だと思っているところでございます。引き続き、我々も立法府、国民に選ばれた国会議員の一員として、皆様とともに思いをしっかり受け止めながら、今後とも頑張り抜くということをお誓い申し上げ、一言お祝いのご挨拶にかえさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。

【藤原忠彦 全国町村会長挨拶(長野県川上村長)】
 全国町村会長の藤原でございます。一言ご挨拶を申し上げます。
 本日ここに、全国山村振興連盟の平成23年度年度通常総会が関係者多数のご出席のもと、盛大に開催されますことは誠に意義深く、心からお慶び申し上げます。
 また、皆様方には、日頃より全国町村会の活動に格別なご支援を頂いておりまして、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。
 はじめに、東日本大震災や度重なる豪雨災害などにより被災されました山村地域や関係者の方々に対しまして、衷心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興と再生を心よりお祈り申し上げます。
 さて、本年は国連が定めた「国際森林年」であり、「持続可能な森林管理と利用」が目的とされております。国土の半分以上を森林・山村が占める我が国におきましては、国土の保全や水源かん養など多くの面で果たす森林・山村の役割は、諸外国と比べても大きなものとなっております。しかし、木材自給率の低迷や地場産業の衰退などにより、年々、森林・山村を取り巻く状況は厳しさを増しており、「国際森林年」が目的とする「持続可能な森林管理」のあり方が、今正に問い直されております。
 政府におきましては、このような現状を打開するために策定した「森林・林業再生プラン」の実現に向け、本年度より、「森林管理・環境保全直接支払制度」をスター トさせております。施業の集約化、路網整備や搬出間伐等の新たな取り組みが計画的に実施され、森林・山村が再生の方向に歩み出すことができるよう、地域の実情に配慮しつつ、今後とも継続的に実施して頂く必要があります。
 また、第三次補正予算においては、従来の「森林整備加速化基金」を延長する形で、「復興木材安定供給対策」が盛り込まれました。この対策では、これまでの森林整備の継続実施のほか、被災地における住宅建設等に必要な木材の安定供給体制の整備が目的とされておりますが、自由度の高い予算として地域の実情に応じた活用が期待されております。
 私は、地元の長野県で森林組合長も務めておりますが、森林は手入れがしっかりしておれば未来永劫に再生できる「循環資源」であると、日々感じております。我が国全体として森林の蓄積量は年々増加しておりますが、これを有効に活用するためには、公共建築物への地場木材の活用のほか、木質バイオマスとしての活用や生物多様性への貢献など様々な工夫や知恵が求められております。まずは、森林・山村が「資源の宝庫」であり、成長の可能性を秘めていることを改めて見つめ直す必要があります。あわせて、山村の人々の生活基盤や社会資本の整備に力を注ぐ必要があることは言うまでもありません。
 全国町村会としても、皆様方と力を合わせ、「住んでみたくなる山村」、「国民に潤いと安らぎを与える山村」の実現を目指し、努力を重ねていく所存でございます。
 結びに、貴連盟のますますのご発展と、ご参集の皆様方のご活躍を祈念いたしまして、お祝いのご挨拶といたします。
 今日は本当におめでとうございます。


平成24年度山村振興関連予算・施策に関する要望書

 山村地域の振興につきましては、日頃から格別の御配慮を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、この度の東日本大震災等に伴い、被災市町村における産業の不振から国全体の経済・景気が低迷してきておりますが、このような中でも、最も厳しく影響を受けるのが、もともと経済基盤の脆弱な山村地域の市町村であります。
 すなわち、山村地域は、道路、情報通信、生活環境等の整備水準は全国に比べて低位な状況にあり、農林漁業の低迷、地場産業の停滞等により過疎化・高齢化が急激に進展しており、耕作放棄地の増大、森林の荒廃、鳥獣害の多発、集落の崩壊・機能の低下等危機的な状況にあります。
 このような状況に対処するため、山村自治体は山村振興法に基づき、最大限の努力をしていますが、財政事情は極めて厳しくなっております。
このため、政府・国会におかれては、この度の大震災等の経験を踏まえ、山村地域の振興を図ることこそが、国全体の発展につながるということを十分ご認識いただき、山村振興を国の重点課題に据えて、下記事項の実現を図っていただくよう強く要望致します。



