東京都檜原村
(東京都檜原村について)
 檜原村は、東京都の西に位置し、一部を神奈川県と山梨県に接しています。周囲を急峻な山嶺に囲まれ総面積の93%が林野で、ほんの一部にしか水田がありません。自主的な畑作が多いところでイモ類の栽培が多いところです。村の大半が秩父多摩甲斐国立公園に指定されています。
 檜原村は自然の宝庫で、奥秋川の清流と奥深い山々は、格好の繁殖地として多くの鳥獣や植物が東京の中で見ることができる数少ない貴重なところです。

(村の農作物被害の現状について)
檜原村における農作物被害金額
縦軸単位(千円)、横軸単位(年度)
  檜原村には、多種多様な動物が生息していますが、その内農業被害を与える動物としては、サル、イノシシ、シカ、ハクビシン、タヌキ、アナグマ等があります。サルは昭和の初期の調査では、1群80頭ほど確認されていましたが、現在は、分かっているだけで7群生息しています。昭和40年代より鳥獣害の報告はありましたが、平成5、6年頃より被害が目立ち始め、ピークの11年頃には9,791千円の農業被害がありました。その後は、獣害対策事業の効果が見えはじめ被害金額は徐々に減少している傾向にあります。平成15年度の被害金額は、4,181千円です。昔の人にきくと昔はサルなど出てこなかったという人も結構多い。里に出てくる一つの要因として、昔はとっていたが果樹などが、高齢化で実の取り残しなどが増え、それを目当てに鳥獣が里に来るということもひとつの要因だと考えられます。

(村が行っている主な対策について)
村で整備している電気柵
(檜原村提供)
 現在、檜原村で行っている獣害対策は、電気柵(サル用)の整備を平成9年度より行って、平成16年度までに整備した総延長は約11.2kmになります。この電気柵は、30a以上の畑で、受益者が3人以上の畑に設定することができ、村内の該当する所の整備が行われいます。電気柵の整備は、平成17年度末をもって完了予定です。また、さらに、サルに発信機を装着し、畑への出没を未然に防追ぐい払い事業を平成14年度より行っています。サルに発信器をつけていて、そのデータを地図に記入して、追い払いに活用しています。この追い払いに関しては、年間を通して130日ほど、専門の人を2人雇っています(猟友会会員)。そして、なるべく人を変えないようにしています。それは、人が変わるとサルの居場所情報などの引き継ぎなどがうまくいかない場合もあるからで、効率的な追い払いを心がけています。
また、電気柵(サル用)の設置を行えない小規模畑への対策として、猪侵入防止簡易電気柵を無償で平成14年度から貸し出し、現在までに141セット貸し出しています。現在ほぼ希望者全員に行きわたっている状態です。
イノシシの捕獲
(檜原村提供)
そして、東京都へは有害鳥獣捕獲の申請を行い、農作物被害を与える個体の捕獲も行っています。例えば普段イノシシは里に出てきて見ることはありませんが、疥癬(かいせん)病などにかかり個体が弱り、里に下りてくるイノシシなどは病気がうつったり危険な場合もあるので捕獲を行っています。鳥獣害対策の初期の段階では、地域で講習会を開くなどの啓発活動を行い、また、奥多摩町ら近隣4市町村と合同でパンフレットなど作成し、鳥獣害対策の情報提供を行っています。また、アンケート調査も実施し、データの収集もし対策に役立てています。

(鳥獣害対策において、住民への情報伝達及び協力体制はどのようなことが必要か)
 現在、住民への情報伝達は、広報による周知だけです。協力体制は、加害鳥獣が出没した場合の役場への連絡・通報を行ってもらっています。
 これからの対策として必要なことは、情報伝達としては、発信機や住民からの通報から得た出没情報をホームページに掲載するなど常に最新の出没状況を周知することが大切です。また、協力体制としては、住民による自己防衛が必要です。例えば、加害鳥獣を見たらすぐ自分で追い払ったり、農作物の取り残しや果樹のもぎ残し等をなくすことにより、加害鳥獣の誘引を防ぐなどの取組をしていかなければなりません。

(野生鳥獣と人間(地域)が共生していくためにはどのようなことが必要か?どうすべきか?)
 野生鳥獣と人間が共生していくために必要なことは、住み分けであると思われます。人里(人間社会)に野生鳥獣が来たら、人が徹底的に山へ追い払ったり、人に危害を加えたり、または、疹癖等の病気に感染しているような個体に関しては、駆除を行なう必要があます。また、戦後の拡大造林により山林の多くは、人工林(特に杉・檜等の針葉樹)となり、山の木の実等が減り、エサ不足であるため、木の実を多く成らせる広葉樹を増やすことも必要であると思われます。しかし、地球の温暖化により越冬しやすくなり、肉食動物の絶滅した日本では、野生鳥獣は爆発的に増加している傾向にあり、追い払いや山のエサを増やすだけでは住み分けは行えない状況です。住み分けを行うためには、狩猟や駆除を行ない適切な頭数管理を行うことが重要です。

(キーワード、将来展望)
 先にもいいましたが、『適切な頭数管理』こそが、野生鳥獣と人が共生していくキーワードと考えます。檜原村では電気柵の配布が一段落した状態で、鳥獣害対策に、追い払いが効果を上げているので、今後は年間200日程度に増やす予定です。

*この文章は、東京都檜原村役場鳥獣害対策担当者のお話を中心に短くまとめたものです。
*掲載されている写真は東京都檜原村よりお借りしたもので、転用禁止

さらに詳しいことを知りたい方は、
東京都檜原村役場 
〒190-0212 東京都西多摩郡檜原村467-1
TEL 042-598-1011(代表)

URL http://www.vill.hinohara.tokyo.jp/

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