宮城県七ヶ宿町
(宮城県七ケ宿町について)
 七ケ宿町は宮城県の県南部にあり、福島県と山形県に接していて、新幹線の白石蔵王駅よりバスで50分のところに位置しています。江戸時代は、陸奥・出羽の諸大名の参勤交代の要路として羽州街道と奥州街道を結ぶ街道の宿場町として栄えていました。この街道沿いに7つの宿場が置かれ、七ヶ宿街道と呼ばれていたのが町名のいわれです。

(町の農作物被害の現状について)
七が宿町における農作物被害金額 縦軸単位(千円)、横軸単位(年度)
 
 町の農作物被害は主にサルとクマです。イノシシ、イノシシはこの地域にはいません。カモシカはいますが、これといった被害の報告はありません。
 サルの被害は昭和40年代から発生して増加しています。昭和60年頃までは福島県の県境にしかいないと思われていましたが、平成3〜5年の調査では増加し、群れも多くなっていることが分かりました。おそらくサルは里に出てきて農作物を食べるようになってからてから爆発的に増加したものと考えれれます。
。平成8年頃が被害のピークで、現在では電気柵をはじめとする様々な対策をおこなったため被害は落ち着きつつあります。一時は人家にまで侵入して仏壇のお供え物を食べるなどとういこともありました。山に比較的木の実などの食べ物が豊富にあるときは、比較的被害は少ないようです。ここ数年の被害金額は以下のようになっています。幸いにして、昨年度はそれほどの被害がありませんでした。


(町が行っている主な対策について)
町で整備している電気柵
(七ケ宿町提供)
 町では、対策として、爆音機、花火、ネットや柵などの対策を行いましたが、最終的には電気柵が一番有効な手段だろうということで落ち着きました。なぜ電気柵かというと、果樹農家が一番被害を受けていなく、その農家が行っていた対策が電気柵だったからです
 このように現在の対策に行き着くまで色々な対策を試行錯誤してみました。一番効果が期待できる電気柵は、平成10年より補助金を使って町が簡易電気柵を購入し、それを住民にレンタルする仕組みをつくりました。年間の自己負担額は、1haを囲める電気柵を1万円〜1万5千円の範囲で貸しています。当初非常に高かった電気柵も安くなってきて、導入しややすくなりました。町にある7集落で各1〜3セット貸し出していて、きちんと管理している所では被害は少なく、雑草を刈るなどの管理を怠っているところでは漏電して、サルに入られている状態です。また町ではレンタルしている電気柵以外に個人的に電気柵を設置するなどの対策をしたい人のために、町は1/2の補助金を出しています。10万円の柵は5万円で購入できるようになっています。
 その他の対策として、最近取り組んでいることは、地元の猟友会を中心に追い払い隊を結成し、6月中旬から11月中旬まで町内を巡回し、サルが出そうな場所に行ったり、現にサルが出現しているところへ出向き、追い払いを行っています。なぜ追い払いの時期が6月中旬からというと、この地域では山の食べ物がなくなる7月頃から毎年サルが出没しているので、その時期に被害を少なくするために事前に行動しています。11月中旬以降追い払いを行っていないのは、この町は雪が深いので冬には農業はできません。つまり里に来てもエサとなる農作物がないので、サルも里に出没しなくなります。山の中に生息域を移動させて、里で被害を及ぼすということははありません。
 また、被害がある場合は、駆除することもできます。この駆除に関していえば、申請の受付や許可は町がやっているので、早ければ1日ぐらいで許可が下りて駆除が可能で、迅速な対応が可能な状態になっています。

(鳥獣害対策において、住民への情報伝達及び協力体制はどのようなことが必要か)
(文面)
サルにエサをあたえないでください
七ケ宿では、毎年、野生ザルによる農作物への被害が深刻になっています。
野生のサルを見かけ“珍しい”“かわいい”“少しぐらいならいいだろう”とエサを与えていると、餌付けをしているのと同じことになり、楽にエサをもらうことになれてしまい、自然の中で生きられなくなってしまいます。
自然中でエサをトルコとを忘れてしまったサルは、エサを求め、人里に降りてきて農作物を食べ荒らすようになります。
かわいいサルが、かわいいままでいられるようにするためにも、サルにエサを与えないようにしてしてください。
また、不用意に捨てられたゴミもサルのエサとなりますので、ゴミのポイ捨てもしないで下さい。
サル被害対策チラシ
 (七ケ宿町提供)
 サルが出てくる季節になると住民にチラシを配布して注意を呼びかけています。また、昭和61年より鳥獣被害のアンケート調査を継続して、住民のサル被害に関する意識も高い。そして、町の中には7つの集落があり、この各集落とも家が密集した状態であるので、地域の連携がうまくいっていて、集団で防衛策をとっているのもサル対策に寄与しています。
 本当は、サルを捕まえて発信器をつけて居場所等を把握したいのですが、サルもなかなか賢くなりつかまらないのが現状です。各区長さんぐらいにはサルの居場所情報が分かるのが対策としては、本来好ましい姿でしょう。
 もうひとつサルに関する情報という点では、この町でかつて郵便局員をした方が、30年来この地域のサルを追いかけており、サルの位置や群れの情報などを正確に把握しています。その人の情報をもとにサルの動きを正確につかめているということも対策を進める上で大きな点です。

(野生鳥獣と人間(地域)が共生していくためにはどのようなことが必要か?どうすべきか?)
 共生するためには、サルに住み分ける場所を分からせるようにすればいいと考えます。つまり、ここは安全、ここは危ないなどの意識を植え付けさせることです。そのために、この町ではある程度里からはなれた山奥まではサルを追わないようにしています。住民側からすればサルは一匹もいなくていい、それだけにつきるでしょうが行政的には、野生鳥獣とうまく共生していく方法も検討しなければなりません。

(キーワード、将来展望)
 現在は、追い払いがうまくいっているので、それを続けていきます。また電気柵も併用し、里に来ても農作物が食べられないようにします。農作物が取れないとことが分かるとサルも山に帰っていくでしょう。昨年はたまたま被害が少なかったのですが、被害が少なかったからといって安心はできません。今まで被害を与えていた群れは去っても、違う群れが来て被害を及ぼすかもしれません。これからも引き続き注意が必要です。

*この文章は、宮城県七ケ宿町役場鳥獣害対策担当者のお話を中心に短くまとめたものです。
*掲載されている写真は宮城県七ケ宿町よりお借りしたもので、転用禁止

さらに詳しいことを知りたい方は、
宮城県七ケ宿町役場 
〒989-0512 宮城県刈田郡七ヶ宿町字関126
TEL 0224-37-2111(代表)

URL http://www.town.shichikashuku.miyagi.jp/

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