T 東日本大震災等の復旧・復興対策
 1.東日本大震災については、関係省庁連携のもと、被害が生じた山村地域における復
   旧・復 興対策を早急かつ強力に推進すること。特に原発事故放射性物質の防除等
   を早急に行う等山 村地域の住民の安全の回復を推進すること。
 2.最近、台風等による災害が多発しており、その復旧・復興を早急かつ強力に推進す
   るととも に、公共事業の集中実施等により災害に強い山村づくりを推進すること。
U 山村振興対策の総合的・計画的推進及び山村地域の活性化
 1.山村振興計画に基づき、関係省庁の一層の連携強化のもと、山村振興対策を総合
   的かつ計 画的に推進すること。
 2.山村地域における農林水産業等地域産業の振興、生活環境の向上等を図るための
   施設の整 備に対する助成措置(農山漁村活性化プロジェクト支援交付金による支援
   措置等)の充実・強 化を図るとともに、自立的な地域活性化を支える人材育成への
   支援に取り組むこと。
 3.山村地域の活性化を図るために不可欠な辺地対策事業債及び過疎対策事業債の
   支援十分な確保を図ること。
 4.農山漁村地域活性化対策、森林・林業振興対策(以上「地方財政措置」)の充実・強
   化を 図ること。
V 多面的・公益的機能の持続的発揮
 1.山村の果たしている重要な役割について児童生徒を含め国民一般の理解を深める
   ための教育・啓発・普及対策の充実・強化を図ること。
 2.「中山間地域等直接支払制度」については、安定的な農業生産活動の体制整備に向
   け、一 層の充実・強化を図ること。
   また、「農地・水・環境保全向上対策」の充実・強化を図ること。
 3.耕作放棄地の再生等を支援する対策の充実・強化を図ること。
 4.集落機能の活性化を図るための方策の充実・強化を図ること。
 5.わが国の地球温暖化防止対策において森林が二酸化炭素吸収源として大きな役割
   を担うことを踏まえ、間伐等森林の整備・保全、木材利用の推進等の対策の充実・強
   化を図ること。
 6.計画的な搬出間伐等の森林施業とこれと一体的となった森林作業道の開設を直接
   支援する 森林環境保全直接支払支援事業の充実・強化を図ること。
   また、森林所有者等による計画的な森林施業が適切に行われることを確保するた
   め、森林整 備地域活動支援交付金事業の充実・強化を図ること。
 7.水源のかん養、自然環境の保持等国土保全に資する事業を対象とした「国土保全対
   策」(地 方財政措置)の継続実施を図ること。
 8.自然資源に恵まれた山村地域に期待される森林吸収源対策、再生可能エネルギー
   対策を強 力に推進するため、地方税財源を確保・充実する制度を創設すること。
 9.国土保全や生活環境整備を図るため、治山、治水及び砂防対策の充実・強化を図
  ること。
W 山村と都市との共生・対流
 1.グリーン・ツーリズムの一層の普及を行うとともに、地域ぐるみで行う受入体制や交
   流空間 の整備及びNPO法人等の多様な取組主体の育成等グリーン・ツーリズムの
   総合的な推進を図 ること。
 2.幅広い国民の山村におけるボランティア活動を促進するための対策の充実・強化を
   図るこ と。
 3.学校教育・社会教育において自然豊かな山村での体験活動を推進するため、「子ど
   も農山 漁村交流プロジェクト」をはじめとした対策の充実・強化を図るとともに、大学
   生等に対する対 策も講ずること。
X 道路、情報通信基盤の整備
 1.山村地域の産業、生活基盤として不可欠な高規格幹線道路、地域高規格道路、一
   般国道及 び都道府県道の整備、特に、市町村道の改良・舗装等、立ち遅れている
   山村地域の道路整 備を促進すること。また、基幹的な幹線市町村道路の整備の都
   道府県代行に対する助成措置 を講ずること。
 2.道路整備のための財源を十分に確保し、特に、地方における道路財源の充実を
   図ること。
 3.携帯電話不通地域の解消、インターネットのブロードバンド接続可能地域の拡大等
   デジタル ディバイドの解消を図るための高度情報ネットワークその他通信体系の充
   実・強化を図ること。
Y 産業の振興、地域資源の活用
 1.農林業の振興、山村地域の資源を活用した地場産業の育成、間伐材等の未利用の
   木質バ イオマス資源の活用、再生可能エネルギー対策の強化、企業の誘致等によ
   る山村地域の産業 の総合的振興を図るための施策の充実・強化を図ること。
 2.森林資源の循環利用による林業・木材産業の振興を図るため、地域材の一般住宅
   への利用 促進及び公共施設等の木材化推進のための支援制度を拡充(建築基準
   法、消防法等の要件 緩和等)するほか、特に円高が進む現在、外材に対抗し国産材
   消費の維持拡大を図るため、 川上から川下に至る一貫した林業、木材産業の振興
   策を講じるための基金の延長・積み増し を図るとともにその円滑な運用を図ること。
 3.森林・林業人材育成対策、新規就農総合支援対策等山村地域における産業の担い
   手の育 成・確保対策の充実・強化を図ること。
 4.森林・林業へのUJIターン者等の定住を確保するため、森林資源等を活かした新た
   な産業 の創出に対する支援を継続するとともに、都市と山村の多様な主体が連携し
   て行う山村の活性化に資する取り組みに対する支援の充実・強化を図ること。
 5.山村の高齢者がその実態に応じて地域社会の活動に積極的に参加できる機会を確
   保するた めの対策の充実を図ること。
 6.雇用機会の確保を図るため、商工業、観光業などの産業立地促進のための抜本的
   な対策の 確立を図ること。
 7.農林漁業者や中小企業者の有機的な連携を強化するため、農商工等連携のための
   対策の充 実・強化を図ること。
 8.鳥獣被害の深刻化に鑑み、関係する法律の改正も含め、被害防止に関する対策の
   充実・強 化を図ること。
Z 生活環境の整備
 1.山村地域住民の生活交通を確保するため、地方バス路線維持、デマンドバスシステ
   ムの導 入等対策の充実・強化を図ること。
 2.山村の簡易水道等施設の整備促進を図ること。
 3.山村地域の実情に応じて汚水処理施設の整備促進を図ること。
 4.廃棄物処理施設の整備を推進するため、助成措置を講ずること。
   また、廃棄物処理施設の解体に対しては、適切な措置を講ずること。
 5.消防力の充実を図るため、消防施設等整備に対する助成措置を講ずること。
[ 医療・保健・福祉対策
 1.山村地域の小児科医を含めた医師の確保に万全を期すこと。へき地診療所等の運
   営、医療 施設・保健衛生施設の整備、医師及び看護師の養成・確保に対する助成
   措置の充実・強化 を図ること。
 2.へき地保育所の運営、高齢者等の社会福祉施設整備、社会福祉関係職員等の養
   成・確保に対する助成措置の充実・強化を図ること。
\ 教育・文化
 1.公立学校施設整備、スクールバス等の購入に対する助成措置を講ずること。
 2.寄宿舎居住費等へき地児童生徒に対する助成措置を講ずること。
 3.山村地域の文化財の保護等に対する財政措置を講ずること。
] 山村地域の自主性の確立
 1.財源保障機能及び財源調整機能を果たす地方交付税制度の充実・強化を図り、所
   要額を確保すること。
 2.基準財政需要額の算定に当たっては、山村自治体が人口割合に比べて広い面積を
   有し、国土保全、地球温暖化防止等に重要な役割を果たしていることを考慮し、面積
   要素を重視するなど、山村地域の実情に即したものとすること。
 3.独自の発想に基づく山村振興を助長するため、山村地域の自主性を尊重する助成
   措置、規制緩和措置等の幅広い導入を図ること。
]T  TPP
 山村地域に壊滅的打撃を与えるTPPには、参加しないこと。


決  議

 この度の東日本大震災等に伴い、被災市町村における産業の不振から国全体の経済・景気が低迷してきている、このような中でも、最も厳しく影響を受けるのが、もともと経済基盤の脆弱な山村地域の市町村である。
 すなわち、山村地域は、道路、情報通信、生活環境等の整備水準は全国に比べて低位な状況にあり、農林漁業の低迷、地場産業の停滞等により過疎化・高齢化が急激に進展しており、耕作放棄地の増大、森林の荒廃、鳥獣害の多発、集落の崩壊・機能の低下等危機的な状況にある。
 このような状況に対処するため、山村自治体は山村振興法に基づき、最大限の努力をしているが、財政事情は極めて厳しくなっている。
このため、政府・国会におかれては、この度の大震災等の経験を踏まえ、山村地域の振興を図ることこそが、国全体の発展につながるということを十分ご認識いただき、山村振興を国の重点課題に据えて、下記事項の実現を図っていただくよう強く要望する。


1.東日本大震災等により被害が生じた山村地域における復旧・復興対策を早急かつ強
  力に推進すること。
1.「中山間地域等直接支払制度」の一層の充実・強化を図ること。
1.税財源の乏しい山村地域の実情に即した地方交付税制度の充実・強化を図り、所要
  額を確保すること。
1.間伐促進やバイオマスの利用、再生可能エネルギー対策の強化、企業の誘致等の産
  業振興施策の充実・強化を図ること。
1.農林水産業等地域産業の振興、生活環境の向上等を図るための施設の整備に対する
  助成措置の充実・強化を図ること。
1.川上から川下にいたる一貫した林業、木材産業の振興を図るための基金を積み増す
  等森林・林業対策の充実・強化を図ること。
1.鳥獣被害の深刻化に鑑み、関係法律の改正を含め、被害防止に関する対策の充実・
  強化を図ること。
1.道路整備のための財源を十分に確保し、特に、地方における道路財源の充実を図る
  こと。
1.高度情報通信ネットワークその他通信体系の充実・強化を図ること。
1.山村地域住民の生活交通を確保するため、地方バス路線維持、デマンドバスシステ
  ムの導入等対策の充実・強化を図ること。
1.山村地域における医師及び医療従事者の確保並びに関連施設の整備、運営等への
  助成措置の拡充・強化等の保健・医療・福祉対策の充実・強化を図ること。
1.森林吸収源対策、再生可能エネルギー対策を強力に推進するため、地方税財源を確
  保・充実する制度を創設すること。
1.山村地域に壊滅的打撃を与えるTPPには、参加しないこと。

  以上決議する。
   平成23年12月1日            全国山村振興連盟通常総会


◎御出席の国会議員(敬称略)
 衆議院議員  
   金 田 勝 年(比例東北)  吉 野 正 芳(比例東北)  宮 腰 光 寛(富山)    田野瀬 良太郎(奈良)    谷   公 一(比例近畿)  竹 下   亘(島根)    加 藤 勝 信(岡山)    中 谷   元(高知)    山 本 有 二(高知)    山 口 俊 一(比例四国)  金 子 恭 之(熊本)    中野渡 詔 子(比例東北)    吉 田 公 一(比例東北)  森 本 哲 生(三重)    仁 木 博 文(比例四国)    高 橋 英 行(比例四国)  石 田 祝 稔(比例四国)  道 休 誠一郎(比例九州)                                     (以上18名)
 参議院議員 
   岸   宏 一(山形)    岩 城 光 英(福島)    若 林 健 太(長野)    金 子 恵 美(福島)    藤 川 政 人(愛知)    柴 田   巧(比例)                                     (以上6名)   ◎秘書が出席の国会議員(敬称略)
 衆議院議員
   木 村 太 郎     江 渡 聡 徳     梶 山 弘 志     福 田 康 夫    小 渕 優 子     額 賀 福志郎     佐 田 玄一郎     井 上 信 治    森   英 介     山 本   拓     羽 田   孜     棚 橋 泰 文    金 子 一 義      三ツ矢 憲 生     古 屋 圭 司     高 市 早 苗    石 田 真 敏     石 破   茂     細 田 博 之     岸 田 文 雄    村 田 吉 隆     塩 崎 恭 久     山 本 公 一     麻 生 太 郎    保 利 耕 輔     坂 本 哲 志     江 藤   拓     小 里 泰 弘    岩 屋   毅     今 村 雅 弘     佐々木 隆 博     松 木けんこう    川 口   浩     橘   慶一郎      今 井 雅 人     若 泉 征 三    大 西 孝 典     村 上 誠一郎     玉 木 雄一郎      武 田 良 太    川 村  秀三郎                                      (以上41名)  参議院議員
   愛 知 治 郎     岡 田   広     長谷川 大 紋      中曽根 弘 文    山 本 一 太     松 村 龍 二     山 崎 正 昭      吉 田 博 美    藤 井 孝 男     鈴 木 政 二     世 耕 弘 成      岸   信 夫    山 本 順 三     加治屋 義 人     野 村 哲 郎      中 村 博 彦    佐 藤 信 秋     小 坂 憲 次     長谷川   岳      小 川 勝 也    上 野 通 子     岩 井 茂 樹     鶴 保 庸 介      青 木 一 彦    大 家 敏 志     金 子 原二郎     外 山   斎      宇 都 隆 史    松 下 新 平                                       (以上29名)
◎電報等を寄せられた国会議員(敬称略)
 衆議院議員 山 口 俊 一  参議院議員 橋 本 聖 子
 衆議院議員 川 口   浩
◎政府関係の出席者(敬称略)
 農林水産省  農村振興局長                實 重 重 実
        農村振興局農村政策部長           三 浦   進
        生産局鳥獣災害対策室長           森 澤 敏 哉
        農村振興局中山間地域振興課課長補佐     猪 股 英 史
        農村振興局中山間地域振興課調整係長     加 藤 邦 彦 
生産局鳥獣災害対策室鳥獣災害対策企画係長          濱屋敷   勉
 林野庁     長官                    皆 川 芳 嗣
        森林総合利用・山村振興室長         犬 塚 昌 良
         森林総合利用・山村振興室森林環境教育推進官 寺 村   智
 総務省     自治行政局地域力創造グループ地域振興室長  濱 田 厚 史
 環境省    廃棄物・リサイクル対策部浄化槽推進室長   藤 塚 哲 朗
        自然環境局野生生物課鳥獣保護業務室長    宮 澤 俊 輔
 文部科学省  文教施設企画部施設助成課振興地域係長    蒲 田   仁
 
◎友好団体(敬称略)
 全国過疎地域自立促進連盟事務局長             西 原 嘉 彦
 全国離島振興協議会調査研究部長              仲 田 成 徳
 全国都道府県議会議長会調査1部主事            田 中 雅 之



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